<言葉>島崎藤村が語る、己の弱さとの向き合い方
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そんなやっかいな、己の弱さとの向き合い方について。近代文学者・島崎藤村は、随筆でこのように述べています。
弱いのが決して恥ではない。その弱さに徹し得ないのが恥だ。(島崎藤村著『飯倉だより』岩波文庫 116頁)
その人生において様々に醜聞も伴った彼の言葉だと考えると、妙な説得力がある気がします。
下手に弱さを隠そうとしても、ボロが出たり変に悪人に付け込まれたりして、恥や罪を重ねる結果になりかねません。それなら自分の弱さを正視して、それをも己の一部として受け入れて、あわよくばそれをも活かすようにして生きていく方が良い、藤村はそう言っているように思います。僕個人としても、強さの仮面をかぶって誤魔化すのが出来そうにないタイプですし、この言葉を頭の片隅に置きつつ生きていこうと考えています。
【参考文献】
島崎藤村著『飯倉だより』岩波文庫
『日本大百科全書』小学館