茶道流派から見る近代数寄者たち
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丹波篠山出身。村山龍平(玄庵)と共に大阪朝日新聞社を経営。藪内節庵に茶の湯を学びましたが、流派には必ずしもこだわらなかったそうです。関西実業家を中心とする「十八会」を玄庵や藤田香雪と共に設立。その茶の湯は派手を嫌い地味なものだったとされています。
伊勢出身。朝日新聞社を創立し、上野理一(有竹)と共に経営。刀剣や文人画など美術収集を好み、そこから茶の湯に興味を持つようになりました。藪内節庵に学ぶと共に、家元の藪内竹翠にも教えを受け皆伝に至っています。
福岡藩士の家に生まれ、米国留学を経て工部省に入りました。益田孝(鈍翁)に目をかけられ、三井財閥内部の要人となり、三井合名理事長などを歴任。フェノロサと親交があり日本美術を愛好。小田原庄屋旧宅を原宿の自宅に移築し、鼓腹亭と名付けています。
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こちらに言及あり。大阪の両替商の家に生まれ、金融業を中心に多彩な事業に手を広げました。財力を背景に多数の道具を集め、また非常に多数の茶会を主催すると共に多くの茶会に出席しています。
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表千家:五島古経楼、小林逸翁、嘉納鶴翁(ただし後に石州流)、三井華精
表千家不白流;益田鈍翁、馬越化生、安田松斎、団狸山
江戸千家:根津青山、服部山楓
尾州久田流:森川如春庵
裏千家:住友春翠、畠山即翁、佐藤助庵、細見古香庵、松下宗晃、北村謹次郎、湯浅佑一
武者小路千家:平瀬露香、藤田香雪
藪内流:上野有竹、村山玄庵、野村得庵、山口滴翠
石州流:嘉納鶴翁
やはり、多岐にわたっていますね。三千家がいずれも姿を見せているのは、流石です。茶人として相当な高見にあった数寄者もあり、中には家元が幼少の際には代行をつとめたり、家元制度そのものに一家言あったりする事例も。
藪内流は、藪内宗把を遠祖とし、武野紹鴎の弟子・剣仲を初代とする流派です。剣仲が古田織部の妹を妻としていた関係からか、代表的な茶席・燕庵は織部好みだそうです。更に五代目竹心は、『源流茶話』で利休回帰を唱えたことで知られます。代々、西本願寺の庇護を受け、古風さを残した形態だそうです。京都の下京に位置するため「下流」とも呼ばれます。なお、これに対し上京にある三千家は「上流」と呼ばれる事があります。
江戸千家は、川上不白に由来する流派です。不白は表千家七世如心斎の弟子で、師の意を受けて千家の茶を広めるため江戸に拠点を置いたのが始まりとされています。現在、「江戸千家」と称する流派には弥生町江戸千家と池之端江戸千家とがあるそうです。
なお、不白の弟子で久留米藩に仕えた川上宗什の系統は、表千家不白流と呼ばれます。中でも蓮心宗順は益田鈍翁・馬越化生・安田松斎ら数多くの数寄者を弟子に有しており、その意味で近代茶道史に少なからぬ影響を与えた傑物といえるでしょう。
久田流は織豊から徳川初期にかけての茶人・久田宗栄を祖としています。宗栄は利休の妹を母として生まれ、利休から茶の教えを受けました。二代目宗利は千宗旦の娘婿となっており、また宗旦四天王の一人・藤村庸軒も久田家の出身。千家との関係は深いものがあります。中でも、表千家は六世覚々斎や九世了々斎が久田家から養子として入った存在ですから関わりはひときわ密接。四代目宗也の長男・宗玄が分家し久田流を名乗るようになりました(両替町久田家)。従来からの久田家は高倉久田家と呼ばれます。
【参考文献】
『茶の湯便利手帳4茶の湯人物事典 略伝・ことば・逸話』世界文化社
八尾嘉男『図解茶の湯人物案内』淡交社
池田瓢阿著『近代の茶杓 数寄者たちの優美な手すさび』淡交社
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『美術人名辞典』思文閣
『大辞林』三省堂
「戦後に活躍した「数寄者」たち~あの実業家も実は茶人だ~」
「続・戦後の数寄者たち~茶人でもあった戦後実業家はまだまだいました~ 」
「茶道具の価値づけ方から見る、文化に接する上での心得~文脈を理解し、最終的には価値観と眼力で~ 」
「続茶の湯 数寄者たち」(http://kurekiken.web.fc2.com/data/1999/991029.html)
「藪内家の茶」(http://www.yabunouchi-ennan.or.jp/)
藪内流の公式サイトです。
「茶道 不白流」(http://www.fuhakuryu.or.jp/index.html)
表千家不白流公式サイトです。
「江戸千家宗家蓮華庵 公式サイト」(http://edosenke.or.jp/)
弥生町江戸千家の公式サイトです。
「江戸千家」(http://www.edosenke.jp/)
池之端江戸千家の公式サイト。
高倉久田家の公式サイト。
「久田流(両替町久田家)」(http://hisadaryu.jp/)
久田流公式サイト。