レトロゲーム紹介 第33回『時空の旅人』
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プレイヤーは、クタジマ・トシトなる人物を操作して、歴史をより良いものに改編すべく歴史人物たちに介入していく、というのが基本ストーリー。ま、介入と言っても会話を交わし、向うの質問に「はい」「いいえ」で答える単純なものですが。登場する歴史人物は本能寺で明智軍に囲まれた際の織田信長から始まり、豊臣秀吉・石田三成・徳川家康・天草四郎から東條英機まで様々で、豪華と言えば豪華。
面白いことに、主人公と歴史人物たちとの会話次第でその後の歴史で重んじられる価値観が変わっていくようです。…実際の所、歴史の変化はそんな単純なものではありえないわけですが、まあそこは気にしない事にしましょう。「正当な歴史」「力の支配する歴史」「金の支配する歴史」「食べ物の支配する歴史」といった感じで歴史が分岐します。重んじられる価値観によっては、歴史人物たちの発言が珍妙なものになって笑えたりするので一見の価値はあるかも。特に食べ物重視の世界だと。
注意事項としては、歴史人物たちは結構面倒くさいです。機嫌を損なうと主人公がやられてゲームオーバーになったりしますし、そこまでいかなくとも前の時代に戻されたりします。あと、面によっては会話終了後にタイムマシンに乗り損なうとゲームオーバーになったりするのでご注意。
どのような歴史を主人公は創り出すのか、そしてその歴史が迎える結末はどんなものなのか。主人公は、理想の未来へたどり着けるのか。それぞれバッドエンドだったりハッピーよりだったりと価値観によって様々。意外な価値観の時に意外な結末になったりしてその辺は興味深かったです。
ゲームシステムもかなり単純ですし、歴史人物たちがおバカな会話を繰り広げたりするさまがシュールで、個人的には結構楽しめました。恐らくは、狙って突っ込みどころ満載な世界観にしたものと思われ、僕にとっては割とツボにはまった印象です。ただ、原作アニメに忠実とはお世辞にも言い難くキャラゲーでこれをやるのはどうかという気はしますし、歴史ゲームとしてもどうなのかと言われると反論はできないのも事実。世間的には「伝説のクソゲー」扱いなのも、残念ながら理由がない訳ではありません。正直、他人に勧められるか、と問われると「かなり人を選びます」と答えざるをえないかも。ただ、上述したように個人的には結構楽しみましたし、嫌いではない一品でありました。
関連サイト:
「時空の旅人を見守る会」(http://www.geocities.jp/tokitabi_mimamoru/)
※2015/7/28 やや加筆。
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