女性の生涯不犯を「童貞」と称した、比較的最近の用例
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男性が、まだ女性と肉体的交渉の経験をもっていないこと。また、その男性。
式子内親王は、後白河法皇の第三皇女として生まれ、若くして早く斉院の神女に奉られた。既に高貴の生まれであり、自由の生活が出来ないところへ、神に仕へる聖女として、生涯童貞不犯の境遇を強いられた歌人であった。(山田俊幸編『論集立原道造』風信社 105頁)
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2017年 11月 15日
どうも、松原左京です。『童貞の世界史』では、男女を問わず、生涯にわたり不犯・純潔を貫いた歴史上の人々を扱っています。 以前に申し上げた通り、「童貞」という語は元来、純潔の尼僧を元来意味する言葉でありました。現在でも、辞書にはその意味も記されています。しかしながら、現代日本においては基本的に男性を対象に用いられています。実際、『大辞林』を見ても 男性が、まだ女性と肉体的交渉の経験をもっていないこと。また、その男性。 とありますし、『大辞泉』にも「ふつう男性にいう。」なんて書かれてます。『童貞の世界史』で女性も取り上げた事について何度か御意見を頂戴したのも、これを考えると故なきことではありません。 さて。この頃知ったのですが、割合最近の書物でも、女性に対し「童貞」と称した事例がないでもないようです。 近代の詩人・立原道造について語った書物の中で、新古今和歌集の女性歌人・式子内親王に言及した箇所があります。そこでは、生涯婚姻しなかった彼女について以下のように語っています。 式子内親王は、後白河法皇の第三皇女として生まれ、若くして早く斉院の神女に奉られた。既に高貴の生まれであり、自由の生活が出来ないところへ、神に仕へる聖女として、生涯童貞不犯の境遇を強いられた歌人であった。(山田俊幸編『論集立原道造』風信社 105頁) 出版されたのは、1983年。収録されたこの文章が書かれたのはもう少し前なんでしょうが、まあ文体から言っても「現代」と称して問題ない時代の文章かと思います。巫女として生涯を送った女性の話ですから、聖職者という点で冒頭で述べた「純潔の尼僧」と意味合いの共通性はありそうですが。 一般的な用例とは言えないにせよ、現代でも女性に対し「童貞」と称すのは必ずしも間違いではないのかな、と少し心慰められた次第です。 参考文献: 『大辞林』三省堂 『大辞泉』小学館 山田俊幸編『論集立原道造』風信社
by trushbasket
| 2017-11-15 19:19
| 松原左京
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