大和心はロリ心 ~ロリペド輝く『大和物語』~
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これも平安時代の歌物語で、以前取り上げた『伊勢物語』や『平中物語』とともに歌物語の代表とされる作品です。
(以下、原文の引用は新編日本古典文学全集12巻より)
百六十九段
むかし、内舎人なりける人、おほうわの御幣使に、大和の国に下りけり。井手といふわたりに、清げなる人の家より、女どもわらはべいで来て、このいく人を見る。きたなげなき女、いとをかしげなる子を抱きて、門のもとに立てり。この児の顔のいとをかしげなりければ、目をとどめて、「その子、こち率て来」といひければ、この女寄り来たり。近くて、見るに、いとをかしげなりければ、「ゆめ、こと男したまふな。われにあひたまへ。おほきになりたまはむほどにまゐり来む」といひて、「これをかたみにしたまへ」とて、帯をときてとらせけり。さて、この子のしたりける帯をときてとりて、もたりける文にひき結ひてもたせていぬ。この子、とし六、七ばかりありけり。この男、色好みなりける人なれば、いふになむありける。これをこの子は忘れず思ひたりけり。男ははやうに忘れにけり。かくて七、八年ばかりありて、また同じ使にさされて大和へいくとて、井手のわたりに宿りゐて見れば、前に井なむありける。それに、水くむ女どもあるがいふやう、
<訳>
むかし内舎人であった人が、大三輪神社への奉納の使者として大和の国へと下っていくところであった。井手といわれる辺りで、小綺麗な家から、女たちと子供たちが出てきて、この通行人を見ていた。見苦しくない女が、とてもかわいらしい子を抱いて、門の所に立っていた。この子供の顔がとてもかわいらしかったので、じっくり眺めて、「その子をこっちに連れておいで」と言ったので、この女は寄ってきた。近くでよく見ても破綻しない本当にかわいらしい容姿だったので、「他の男を相手にしてはいけないよ。私と結婚しよう。おっきくなったころ、絶対に迎えに来るから。」と言って、「これを形見にしてね」と、帯を解いて与えた。そして、この子のしていた帯を解いて取り、持っていた文に結んで持たせていった。この子の歳は、六、七歳であった。この男は、色好みの人だったので、こんなことを言ったのであった。このことをこの子は忘れずに思い続けていた。男は早くに忘れてしまっていた。そうして七、八年ほどして、また同じ使者に指名されて、大和にいくところで、井手の辺りに宿泊したところ、目の前に井戸があった。そこで、水を汲む女達がいうことには……
さて、今に残る『大和物語』は全173段の歌物語なのですが、もともとの原本はこの169段が最終段で、しかもこのように結末も述べず歌物語なのに歌もなく物語をあえて途中で切断する形で、余韻を残して終わっているのだそうです。
よりにもよって大人が幼女の帯を解き解き結婚しようとか言う話を最後に持ってくることにも恐れ入りますが、しかも、数えで6~7歳、満年齢なら5~6歳くらいの幼女の7~8年後、すなわち12歳から14歳あたりの良い感じにロリぃな少女のラブラブ再登場ドッキングを匂わせ、あとは読者のお前らのキモい妄想に任せたとばかりに、ダメな感じの余韻を残して終わるとは、なんとも素晴らしい物語ですね。
そして世界最狂のHENTAI民族日本人は当然、作者の粋なロリ魂にビリビリ共鳴を示します。
実は我が国にはこの故事に由来する「井手の下帯」という成句がありましてその意味は
●井手の下帯(したおび)
(「大和物語」の、内舎人(うどねり)が井手の里に行って少女に帯を解いて与え、年経てからその帯を目じるしに再会し、契りを結んだという故事から)男女が別れてから、ふたたび巡り会って契りを結ぶこと。
(国語大辞典 小学館)
とのことなのですが、帯が露骨に「下帯」になってる辺りがさすがです。「下帯(したおび)」といえば肌着の帯でございます。
もともと幼女に唾着けといてロリっ娘に育ってからくっつくっていう、光源氏のロリ度をちょっと上回るレベルの軽度の変態話にすぎなかったのに、いつのまにやら、自分と幼女の肌着の帯解き裸で幼女の裸にハァハァって感じの救いようもなくペド公な重度に変態的ニュアンスを与えられています。
しかもそれが別れを経て再会した男女を表す成句になるのですよ。
要するに日本人的には、幼女の裸とロリっ娘との結婚が、色恋を表す模範例なんですよ。
さすが、世界に輝くHENTAI民族。
救いようもなくロリペドです。
そしてこんなHENTAI帝国JAPANにふさわしい話を、もうひとつ『大和物語』から紹介しておきましょう。
百三十四段
先帝の御時に、ある御曹司に、きたなげなき童ありけり。帝御覧じて、みそかに召してけり。これを人にも知らせたまはで、時々召しけり。さて、のたまはせける。
あかでのみ経ればなるべしあはぬ夜もあふ夜も人をあはれとぞ思ふ
とのたまわせけるを、童の心地にも、かぎりなくあはれにおぼえければ、しのびあへで友達に、「さなむのたまひし」と語りければ、主なる御息所聞きて、追ひいでたまひけるものか、いみじう。
<訳>
先帝の時代に、ある局に、ちょっときれいな女の子がいた。帝が御覧になって、こっそりとお召しになった。このことを人にも知らせず、時々召し上がっていた。そして、仰せになった。
たまにしか抱けぬお前のロリボディ抱き足りなくて毎晩悶える
こう仰せになったところ、子供心にも、この上ないほどうれしくなって、黙っておくことができず友達に「こんなふうに言ってくれた」と語ってしまい、主人に当たる御息所が聞いて、追い出しなさったのであるが、酷い話だ。
ちなみにこの「先帝」は、その治世が理想的時代であるとして「延喜の治」と讃えられた醍醐天皇のことだと解されています。
そして、「童」とは少女の場合は12、3歳頃に行う裳着の前の子を指し、通常10歳前後を指すそうですから、我が国の理想的帝王はそっち方面を美味しくいける方だったということになりますね。
ついでにこの場合、「童」は、小間使いの子供を意味しているはずなので……、これは……、ロリっ娘メイド?
こんなのに萌え狂っておられるとは、HENTAI国民を統べる皇帝にふさわしい、実に雅でやんごとなき御姿でございます。
参考資料
『新編 日本古典文学全集12 竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語』片桐洋一/福井貞助/高橋正治/清水好子訳注 小学館
『スーパー・ニッポニカ Professional』小学館
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