『童貞の世界史』落選者列伝 中里介山~人気作家は言った、「恋愛はいけない、魂を傷つけるから」~
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放蕩なんかどんなにしてもよい、それは魂を傷つけることがないから、しかし恋をしてはいけない。魂を傷つけるから(柞木田龍善『中里介山伝』読売新聞社 148頁)
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2017年 03月 05日
どうも、松原左京です。今回は、『大菩薩峠』作者として知られる中里介山(1885-1944)を扱います。 介山は、神奈川県西多摩郡(現在は東京都)に生まれました。本名は弥之助。苦労人であったらしく、電話交換手・小学校代用教員を経験しています。その間、キリスト教や社会主義思想などに触れたそうです。なお日露戦争中は非戦論を唱え、『乱調激韵(らんちょうげきいん)』という詩を残しています。介山はやがて社会主義から離れ、仏教思想からの影響を強く受けるようになっていきます。これが後の作品群にも反映されていきました。 明治四十二年(1909)に都新聞に入社。大正二年(1913)から代表作『大菩薩峠』を連載開始し、人気作家となります。この虚無的な剣客・机竜之助を中心とする大部の群像劇は未完に終わりましたが、大衆文学の先駆けと評価されています。他にも法然を主人公とした『黒谷夜話』や聖徳太子の物語である『夢殿』、自伝的な『百姓弥之助の話』といった作品を残しています。 晩年は農本主義を唱え、文壇とも距離を置いて生きたと言われています。 生涯独身を貫きましたが、だからといって生涯童貞という訳でもなかったようです。むしろ、「女性との交渉は少なくなかった」(中村文雄『中里介山と大逆事件』三一書房 73頁)といわれています。 そんな彼の言葉として、次のようなものが伝わっています。 放蕩なんかどんなにしてもよい、それは魂を傷つけることがないから、しかし恋をしてはいけない。魂を傷つけるから(柞木田龍善『中里介山伝』読売新聞社 148頁) 彼の人生観の背景に、少年期の失恋が関連している可能性を指摘する向きもあるようです。あるいは、その際に傷ついた経験が、上記のような言葉を吐かせたのかもしれません。 若き日に恋愛で負った心の傷ゆえに、生涯独身。そういった人は時にいるようです。ただし、だからといって性愛を遠ざけるとは限らない。介山の事例からはそういった事が読み取れます。郷誠之助あたりにもいえることですが。 参考文献: 『朝日日本歴史人物事典』朝日新聞社 『日本人名大辞典』講談社 『日本大百科全書』小学館 『大辞泉』小学館 中村文雄『中里介山と大逆事件』三一書房 柞木田龍善『中里介山伝』読売新聞社 関連記事: 介山や『大菩薩峠』を扱った記事もありましたので。
by trushbasket
| 2017-03-05 23:14
| 松原左京
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