大関・稀勢の里の「綱取り」条件から見る、今の昇進基準
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さてその一方、綱取りを期待され今場所も白鵬と優勝を争いながら、届かなかった大関・稀勢の里。それでも2場所連続で13勝2敗だったことを評価され、来場所にも綱取りのチャンスがあるようです。
関連サイト:
「日刊スポーツ」(http://www.nikkansports.com/)より
「稀勢の里、来場所綱取り条件は「14勝以上の優勝」」(http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1651976.html)
さて、戦後昭和期の横綱昇進事例を以前に検討したところ
・大関としての直近二場所が計25勝以上
・ただし、直前場所は12勝以上
というのが目安だった事が分かりました。稀勢の里は今回、この2条件は満たしていますが、やはり優勝経験がないのがネックになっていそうです。一方、優勝経験がないにもかかわらず来場所優勝すれば昇進の可能性があるわけですから、二場所連続優勝を厳格に求める訳でもないようです。
してみると、鶴竜昇進時の前例も考慮すると、現在の横綱昇進基準は上記2条件に
・過去に優勝経験あり(直近二場所含む)
を加えたものと見る事ができそうです。だとすると、奇しくも、以前に僕が思考実験として提唱したものと同様ですね。
もっとも、来場所の稀勢の里の場合、単に優勝すればよいわけでもなさそうです。「高いレベル」での優勝を求める声もあるそうで。稀勢の里も大変です。それでも、せっかくのチャンスなのです。来場所も綱取りとみなされているのは、寄せられた期待の大きさを表したものといえるでしょう。それだけに、来場所の結果が良いものである事を祈りたいものです。