偉大なるダメ人間シリーズ番外 ロリコン英雄伝
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【以上(↑)、2010年12月5日加筆】
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キルケゴールは24歳で14歳の少女相手に、モルトケは39歳で13歳の少女相手に、恋に落ちました。
つまりキルケゴールもモルトケもロリコンの気がありました。
参考
キルケゴール
モルトケ
この点については当該発表文中では軽く流しましたが、一般的には、彼らについて特筆したメイドマニアだの超奥手だのという点よりも、ロリコンのほうがよっぽど重大なダメ人間と見なされるのではないかと思います。
ですがロリコンは誇れるものではないにせよ、本来異常ではないと考えられます。
ナボコフの『ロリータ』に出てくる主人公のハンバート氏はその手の人物の惹きつけられる領域として9歳~14歳を提示していますが、女性は8~9歳あたりで子宮の発達が開始するのを皮切りに身体的な変容が起こっていくそうなので、この範囲に惹きつけられる人間がいたとしても、まあ多少偏ってはいるでしょうが正常の範囲内で偏っているにすぎず、生物としては異常でも何でもないはずです。
変態、異常者ってのは、これより年下の幼女の裸写真を撮りまくっていたヴィクトリア朝の紳士たちのような人間のことを言うんですよ。
現代において、ロリコンに対する社会的な抑圧は、非常に強いものがありますが、それは生物本来の性質を社会規範で無理に禁圧しているにすぎないわけで、異なる社会規範を生きる歴史的な人物ともなれば、当然その様な性癖があからさまに曝されていることもあります。また曝す気はなくとも、歴史的な人物であれば、性癖を窺わせる発言や行動が記録されてしまうこともあるでしょう。とすれば当然、歴史上の人物にロリコンの形跡を見つけることは難しくもありません。
結果、その気のある偉人才人も幾らも転がっていて、ロリコンなんてものはネタとして特筆するほどの価値はない有様であり、キルケゴールやモルトケにしても、その思い人の年齢が少々低くかろうと、この程度であれば軽く流しておけば良いのです。
さて、このようにロリコンはネタとしてたいした価値はないわけで、ロリコン以外にダメ人間呼ばわりするネタが見つからず、発表の対象から当面除外した人物もいくらかいるわけですが、今回は番外としてそのうちの一人でも、紹介しようと思います。
というわけで、木曽義仲はロリコンです。
12世紀終盤の全国支配をかけた源平争乱期にあって、彼は本来、源頼朝よりもはるか格下の存在で、頼朝に人質を差し出さねばならぬほどであり、天下取りの候補とはとうてい呼べない人物でした。ところが彼は、このような圧倒的に不利な立場から出発しながらも、その優れた軍事的才覚で急速に勢力を拡大、京都まで攻め上って、一時とはいえ天下を狙えるかもしれない位置まではい上がっており、これをもって彼を偉大な武将と呼んで差し支えないかと思います。
東西の敵勢力の圧迫に、京都の貴族勢力の反発、彼に身を寄せていた流浪の叔父源行家の増長・反抗など、内外の敵との軋轢の結果、また飢饉の影響もあって、義仲の勢力は短期間で解体します。彼は再起を図るために京都を逃れようとしましたが、頼朝の大軍の攻撃を受け敗死することになりました。さて彼は敗死に至るまでの短期の京都支配の間に、名門藤原氏の有力者、藤原基房の娘が美人の評判であるのに懸想して、強いてこれを娶ったと言われています。
この娘の兄である師家が当時12歳であったと伝わっていますから、この娘の年齢は…。
ちなみに義仲の思いのほどは、敗北が決して彼の身にも追っ手の危険が迫る中、それでも直ぐには京都を去らず、彼女のもとで名残を惜しんでいたことから察することができるかと思います。
なお師家が兄とされる一方で、娘の年齢を16とする伝承もありますが、京都の陰険な貴族勢力から田舎育ちの野蛮人扱いされ、反発と軽侮を受けて荒れ果てた彼の心が、成熟し都の流儀と手練手管を身につけた女にかくも未練を残すはずもなく、都の典雅をまといながらも未だ都の陰険の風には染まらぬ少女であればこそ、惹かれ癒され、危険を冒してまで名残を惜しんだと言うべきでしょう。
参考資料
上横手雅敬著『平家物語の虚構と真実 上』 塙新書
三浦周行著『新編 歴史と人物』 岩波文庫
『平家物語 下』高橋貞一校注 講談社文庫
『源平盛衰記』 国民文庫刊行会
河野美香著『男が知りたい女のからだ なかなか聞けない87の疑問』 講談社ブルーバックス
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関連記事(2009年5月17日新設)
ロリっ娘が薄着スケスケ陽射にキラッ 泉はロリコンパラダイス ~中世最強ロリ小説『恋路ゆかしき大将』~
穴があったら入りたい 尻込みするほど恥ずかしい古代ギリシア文化史
涼宮ハルヒの名将の憂鬱 後編
木曽義仲については、
よろしければ、社会評論社『ダメ人間の日本史』
(「醍醐天皇 藤原伊尹 木曽義仲 恋の時代の平安朝の歪んだ恋の虜たち ~平安ロリコン英雄伝~」収録)
もご参照ください。
モルトケやキルケゴールも取り上げたこちらの本も合わせてよろしくお願いします。
(著作紹介2010年6月26日加筆)
おまけ
ロリコンがらみのささやかなリンク集
江戸時代のロリコン(Hugo Strikes Back!)
http://hugo-sb.way-nifty.com/hugo_sb/2005/08/post_19a6.html
氏家幹人『江戸の少年』という本が紹介されています。「余談として江戸時代の小児性愛者についての話が出てきて」とのことですが、ロリコンと呼ぶにふさわしいのはそこで紹介された事例の二つ目、11、12歳の少女を愛した江戸時代の男の話。男は少女が15歳になると…。
余談らしいので、その類の話を求めている方にとっては、本そのものに手を出す必要までは無いかもしれませんが。
映画評「エコール」 -ロリ映画の最高峰!!-(ロリコンファル)
http://d.hatena.ne.jp/kagami/20061122
「全世界のロリコンの絶賛を浴びまくり」の映画だそうです。
書籍紹介■クリエーターズファイル『宮崎駿の世界』(竹書房)(★究極映像研究所★)
http://bp.cocolog-nifty.com/bp/2004/12/post_13.html
宮崎氏が12歳の少女との恋愛について語った発言、というか雄叫びが紹介されています。
なぜ、幼い頃にセックスをしてはいけないのか?(恋愛科学研究所)
http://www.so-net.ne.jp/renaikagaku/news/content/020520.html
読んで字のごとくの内容の考察です。生物としては性的成熟している少年少女の性愛が禁圧されるのは、十分な教育を施して、国家の競争力を高めるため、という話。なぜ少女を性愛の対称にするロリコンがいけないかの説明にも応用できる話だと思います。
本体サイトの案内ページへのリンクを追加(2008年6月1日)
色々リンクを追加、変更(2010年12月7日)