撃て、カニ光線!! 目覚めよ、世知辛い夜のサンタクロースの使徒達よ。
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日出ずる国の住人たる我々としましても、是非とも、祝わねばならぬ日でございます。
というわけで昨日は、今日また昇る日を祈り、我らが太陽の帝国の前途に幸あることを願って、皆様、ケーキなど食されたのではないでしょうか。
ところで、日輪再生の日には、赤くておヒゲのお爺さんがよい子にプレゼントを持ってきてくるとかいう、ナイスな設定が、いつの時代からか追加されているわけですが、素敵設定に乗ってお祈りしてみるだけならタダ&自由ですから、皆さんも「何でも言いなりになるハダカの美人のおねーさんが欲しい」(横島忠夫くん時給255円『GS美神極楽大作戦!!』)とかお祈りしてみたら良いのではないでしょうか。ちょっとくらいは心が豊かになりますよ、一瞬。
個人的には、何でも言いなりになるハダカのおねーさんよりも、嫌がりながら最終的には何でも言いなりになってほんのり喜びを感じてくれるメイド服の美人のおねーさんとか、そんなのが良いかなあ……、あれ、なんか空しい……。
まあ、それはさておき、昨今は色々と世知辛い時代でございますから、世相にふさわしく、
そっちのおヒゲの赤いお爺さん以外の、一般大衆に豊かなプレゼントを配ろうと闘い続けたもう一人の赤くておヒゲのお爺さんについて、特集するのも良いのではないかと思います。
そのナイスお爺さんの名前はカール。
というわけで今回は、おひげの立派な赤いカールお爺さん。
名字をマルクスという人物について扱いたいと思います。
とはいえ、あまりにメジャーなこの人物、あまりに時代の流行となり過ぎて、時代の過ぎた今となっては、口にするだけで、四十年は歳が老けて見えそうな、ちょっとアレげなキャラクターなわけですが、『蟹工船』が流行とかいう都市伝説が流布する今日この頃ですし、まあまあ、我慢してお付き合いいただきたい。
で、まずはこの人物の伝記的情報ですが、このブログ的には、メイドさんに手を出したことだけ語っておけば十分。
あとは然るべき書籍の情報だけ提供して、済ませてしまおうかと思います。
で、この人物の伝記的情報ならば、
おおつやすたか『まるくすタン ~学園の階級闘争~』サンデー社
出版社商品紹介ページ
http://www.a-kiba.com/kikan/index.html
アマゾン商品ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/4882030446
でも読むのがよろしいかと思います。
各話解説と称して、現代人でも苦痛を感じなくて済む程度の程良い分量に伝記的情報がコラムにまとめられており、とってもとっても良い感じ。
思想家・革命家とかいう化け物どもを萌えキャラに擬人化した本編にハァハァしながら、ついでに蟹工船時代のサンタさんの伝記についてもお勉強できる優れものです。
あ、サンタさん以外にも、レーニンだとか毛沢東だとかも扱ってるのですよ。
というわけで、個人的にはいぢめられるとろつきータンハァハァ、お仕置きしてぇ。
いや、むしろとろつきータンになって、攻め一辺倒のれーにんタンに、お仕置きされてぇ……。
とまあ、こんな風に、好きなしそーかの大先生に感情移入して楽しむがよろしい。
別に私はおっさんのトロツキーに興味はないですが。
で、伝記とかハァハァとかメイドさんはここまでにして、サンタさんの思想ですが、
その辺については、
やる夫さんといっしょに学ぶのがよろしいかと思います。
やるおが『資本論』を読み始めたようです【⊂⊃。Д。)⊃カジ速≡≡≡⊂つ゚Д゚)つFull Auto】
http://www.kajisoku.org/archives-0/eid1907.html
やるおが『資本論』を読み始めたようです【やる夫ブログ】
http://yaruomatome.blog10.fc2.com/blog-entry-252.html
どちらも内容は同じ。
貴方の嫁の長門といっしょに、レッツ・スタディ・資本論。
さて、ここまでくれば、貴方もついに、マルクスマスター。まあ、こんなにお手軽にやっただけだと、Lv2くらいでしょうか。
とはいえ、現代人がマルクスマスターとしてのレベル上げし過ぎるのも、古めかしくてカビ臭くてアレですし、差し当たってこんなもんで良いんじゃないかと。
ところで、マルクスサンタさん(以下マルタさん)の生涯やら思想を学んだだけでは、この世知辛い世の中を生きていくのに何の役にも立ちません。
