穴があったら入りたい 尻込みするほど恥ずかしい古代ギリシア文化史
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まず古代ギリシアの女性の標準的な結婚年齢ですが、古代ギリシアを代表する二大都市国家アテナイとスパルタの場合、アテナイが、14、15歳、健康志向のスパルタは18歳だったそうです。
それでは、これより幼い少女に対するギリシア人の性意識はどうだったのでしょうか?
まずは結婚年齢も低く、いかにもヤバそうなアテナイの方から見ていきましょう。
アテナイの少女愛を物語る資料としては、紀元前4世紀後半に『ネアイラ告発』という雄弁家デモステネス作を称する偽弁論の中で語られた、高級娼婦ネアイラの物語があります。
この物語によると、ネアイラはヒュポパルテス・ヘタイラ(まだ一人前の娘でない娼婦)となって、そんなことのできるしかるべき年頃に達しない内から体で働いていたそうです。
そのような特別な単語があるということは、幼い少女を性の対象にするのは、特殊な趣味ではあるがありふれていたということになりますね。
さすがに結婚年齢が低いだけのことはあって、少女を犯すのにもためらいがありません。
ちなみに紀元前4世紀後半というと、古代ギリシアの没落期、古代ギリシア諸国がその栄光を失っていく混乱の時代ですが、別にこの習慣は混乱と不安と頽廃の中でのみ現れた、異常事態というわけではないようです。
それを示してくれるものとして、神話からアテナイ建国期の逸話を一つ抜き出してみましょう。プルタルコスやアポロドロスが紀元前5世紀以前の伝承に依拠して語るところに従えば、アテナイを建国した英雄テセウスは50歳の時に、年甲斐もなく、結婚適齢に達していない12歳の美少女ヘレネをスパルタから誘拐したとか。
そしてこのテセウスとヘレネについて、いい感じにやましい話が伝わっています。
なんでも、5世紀または7世紀の辞書『ヘシュキオス辞典』にはキュソラコーンという単語を掲載し、その単語に関して紀元前2世紀の文献学者アリスタルコスの説を引いているそうで、それによるとこの単語は、キュソス(尻または女陰)でラコニア風に衆道を事とした者に与えられた呼び名だとか。
いまいち何を言ってるのかはっきりしませんが、女陰で犯るのに衆道の要素は全く含まれて無い気がしますし、尻で衆道は当たり前なので、あえてキュソスでと特筆しているのは、たぶん女性の尻を対象に衆道のように肛門性交したって意味なんじゃないかと思います。
そして9世紀の古典学者フォティオスはキュソラコーンという単語の説明した際に、これをテセウスがヘレネにしたやり方とする、アリストテレス(紀元前4世紀の有名な大哲学者か同時代の歴史家ははっきりしないらしい)の説を引いているそうです。
要するに、アテナイは、小学生の女の子をさらってその尻を犯すような、ロリコンのおっさんによって建てられたってことです。そして、そのままずっと建国の英雄の趣味であるロリコンを受け継いでたんですよ。
とってもイヤな都市ですね。
次に標準結婚年齢18歳の健全国家スパルタに目を転じましょうか。
アテナイの変態っぷりの後だけに、スパルタの健康志向は大変清々しいですね。
これだけ見れば。
ですが、既にスパルタのヤバさは、ここまででもちょっとだけ滲み出ています。衆道云々で出てきたラコニアってスパルタを含む地方の名称なんですよ。つまりスパルタ風=衆道=尻。なんか雰囲気怪しくなってきましたね。
その上、3世紀の随筆家アテナイオスが、紀元前2世紀の哲学者ハグノンの言葉を引いて、スパルタ人が結婚前に稚児と交わるごとくに乙女と交わる習慣を持っていることを示しているそうです。
つまりスパルタ人は自分の国の少女をさらった変態おやじの変態プレイを、自分たちも身につけて、そのままずっと少女の尻を犯し続けていたと言って良いわけです。そしてヘレネの年齢から言って、相当幼い少女も対象になっていたに違いありません。尻でやるぶんには子供できませんから、別に健康志向を貫く理由はないですし。
こっちもとってもイヤな都市です。
さて、こんなふうに一人の少女の尻の穴を通じて結びつく古代ギリシア二大都市って感じなわけですが、それだけでも気まずいのに、ヘレネといえば、テセウスの留守をついてスパルタが彼女を取り戻すや各地の王が求婚に殺到し、やがては彼女をめぐって、小アジアのギリシア人植民都市を含む全ギリシア世界を巻き込んだ大戦争、トロイア戦争が起こった美女のことです。つまり二大都市どころか、全ギリシアが少女の尻の穴で結びついているも同然と言えるでしょう。
ちなみに、かくして少女の尻の穴で歴史を始めた古代ギリシア都市国家は、すでに述べたように少年愛を非常に好み、文化的絶頂を印す紀元前4世紀前半のプラトンの哲学では、少年の肉体の美しさを愛でることで神の本質たる美に触れ、それを通じて現実を超越して神へと至ろうと、いわば少年の尻の穴を通じて神を目指そうとしていました。
そしてギリシア都市国家が新興国家マケドニアに敗れ、独立と栄光を失うことになる紀元前4世紀後半には、ギリシア都市国家最後の輝きとして、愛する男と愛される少年から構成され、互いに良いとこ見せたい彼らの気持ちを利用して無敵の強さを誇った、神聖部隊と呼ばれる男色部隊の、祖国に殉じた壮烈な戦死が見られます。
彼らはマケドニア軍に対するギリシア都市国家連合軍の敗北の中で、一人残らず戦死し、ギリシア諸国の意地と誇りを見せ付けてくれました。
いわば、尻の穴に始まり、尻の穴で絶頂し、尻の穴に終わる歴史。
ギリシア史は気まず過ぎると思います。
参考資料
ケネス・ドーヴァー著『古代ギリシアの同性愛』中務哲郎/下田立行訳 リブロポ-ト
エヴァ・クールズ著『ファロスの王国 古代ギリシアの性の政治学』中務哲郎/久保田光利/下田立行訳 岩波書店
『アポロドーロス ギリシア神話』高津春繁訳 岩波文庫
『プルターク英雄伝(一)』河野与一訳 岩波文庫
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冒頭で挙げた結婚年齢が女性のものであることを書き忘れていたことに気付いたので、女性である旨書き足しておきました。(11月30日)
リンクを変更(2010年12月8日)