2009年 10月 25日
今昔オナホ物語 ~お手製自慰用具いまむかし(男の子用)~
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オナニーホール、略してオナホール、もっと略してオナホとは、男性が自慰行為時に、女性器へ挿入する快感を疑似体験あるいは再現するため、それどころか女性器を上回る快感を手に入れるため使用する、穴状の器具のこと。解説するまでもない、読んで字のごとくのアイテムです。
商品としては、様々なものが開発されていますが、中でも高性能で上品スタイリッシュな「TENGA」なんかはとっても有名。
しかし、性具に手を出すというのは手間とか羞恥心とか、入手後の隠ぺい工作の問題とかがあって、なかなかにハードルの高いことではあります。そんなハードルを越えられない人間は、いったいどうすれば良いのでしょう?
右手だけを恋人に、握力と指紋の摩擦が与えてくれる感触だけで満足するほかないのでしょうか?
そんなことはありません。
なんと、現在、お手製オナホ製造技術も高度な発展を見せており、切れ目を入れたコンニャクとか、片栗粉Xとか、カップラーメンとか、入手と処分隠蔽の容易な道具でできる生活の知恵的な優れた自慰技術が様々知られているのです。何と言うか、実にすばらしい創造力の無駄遣いですよね。右手が恋人などという言い回しもありますが、猿ならぬ人類の知的創造力は自身が手のひらの上で踊る孫悟空のままであり続けることなど許さないということなのです。
なお、身近な道具をオナホにする方法としては、掃除機なんかもありまして、
『姉、ちゃんとしようよっ!』(きゃんでぃそふと)というエロゲの、
主人公空也が、掃除機をオナホに使って、もとい掃除機のカナちゃんとセックスして、自慰王空也の称号を得るというイベントは、なかなか印象深いものがありました。
ところが、この掃除機オナニーというものは、活用の場はフィクションの世界にはとどまらず、時々リアル世界の各国でニュースになるくらいの結構メジャーなオナニー方法だったりします。
ところで、こんな感じに現代人は創造力の限りを尽くして、オナニー生活の知恵を積み上げているのですが、昔の人はどうだったのでしょうか?
というわけで、今日は昔の人のオナニー生活の知恵、昔のお手製オナホの話をしましょう。
素材は『今昔物語集』(引用文は『新編 日本古典文学全集』小学館を一部漢字変更)なので、レッツ開幕、今昔オナホ物語。
まずは二十六巻から。
今昔、京ヨリ東ノ方ニ下ル者有ケリ。何レノ国郡トハ知デ、一ノ郷ヲ通ケル程ニ、俄ニ婬欲盛ニ発テ、女ノ事ノ物ニ狂ガ如ニ思ケレバ、心ヲ難静メクテ思ヒ繚ケル程ニ、大路辺ニ有ケル垣ノ内ニ、青菜ト云物、糸高ク盛ニ生滋タリ。十月許ノ事ナレバ、蕪ノ根大キニシテ有ケリ。此ノ男忽ニ馬ヨリ下テ、其ノ垣内ニ入テ、蕪ノ根ノ大ナルヲ一ツ引テ取テ其ヲ彫テ、其ノ穴ヲ娶テ、婬ヲ成シテケリ。然テ即チ垣ノ内ニ投入テ過ニケリ。
<訳>
今は昔、京都から東国の方に下る者がいた。どの国のどの郡かは知らないが、ある里を通った時に、突然性欲が激しく起こって、気が狂ったかのように女のことが考えに浮かぶようになったが、気持ちを静め難く持て余している内に、道のそばの垣根の中に、青菜というものが、とても高く生い茂っていた。十月ごろということで、カブの根が大きくなっていた。この男、急いで馬から降りて、その垣の中に入って、カブの根の大きいのをひとつ抜き取ってそれに穴を彫り、その穴とセックスして、射精した。そして、あとは垣の中に投げ入れて去って行った。(3冊目 460頁)
