童貞偉人・明恵はなぜモテた?~自己肯定感、相手への尊崇に似た尊重~
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どうも、松原左京です。
人の才や器は人体の一局所の特殊な摩擦経験の有無によって決まるものではない
独りで生きて何が悪い
明恵に関する詳細は、書物であたっていただければ幸いです。むろん、『童貞の世界史』でも触れています。ここで重要なのは、彼が「一生不犯、つまり童貞だった」(澁澤龍彦『ドラコニア綺譚集』河出書房新社)という事、そして「いろんな女から惚れられる」(澁澤龍彦『私の戦後追想』河出書房新社より)人だった事。彼のどんな点が、多くの女性たちを魅了したのでしょうか。
とはいえ。それで話を終えてしまうのは、何だか癪です。それに一説によれば、世の男性衆が気にするほどには、女性はイケメンかどうかにこだわらない、とも聞きます。では、イケメンである他に、明恵が女性たちを魅了した要素はあるのか。澁澤龍彦によれば、
明恵の魅力の第一は、この一生不犯の蓄積されたエネルギーで、おのれが目にする地上のすべてを浄化してしまう、ということだったと思われる。(澁澤龍彦『ドラコニア綺譚集』河出書房新社)
更に。澁澤は以下のようにも述べています。
明恵上人はつねに、この世のあらゆる女人の上に、弁天さまによって遣わされた乙護童子のまぼろしを重ね合わせていたのではなかったろうか(同書)
これを私たちが真似るのは、流石に厳しいかとも思います。何しろ、相手は歴史に名を刻む傑僧。かほどにモテたにもかかわらず堅固な信仰心で不犯を貫き通した鉄の意志の持ち主ですから。しかしながら、上で述べたような点を頭の片隅において、参考にできる範囲は参考にしつつ日々を過ごしたならば。あるいは何かが違ってくるのかもしれませんね。
参考文献:
澁澤龍彦『私の戦後追想』河出書房新社
澁澤龍彦『ドラコニア綺譚集』河出書房新社
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