ぶっちゃけ、あの人、長々紙幅を費やして、労働者搾取され過ぎって言ってるだけらしいですし。
いや、たったそれだけのことを、何となくそう思うって状態から、カッチリした形へと論じ上げて見せたことは偉いっちゃ偉いんでしょうが。
ですが、マルタさんが偉いのは良いとして、その偉さは、別に現代人に直接役に立ってはくれないのです。
というわけで、マルタさんに勇気を貰い、立ち上がったところで、それがキチンと文明化されていなければ、野蛮人としてお国と世間の失笑を買い、猿に木の上から柿をぶつけられたカニのごとく、潰されてしまうのがオチでございます。
仮に潰されずに済んだとしても、昭和のアレげな学生さんのように、恥ずかしい人生の黒歴史を残すのみ。
やはり平成に生きる文明人としましては、マルタさんに魂を鼓舞された後は、一ひねり洗練を加えて、労働法でも学ぶのが良いのではないかと思います。
といいましても、法律なんて、まともな神経を持つ人間なら、一生関わり合いになりたくない代物なわけで、下手な本を買ったり読んだりしてしまえば、つまらなすぎて、鬱陶しすぎて、金とか時間とかドブに捨てるよりも惜しいことをした、そんなヘコんだ気分になるのは必定ではないかと。
ところが、今、ここに颯爽と救世主が。
それが、この本、森戸英幸『プレップ労働法』弘文堂(現在第二版)。
出版社商品紹介ページ
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/31310.html
Amazon商品ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/4335313101
こんなブログを読んでいる荒んだおっきいお友達にも読みやすいよう、工夫された良い本です。
その工夫の一端を示せばこんな感じ。
会社のある営業部門を分割してそれが別会社に吸収された場合、労働者はいったいどうなるのって問題があるのですが、
それについてこの『プレップ労働法』は、具体例を設定して解説します。
曰く、
たとえば、アサヒカク出版が不採算部門である月刊誌「メイド喫茶で学ぶ労働法」の編集部門を分割し、コーフン堂出版が(何を血迷ったか)それを吸収することになったとする。(82頁)
これはそれ系出版社(メイド喫茶を云々するヲタ系というわけではなく法律系)の名門「有斐閣」と「弘文堂」を「アサヒカク」「コーフン堂」とパロディしたもので、しかもメイドにコーフンを繋げているわけです。メイドって興奮しますよね。しかも「何を血迷ったか」&「コーフン堂」という表現を介して、実は真面目なシリーズであるプレップシリーズの一冊としてこんな本を投入する弘文堂に、何を血迷ったかと自分ツッコミを入れる意図もあるはず。
ネタにネタを重ねた巧みな語り口で、メードとか萌え~とか言ってヲタをコケにするだけで、自分が面白いとか錯覚している凡俗どもとは、一線、否、二線、三線を画する、巧みなネタ師と言えましょう。
メードとか言わずにメイドって言ってるナイスガイですし。
しかも、それでいて、キチンと押さえるべき内容を押さえた中身をしていますから。これは、なかなか、オススメですよ。
あ、ここで労働者が、どうなるか興味ある人は、自分で読んで下さいね。
あと、法律上の育児サポート制度について、その背後で押さえつけられた声なき声にまで耳を傾け、「しかし他方で、現実の職場には、このしわ寄せをもろに受けて過重労働になっている「子なし」労働者がいるのかもしれない」(239頁)と、広く目配りしてみせるバランス感覚溢れる姿勢なんかは、こんなブログを見に来ている、性夜を共にする相手もない寂しい子なしの(←いたらゴメンね)ひねくれお兄さん方(お兄さんが大半じゃないかと思うんですよ)にも、受け入れやすいんじゃないでしょうかね。
というわけで、みんなで読もう、『プレップ労働法』。
そしたらみんな、カニ光線マスター。
カニ光線とは、悪い(ホントに悪いのかどうかは知りませんがとりあえず)資本家とか使用者をやっつけるための光線だ。たぶん。
次々飛来の柿を避けつつ、カニ光線をぶっ放せ。
あ、資本家とか使用者とか、木に登って上から目線で柿を投げつけてる勝ち組の方も、投げちゃ行けない柿を投げてしまい、犯罪者だとボコられて、見せしめ的に吊されたりするのを回避するのに、役に立つんじゃないかと思いますから、決して、読んで損は無いと思いますよ。
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リンクを変更(2010年12月8日)