というわけで、カブを刳り抜くという性欲への応急処置法を披露してくれました。
刳り抜くほどしっかりした実のある野菜や根菜ならなんでもオナホにしていたのかもしれませんね。
次いで、二十九巻から。
今昔、若キ僧ノ有ケルガ、止事為キ僧ノ許ニ宮仕シケル有ケリ。妻子ナド具シタル僧也ケリ。
其レガ主ノ共ニ三井寺ニ行タリケルニ、夏比昼間ニ眠タカリケレバ、広キ房ニテ有ケレバ、人離タル所ニ寄テ、長押ヲ枕ニシテ寝ニケリ。吉ク寝入ニケルニ、驚カス人モ無カリケレバ、久ク寝タリケル夢ニ、美キ女ノ若キガ傍ニ来タルト臥シテ、吉々婚テ【婬】ヲ行ジツ、ト見テ、急ト驚キ覚タルニ、傍ヲ見レバ、五尺許ノ蛇有リ。愕テカサト起テ見レバ、蛇死ニテ口ヲ開テ有リ。奇異ク恐シクテ、我ガ前ヲ見レバ、【婬】ヲ行ジテ湿タリ。「然ハ我レハ寝タリツルニ美キ女ト婚ト見ツルハ、此ノ蛇ト婚ケルカ」ト思フニ、物モ不思エズ恐シクテ、蛇ノ開タル口ヲ見レバ、【婬】口ニ有テ吐出シタリ。
……其ヲ去テ、隠ニテ【マラ】を吉々洗テ、「此ノ事人ニヤ語ラマシ」ト思ケレドモ、「由無キ事人ニ語テ聞エナバ、『蛇嫁タリケル僧也』トモゾ被云ル」ト思ケレバ不語ザリケルニ、尚此ノ事ノ奇異ク思エケレバ、遂ニ吉ク親カリケル僧ニ語ケレバ、聞ク僧モ極ジク恐ケリ。(4冊目 414、415頁)
【婬】は壬が缶
【マラ】は門構えの中に牛で漢字一文字
<訳>
今は昔、若い僧で、高貴な僧のところにお仕えしている者がいた。妻子なども持っている僧であった。
この者が主人の供をして三井寺に行った時のこと、夏のころということで昼間に眠くなったのだが、広い部屋だったので、人気のない方に寄って、柱の間の横材を枕にして寝ることにした。良く寝入ったところ、驚かす人もなかったので、長らく寝ている間の夢に、美しい女の若いのが傍にきて添い寝して、思う存分セックスして射精した、というところで、驚き慌てて眼を覚ましたところ、傍らを見ると1.5メートル程の蛇がいた。驚いてガバっと起き上がって見ると、蛇は口を開けて死んでいた。気持ち悪く恐ろしくて、自分の前を見ると、射精して濡れていた。「なるほど俺は寝てる間に美しい女とセックスしたと思ったが、この蛇とセックスしていたのか」と思い至り、何とも言えない恐ろしい気分がしたが、蛇のあいた口を見ると、精液を口から吐き出していた。
……そこから出て、人目につかない場所で、チンコをよく洗って、「この事を誰かに語ろうか」と思ったが、「つまらないことを人に語ったら、『蛇とセックスした坊主だ』などと言われかねない」と考えて黙っていたのだが、それでもなんとも気味の悪いことなので、遂に親しくしている僧に語ったところ、聞いた僧も非常に恐ろしく感じた。
蛇はエロい生き物であるという当時の通念にかなう出来事を伝える話らしいのですが、
今の人間にはこの話は、エロ坊主が蛇を殺してオナホに使って、奇異の目で見られるのを怖れつつも武勇伝気分になって、人にしゃべってしまった話としか思えません。
当時は畜生が人間の精液で死ぬと言い伝えられていたらしく、『今昔物語集』は、言い伝えは本当だったんだとかこの後で書いてますが、言い伝えを共有していない今の人間の目には、順序を逆にして、殺した蛇に射精したと見る方が自然に思えます。
というわけでこれも一種のオナホエピソード?
