レトロゲーム紹介 第4回『シャドウゲイト』『ディジャブ』
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旅の途中であった王家の血を引く勇者がドルイド僧の言葉に動かされ、世界に仇をなす魔王ワーロックを倒すべくその本拠地シャドウゲイトに向かう。これが、『シャドウゲイト』作品世界の基本設定です。カーソルで対象を指しつつ「移動」「調べる」「開く」などのコマンドを実施しストーリーを進めていくのが基本システム。松明の火を切らさないようにするのが何より大切です。
さて御存じの方も多いかと存じますが、このゲームの主人公「しんのゆうしゃ」はとにかくよく死ぬ事で有名。うっかり松明を燃え尽きさせてしまい暗闇で転倒して死んだり、うっかり剣を自分にさしてしまい死んだり、うっかり穴に転落死したりとパターンを数え始めると切りがありません。プレイしていて、「ざんねん!わたしのぼうけんはこれでおわってしまった!」という言葉と共に死神の画像を目にすることがしばしば。
日本ではしばしば「バカゲー」と評され、酷いときは「クソゲー」呼ばわりされる事すらあるこの作品。しかし海外では名作として評価が高いそうです。実際、遊んでいてまともな意味でも楽しめた一品だったと思います。まずしばしば指摘される事ですが、プレーヤーの行動における自由度が高い。あと、意外に観察眼を求められるシーンがあって唸らされる事も。死亡しても、その直前からやり直せるのもありがたいです。BGMも秀逸で、中世ヨーロッパ風の舞台でおどろおどろしく進む物語の雰囲気をよく盛り上げてくれていると思います。
この作品がネタゲームとして名高くなってしまったのは、日本に導入したケムコのテキストセンスによる部分が大きいと思います。おそらく、全て分かった上でやってるんでしょうけれど。死ぬ時の台詞がとにかく多様でこっているし、妙な日本語訳がおかしさを醸し出しています。
「ホップ、ステップ、ジャンプ、…かーるいす!!」
って感じに。更に、呪文も覚えられるのですが日本語訳された呪文名がそのまま過ぎて脱力もの。ケムコのこうしたセンスが合うかどうかは、人による気がします。…あと、この勇者さん流石に色々とヘタレ過ぎるのも否めないところ。
なお余談ですが、主人公の死に方がやたら多様で凝っているのは、ゲームブックと似ている点があるように思います。
関連サイト;
「ちゆ12歳」(http://tiyu.to/)より
「「ソーサリー」の新訳版が完結」(http://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/05_02_21)
何でも、ほとんどヒントがないまま選択肢を選んでいく性質上、何度もゲームオーバーを見る事になるので死に方に凝る必要があったとのこと。おそらく、『シャドウゲイト』もその点は事情が同じだったのではないかと推察されます。
次に、『ディジャブ』もこの際に紹介してしまいます。この作品も、基本的に『シャドウゲイト』と類似したゲームシステムです。ケムコ三部作としては、こちらが先。この作品は、第二次大戦前のアメリカを舞台に記憶喪失になった主人公が殺人の濡れ衣を着せられつつある事に気づき独自に事件の真相を探り自らの無実を証明しようとする物語。一説には実在の事件がモデルという話もあるようですが、本当かどうかは知りません。こちらも、一つ間違えるとしばしば主人公が死んだり逮捕されたりしますが、ミスしても直前からやり直せるので難易度はそう高いわけではありません。『シャドウゲイト』とは異なり、ケムコによる日本語訳もいたってシリアス。硬派でハードボイルドな世界観を楽しむ事ができ、『シャドウゲイト』よりは間口が広いように思います。なお、移動にタクシーが必須なので金がなくならないよう注意しましょう。スロットマシンで増やす事ができます。
関連サイト:
「Stardust rain」(http://rainbow-gates.sakura.ne.jp/review/re_top.html)より
「シャドウゲイト」(http://rainbow-gates.sakura.ne.jp/review/re_top.html#gate)
「ディジャブ」(http://rainbow-gates.sakura.ne.jp/review/re_top.html#dija)
「ノーガード万歳」(http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/8089/mein.html)より
「シャドウゲート」(http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/8089/syadowmein.html)
「ディジャブ」(http://page.freett.com/rikiisi/dejavumein.html)
「水密桃の褥」(http://www.geocities.jp/bedofwaterhoneypeach/top.html)より
「Shadowgate」(http://www.geocities.jp/bedofwaterhoneypeach/shadowgate.html)
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