【読書案内】『恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本』
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人の才や器は人体の一局所の特殊な摩擦経験の有無によって決まるものではない
独りで生きて何が悪い
ともかく柔軟に「先達」の助言を取り入れ、それで…
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2018年 01月 10日
どうも、松原左京です。『童貞の世界史』の中やこのブログで、これまで色々な事を申し上げてきました。「童貞に対する世間の風当たりによって肩身の狭い思いをしている人たちを、少しでも楽にできないか」といった思いを心におきながら、あれこれと文章をひねり出してきました。今後とも、 人の才や器は人体の一局所の特殊な摩擦経験の有無によって決まるものではない
という事を、声を大にして申し上げていきたいと考えています。 とはいえ。それはそれとして、中には「周囲から童貞がどう見られるかは、割とどうでもよい」「自分がとにかく童貞を捨てたいのだ。だがそれがままならない、それが辛い」という悩みの方もおられるでしょう。今回、あえてそうした訴えに沿う形で考えて参りたいと思います。ただし、結論から申し上げますと。その類の訴えに対しては、私は無力でしかありません。 そもそも、何しろ相手がいる事ですので、絶対的な方策はなさそうです。あるケースで通用した方法が、別のケースでうまくいくとは限らない。口説く側の事情も、口説かれる側の事情も、個々で大きく違うのですから。 ただ、私から申し上げられる事があるとすれば、まずは「本当に自分が求めているものが何かを、はっきりさせる」のも有用かも、という事。性欲を発散させたいのか、人生の通過儀礼を済ませたいのか、承認欲求を満たしたいのか、人生を共に渡っていくパートナーが欲しいのか。それによって、対処も変わりうるでしょうから。例えば、欲望は独力で発散する、通過儀礼や承認欲求に関してはこだわりを捨てるか別の方法を探る。状況によっては、そうした代替的な選択肢を検討に入れる必要があるケースも、考えられそうです。何しろ、相手がいる事ですからね…。片方だけの都合でどうこうなるものではありませんから。 ともあれ。相手を見つけるための方法としては、一般論として ともかく柔軟に「先達」の助言を取り入れ、それで… とか言われたりします。しかし、この「先達の助言」というのがまた難物。色々な人が色々な事を言っている印象です。どれを信じてよいのやら。 さて、今回ご紹介するAM編集部『恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本』(双葉社)も、そんな「先達による助言」の一つといえます。特徴的な点といえば、童貞の男性が恋愛や性に関して抱きがちな様々な疑問を、女性の視点から答えてくれるという事。中には結構きつい言い方をしているところもありますし、どの程度一般化できるのかも不明ではあります。しかし、それでも。貴重な助言の数々だと思います。この手の悩みでは、「童貞の男性が、相手をしてくれる女性を求める」というパターンが、数の上では一番多いでしょうから。たとえ絶対的な正解を述べている訳では無いとしても、多少なりとも成功率を上げる力にはなってくれるのではないか、そう期待したいところです。ただし、どの本・どの助言でも言える事でしょうが、助言に従ってどんな結果が出るかは自己責任かと。相手には相手の思いや都合がある訳ですし。 思うに、著者が一番伝えたかった事は、おそらく「女性も同じ人間です」(AM編集部『恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本』双葉社より)という一節。「恋愛女性を求める童貞男性」向けの助言なのでこうした表現になっていますが、相手が女性でも男性でも同じことだと思います。確かに、テクニックや知識も大事です。ですが、その前の段階として。相手も独立した人格を持った対等な存在だという事をしっかり認識し、尊重し敬意を払う事。自分の勝手な理想を相手に押し付けない事。それができていなければ、何も始まらない。そういう事なのかな、と感じています。童貞を捨てたいと思うにせよ、童貞を貫こうとするにせよ、人としてこの点をないがしろにしてはいけないのではないか。そう考えています。
by trushbasket
| 2018-01-10 21:21
| 松原左京
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