まあとにかく、昔の人もいろんな素材を使って道具を探求し、オナニー生活の知恵を積み上げていたようです。
<参考資料>
『新編 日本古典文学全集』小学館
『姉、ちゃんとしようよっ!』きゃんでぃそふと
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引きこもりニート列伝その19 タレス・ディオゲネス・ヘラクレイトス
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet19.html
西欧中世における恋愛、性の諸相
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2005/051209.html
日本民衆文化史
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2002/021206.html
おまけリンク
世界各地の自慰王たち
スロバキア
掃除機にペニスを吸わせながら運転していた男、事故を起こす 救出者驚愕【痛いニュース(ノ∀`)】
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/791817.html
アメリカ
これがアメリカのクオリティイイイイイイ!掃除機オナニーの男、逮捕される【アルファルファモザイク】
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51379084.html
商品としては、様々なものが開発されていますが、中でも高性能で上品スタイリッシュな「TENGA」なんかはとっても有名。
しかし、性具に手を出すというのは手間とか羞恥心とか、入手後の隠ぺい工作の問題とかがあって、なかなかにハードルの高いことではあります。そんなハードルを越えられない人間は、いったいどうすれば良いのでしょう?
右手だけを恋人に、握力と指紋の摩擦が与えてくれる感触だけで満足するほかないのでしょうか?
そんなことはありません。
なんと、現在、お手製オナホ製造技術も高度な発展を見せており、切れ目を入れたコンニャクとか、片栗粉Xとか、カップラーメンとか、入手と処分隠蔽の容易な道具でできる生活の知恵的な優れた自慰技術が様々知られているのです。何と言うか、実にすばらしい創造力の無駄遣いですよね。右手が恋人などという言い回しもありますが、猿ならぬ人類の知的創造力は自身が手のひらの上で踊る孫悟空のままであり続けることなど許さないということなのです。
なお、身近な道具をオナホにする方法としては、掃除機なんかもありまして、
『姉、ちゃんとしようよっ!』(きゃんでぃそふと)というエロゲの、
主人公空也が、掃除機をオナホに使って、もとい掃除機のカナちゃんとセックスして、自慰王空也の称号を得るというイベントは、なかなか印象深いものがありました。
ところが、この掃除機オナニーというものは、活用の場はフィクションの世界にはとどまらず、時々リアル世界の各国でニュースになるくらいの結構メジャーなオナニー方法だったりします。
ところで、こんな感じに現代人は創造力の限りを尽くして、オナニー生活の知恵を積み上げているのですが、昔の人はどうだったのでしょうか?
というわけで、今日は昔の人のオナニー生活の知恵、昔のお手製オナホの話をしましょう。
素材は『今昔物語集』(引用文は『新編 日本古典文学全集』小学館を一部漢字変更)なので、レッツ開幕、今昔オナホ物語。
まずは二十六巻から。
今昔、京ヨリ東ノ方ニ下ル者有ケリ。何レノ国郡トハ知デ、一ノ郷ヲ通ケル程ニ、俄ニ婬欲盛ニ発テ、女ノ事ノ物ニ狂ガ如ニ思ケレバ、心ヲ難静メクテ思ヒ繚ケル程ニ、大路辺ニ有ケル垣ノ内ニ、青菜ト云物、糸高ク盛ニ生滋タリ。十月許ノ事ナレバ、蕪ノ根大キニシテ有ケリ。此ノ男忽ニ馬ヨリ下テ、其ノ垣内ニ入テ、蕪ノ根ノ大ナルヲ一ツ引テ取テ其ヲ彫テ、其ノ穴ヲ娶テ、婬ヲ成シテケリ。然テ即チ垣ノ内ニ投入テ過ニケリ。
<訳>
今は昔、京都から東国の方に下る者がいた。どの国のどの郡かは知らないが、ある里を通った時に、突然性欲が激しく起こって、気が狂ったかのように女のことが考えに浮かぶようになったが、気持ちを静め難く持て余している内に、道のそばの垣根の中に、青菜というものが、とても高く生い茂っていた。十月ごろということで、カブの根が大きくなっていた。この男、急いで馬から降りて、その垣の中に入って、カブの根の大きいのをひとつ抜き取ってそれに穴を彫り、その穴とセックスして、射精した。そして、あとは垣の中に投げ入れて去って行った。(3冊目 460頁)
