天皇、エロの真理を語る
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取り上げるのは後深草天皇。13世紀の日本の天皇陛下です。
この後深草天皇、様々な倒錯的なエロスを享楽しつくしたエロの道の猛者だったのですが、エロスの王者として、恐るべき悟りに到達してすさまじい発言を残しており、それを聞いた愛人の二条によって、その内容が『とはずがたり』に書き残されています。
その後深草天皇(この時は既に退位しているので後深草院)の発言を引いてみると(原文は『新編日本古典文学全集』小学館より引用)
さても広く尋ね、深く学するにつきては、男女のことこそ、罪なきことにはべれ。逃れがたからざらむ契りぞ、力なきことなる。されば、昔も例多くはべり。……もしは畜類・獣に契るも、皆前業の果たす所なり。人はたすべきにあらず。
<訳>
ところで、広く調べ、深く学んだところでは、性愛というのは、罪とならないものだ。逃れ難い交わりというものがあって、それは人の力ではどうしようもないものなのだ。そういうわけで、実例も昔から多く存在している。……また畜類や獣と交わるのも、皆宿命の力によるものである。人の力で行われて、人が責めを負うようなものではない。
……なんという言い草。
獣姦も全然OK、どんな変態エロでも罪とならない、
とは。
いったい何を深く学すればこうなるのか知りませんが、
さすがHENTAIランドのボスと感嘆するよりほかありませんね。
というわけで、皆さん、天皇陛下のお墨付きです。
たとえ衝動と愛情が二次元に向こうとも、画面の向こう向こうとも、右手が相手でもコンニャクが相手でも、掃除機に愛をささやこうとも、
それは一個人の意思を超えた、世界の意思だから、個人は何ら責められることはないのです。
エロの世界の外の別のルールに抵触しない限り、好きなだけ好きなように励めば良いのです。
ところで、これだけだと後深草院が変態なだけのアホ王みたいなので、院の名誉のために少し余談を付け加えておくと、
元寇だなんだと国難の時代、後深草院が新たに即位した弟、亀山天皇にあてた対中国政策に関する忠告の手紙は、大変適切なものであったと言われています。
それでは最後に、もう一度まとめておきましょう
後深草天皇曰く、
エロの世界はフリーダム。どんな変態も罪とはならぬ。けものっ娘でも全然OK。業に従い好みのままに、思う存分萌えてみなぎれ。
参考資料
『新編 日本古典文学全集 47 建礼門院右京大夫集 とはずがたり』小学館
『問はず語り』玉井幸助校訂 岩波文庫
中村真一郎著『色好みの構造 ─王朝文化の深層─』岩波新書
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