<読書案内>石原比伊呂『足利将軍と室町幕府』
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2018年 01月 24日
昨年は、室町時代ブームの年だったようです。それもあって、室町時代を扱った新著も数多く出版されました。僕にとっては、嬉しい反面で出費が気になる一年に。という訳で、「読書案内」でもそうした室町時代本を気が向いたら扱っていくかと思います。今回取り扱うのは、石原比伊呂『足利将軍と室町幕府』(戎光祥出版)。 武家の棟梁でありながら、固有武力という点では頼りないイメージをもたれがちな足利将軍家。実際、戦国期には有力者の動向によって追放・殺害されたり亡命したり、逆に思わぬ擁立をされたりしています。しかしながら、最末期まで一定の権威や影響力を保有し、有力者といえど将軍の意向をただ無碍にはできなかったのもまた事実。そんな足利将軍家が有していた影響力の源泉を、朝廷との関わりという視点から読み解いていこうという一品です。 初代将軍・尊氏時代から始まり、将軍たちの朝廷との関わり方を概観。足利将軍家の基本的な対朝廷政策とその背景を分析しています。尊氏時代に朝廷と積極的に接触していたのは誰か、対朝廷や権威という点で義詮時代が持つ意外な重要性、足利将軍家の基本的な対朝廷政策から読み解ける、一見すると「簒奪計画」とも思える義満の振るまいの新解釈、義持が義満から引き継いだ点とそうでなかった点など。目から鱗が落ちる思いをさせられました。 足利将軍家と北朝天皇家は、権威に弱点を抱えた存在同士、互いを必要とする存在だったという指摘は重要かと思います。そして、足利将軍家が皇室との関わりをどのように自己規定していったのかも要注目。それを念頭に置けば、後世における豊臣秀吉の「あの」地位も、足利将軍家の延長線上と解釈できるように思えて興味深いところです。 そこから見えてくる過剰なまでに儀礼を重んずる室町社会のありようや、武家の思わぬ一面なども垣間見えます。「武士の時代」をより深く知る為には、読んで損のない一冊かと思います。
by trushbasket
| 2018-01-24 20:19
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