【現代語訳】本居宣長『石上私淑言』より「もののあはれ」を見る 訳:NF
|
本居宣長は歌・物語において「もののあはれ」を重視しました。そこで、以前に『紫文要領』から「もののあはれ」について言及した部分を現代語訳しました。
関連記事:
「【現代語訳】 本居宣長『紫文要領』より「もののあはれ」を見る 訳:NF」
今回は、彼が三十五歳頃に歌について述べた『石上私淑言』から「もののあはれ」に関連した部分を現代語訳します。なお、現代の目から見ると不適切な表現などもあるかもしれませんが、資料としてあえてそのままに訳してあります。また、以前の記事にも言えるのですが、本来、とある文章の一部だけを訳するというのは全体の文脈からの判断が出来なくなるので望ましくないのでしょうが、今回は「もののあはれ」の解説資料に用途を限定し、敢えて「もののあはれ」に直接言及している部分のみを現代語訳いたしました。御了承ください。
・『石上私淑言』
『石上私淑言』は『紫文要領』(宝暦十三年すなわち1763年)と同時期か少し遅れて成立したと推測され、歌を詠む上での心がけを説いたものであり「もののあはれ」の重要性が言及されています。この時期に宣長は賀茂真淵に入門し、『古事記』研究や「道」への追求へと傾倒していくようになる事を考えると『紫文要領』と共にその前段階における歌と物語に関する論述の集大成といえます。なお、宣長は『石上私淑言』を生涯にわたり一般公表することはありませんでしたが、没後の文化十三年(1816)に本居大平の門人・斎藤彦麿により刊行されたそうです。
<目次>
本居宣長『石上私淑言』より「もののあはれ」を見る 訳:NF
(本居宣長著、子安宣邦校注『排蘆小船・石上私淑言』岩波文庫 176-192頁より現代語訳)
(一)、(二)、(三)、(四)
本居宣長『石上私淑言』より「もののあはれ」を見る 訳:NF 参考文献
関連記事:
そのほかの宣長著作現代語訳や宣長に関するレジュメはここにあります。
「本居宣長関連発表まとめ」
もしよろしければ社会評論社『ダメ人間の日本史』の「本居宣長 国学大成した大学者は、骨の髄から重度のキモオタ」を御参照いただければ幸いです。
Amazon :『ダメ人間の日本史』(ダメ人間の歴史vol 2)
楽天ブックス:『ダメ人間の日本史』(ダメ人間の歴史vol 2)
当ブログ内紹介記事
楽天ブックス: ダメ人間の日本史 - ダメ人間の歴史vol 2 -
(2011年2月16日、著作紹介を追加しました。)