【現代語訳】 本居宣長『紫文要領』より「もののあはれ」を見る 訳:NF
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本居宣長は日本人の精神のありようとして「もののあはれ」を重んじており、宣長の思想を理解する上で「もののあはれ」の理解は欠かせないと考えられます。そこで、この「もののあはれ」ついて『源氏物語』の研究書である『紫文要領』で述べた部分について以下で見ていきます。
・『紫文要領』
『紫文要領』は、宝暦十三年(1763)に編纂した『源氏物語』の研究書です。なお、この年は生涯の師と仰ぐ賀茂真淵とただ一度の出会いをした年でもあり、宣長にとっては転機となりました。歌研究の『石上私淑言』が成立したのもこの時期で、歌・物語といった王朝古典研究がこの頃をもって一段落したといって良いでしょう。これ以後、宣長は『古事記』研究を軸にして「道」追求に力を注ぐようになります。
『紫文要領』は百ページ以上にわたる膨大な著作ですが、今回はそこから「もののあはれ」関連の部分を何箇所か現代語訳することとします。全体が知りたい人は、原著(筑摩書房から全集が出ています)に当たっていただく事をお勧めします。なお、原文には後で宣長自身の手による校訂が入っているようで、訂正前の元本を基本としますが校訂後の方が意味が通りやすい場合はそちらに倣う事にします。また、現代の目から見れば不適切な用語や表現、思想もあるとは思いますが、史料という事であえてそのまま訳す事にします。御了承ください。
<目次>
・本居宣長『紫文要領』より「もののあはれ」を見る 訳:NF 「もののあはれについて」
(『本居宣長全集第四巻』筑摩書房 37-44頁より現代語訳)
(一)、(二)、(三)、注
・本居宣長『紫文要領』より「もののあはれ」を見る 訳:NF 「歌人此物語を見る心はへの事」
(『本居宣長全集第四巻』筑摩書房 99-112頁を現代語訳)
(一)、(二)、(三)、(四)、注
・本居宣長『紫文要領』より「もののあはれ」を見る 訳:NF 参考文献
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そのほかの宣長著作現代語訳や宣長に関するレジュメはここにあります。
「本居宣長関連発表まとめ」
もしよろしければ社会評論社『ダメ人間の日本史』の「本居宣長 国学大成した大学者は、骨の髄から重度のキモオタ」を御参照いただければ幸いです。
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(2011年2月15日、関連記事を追加しました。)
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