というわけで、カブを刳り抜くという性欲への応急処置法を披露してくれました。
刳り抜くほどしっかりした実のある野菜や根菜ならなんでもオナホにしていたのかもしれませんね。
次いで、二十九巻から。
今昔、若キ僧ノ有ケルガ、止事為キ僧ノ許ニ宮仕シケル有ケリ。妻子ナド具シタル僧也ケリ。
其レガ主ノ共ニ三井寺ニ行タリケルニ、夏比昼間ニ眠タカリケレバ、広キ房ニテ有ケレバ、人離タル所ニ寄テ、長押ヲ枕ニシテ寝ニケリ。吉ク寝入ニケルニ、驚カス人モ無カリケレバ、久ク寝タリケル夢ニ、美キ女ノ若キガ傍ニ来タルト臥シテ、吉々婚テ【婬】ヲ行ジツ、ト見テ、急ト驚キ覚タルニ、傍ヲ見レバ、五尺許ノ蛇有リ。愕テカサト起テ見レバ、蛇死ニテ口ヲ開テ有リ。奇異ク恐シクテ、我ガ前ヲ見レバ、【婬】ヲ行ジテ湿タリ。「然ハ我レハ寝タリツルニ美キ女ト婚ト見ツルハ、此ノ蛇ト婚ケルカ」ト思フニ、物モ不思エズ恐シクテ、蛇ノ開タル口ヲ見レバ、【婬】口ニ有テ吐出シタリ。
……其ヲ去テ、隠ニテ【マラ】を吉々洗テ、「此ノ事人ニヤ語ラマシ」ト思ケレドモ、「由無キ事人ニ語テ聞エナバ、『蛇嫁タリケル僧也』トモゾ被云ル」ト思ケレバ不語ザリケルニ、尚此ノ事ノ奇異ク思エケレバ、遂ニ吉ク親カリケル僧ニ語ケレバ、聞ク僧モ極ジク恐ケリ。(4冊目 414、415頁)
【婬】は壬が缶
【マラ】は門構えの中に牛で漢字一文字
<訳>
今は昔、若い僧で、高貴な僧のところにお仕えしている者がいた。妻子なども持っている僧であった。
この者が主人の供をして三井寺に行った時のこと、夏のころということで昼間に眠くなったのだが、広い部屋だったので、人気のない方に寄って、柱の間の横材を枕にして寝ることにした。良く寝入ったところ、驚かす人もなかったので、長らく寝ている間の夢に、美しい女の若いのが傍にきて添い寝して、思う存分セックスして射精した、というところで、驚き慌てて眼を覚ましたところ、傍らを見ると1.5メートル程の蛇がいた。驚いてガバっと起き上がって見ると、蛇は口を開けて死んでいた。気持ち悪く恐ろしくて、自分の前を見ると、射精して濡れていた。「なるほど俺は寝てる間に美しい女とセックスしたと思ったが、この蛇とセックスしていたのか」と思い至り、何とも言えない恐ろしい気分がしたが、蛇のあいた口を見ると、精液を口から吐き出していた。
……そこから出て、人目につかない場所で、チンコをよく洗って、「この事を誰かに語ろうか」と思ったが、「つまらないことを人に語ったら、『蛇とセックスした坊主だ』などと言われかねない」と考えて黙っていたのだが、それでもなんとも気味の悪いことなので、遂に親しくしている僧に語ったところ、聞いた僧も非常に恐ろしく感じた。
蛇はエロい生き物であるという当時の通念にかなう出来事を伝える話らしいのですが、
今の人間にはこの話は、エロ坊主が蛇を殺してオナホに使って、奇異の目で見られるのを怖れつつも武勇伝気分になって、人にしゃべってしまった話としか思えません。
当時は畜生が人間の精液で死ぬと言い伝えられていたらしく、『今昔物語集』は、言い伝えは本当だったんだとかこの後で書いてますが、言い伝えを共有していない今の人間の目には、順序を逆にして、殺した蛇に射精したと見る方が自然に思えます。
というわけでこれも一種のオナホエピソード?
まあとにかく、昔の人もいろんな素材を使って道具を探求し、オナニー生活の知恵を積み上げていたようです。
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世界各地の自慰王たち
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掃除機にペニスを吸わせながら運転していた男、事故を起こす 救出者驚愕【痛いニュース(ノ∀`)】
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/791817.html
アメリカ
これがアメリカのクオリティイイイイイイ!掃除機オナニーの男、逮捕される【アルファルファモザイク】
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51379084.html
by trushbasket
| 2009-10-25 17:05
| My(山田昌弘)