2009年 11月 08日
ミルクを飲ませて(性的な意味で)立派な武士を育成するでござるの巻
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『真剣で私に恋しなさい!』(みなとそふと)というエロゲがあります。「まじでわたしにこいしなさい」と読み、略称は「まじこい」。ジャンル名を「武士娘恋愛ADV」と称し、「ヒロイン全員武士娘」とかいうなんだか良く分からないセールスポイントを掲げる「ドタバタの現代学園コメディ」エロゲなんですが、戦闘能力が超高いヒロインをずらり並べることで、色々バトルシーンを交えて盛り上がることができ、エロくて甘いだけでは退屈してしまうユーザーにも楽しめる仕様となった、良作エロゲです。しかも武士娘なんていう微妙に軽げなキャッチフレーズからもうかがえるように、基本的な乗りは、ライトでコミカル。
というわけで、気楽な感じに、笑って燃えて萌えられるので、エロゲに文学性とか人生とか重々しい何かを求めず、娯楽路線を期待する人には大変オススメです。
で、このエロゲには椎名京(しいなみやこ)というとってもとってもとっても素敵なベストヒロインがいます(人気投票とか世間的な人気の序列とかは気にしない方向で)。この京は作品全体のクライマックスとなる最終決戦で、敵の女の子(ビームサーベルらしき剣を振り回す強力な護衛用ロボを破壊できるくらい強い)と戦いながら自らの力の優位と勝利を確信して言いました。
なんでも、彼女がその決戦前日に語ったところによれば、
そして決戦に向かう途上、雑魚敵たちと対峙した際にも、
と言い放っていました。
というわけで、ミルク(精液)を飲んで強くなる、新時代の戦闘力強化法を高らか誇らかに誇示しておられます。
ところが、この一見頭のフットーしてそうな、ミルクドーピングによるパワーアップ術ですが、実は人類社会の伝統的な発想に乗っかってるものだったりするのです。
というわけで、今回は、ミルク(性的な意味で)を飲ませて立派な武士を育成した歴史的実例について見ていくって、ミルクドーピングを歴史的に検証するでござる(←武士風)。
そんな素敵な実例を示してくれるのは、日本では、土佐とか薩摩といった、江戸から明治時代にかけて尚武の気風で史上に輝かしい実績を残した西南の藩。
なんでも薩摩藩では、各地域で成年前の少年達が自発的に自律的な小集団を形成し、その集団における団結・教育が立派な武士の育成のために大きな役割を果たしていました。そしてこの集団の団結を高めたのが同性愛の風潮。少年達は仲間内の美少年を選んで稚児様と崇め奉りせっせとお世話して団結を固めていたのです。ちなみに男色関係は少年の家族公認のもとで公然と行われていたものだそうです。明治に記された『薩摩見聞記』という書は、このような男色の風潮によって士風が維持されたようだとして、男色の風潮に武士育成に貢献したとの評価を下しています。
さらに土佐でも、男色の風潮が強く、少年を父母がしかるべき年長の成年に託する風習なんかがあり、もし男色を忌避する少年がいれば皆で襲撃してレイプして、それを父母が隣室で聞いても、父母は少年を性的に蹂躙されるに任せて、手出し口出ししなかったのだそうです。
とはいえこれでは、ミルクドーピングの先例とするに足りないという方もおられるでしょう。士風の維持程度には役立ったかも知れないが、別に強くなってなどいないと。
しかし、その点については外国のもっともっと凄い事例を見て頂きたい。
ここで見るのは古代ギリシア。そこには市民たるもの自分たちの住む都市のため戦士として戦列に楯を並べねばならぬとの気風がみなぎっておりました。それはあたかも我が国で藩のために戦うことを誓った武士のごとくとでも言えましょうか。で、その武士的な戦士文化の国ギリシアでは、大思想家プラトンの著書『饗宴』等を見ると分かるのですが、日本の武士達が男色に励んだのにも負けないくらいたいへん男色が盛んでした。その男色大好きギリシア人が先述の土佐の連中と同じように、男色関係を結ぶことで年長者が年少者を立派な人間に育ててやることが出来るとかやっていたことも知られています。そして、そんな風潮の最先端では、掘る者と掘られる者だけで結成された男色部隊を創ってお互い良いとこ見せようと頑張れば最強の軍隊が誕生するとか、訳の分からないことを考えるヤツまで登場。それどころかテーベという有力都市で、実際にやってみるアホがいました。その上、その男色部隊、人呼んで「神聖部隊」は常勝不敗、無敵の戦闘能力を発揮して、テーベが覇権国家にのし上がるのに大いに貢献してくれやがったのですよ。ミルクドーピング部隊大暴れ。
ちなみに、民俗学的研究によると、ニューギニアの方には、精液は重要な男性の活力源で、精液の充満を経験していない未熟な少年は真の男イコール一人前の戦士になるために、アナルセックスなりフェラチオなりで精液を注入されてステップアップするという発想と風習があるのだそうです。ミルクを注いで強くなるという発想は割と人間の原始的根元的部分から湧き出るもののようですね。
日本の武士の男色の根底にもこの民俗的風習に似た発想があったのではないかと推測する余地もないではないですし、日本が長き太平の世に入らなければ、うち続く戦乱の中でギリシア人の如く、男色部隊超最強とか言い出す武士が生まれ出た可能性だってありそうですね。
さて、ここでギリシア男色部隊に話を戻して少し深く考えてみたいのですが、惚れた相手に良いとこ見せようとして強くなるって言いますが、前近代の軍隊では女がゾロゾロ軍隊にくっついて回っていて、少なからぬ兵士が妻とか恋人とかに戦いぶりを見てもらっているのが通例なんですよ。しかも自分たちが負けてしまえば、自軍の女達の運命も怪しくなってきますから、兵士達が頑張らないはずがない。ということで、別におホモだち同士がお互い良いとこ見せようと張り切ったところで、それだけで非男色部隊より強くなるはずないんですよね。
そういうわけで、男色部隊が強くなる鍵はどこか別の所にあると見た。で、男色部隊と、非男色部隊の違いとは何かを考えるに、それは、犯される立場の者が部隊内にいて戦闘に参加しているか否かという一点ということになります。
つまり、男色部隊は犯される者が部隊内にいることで、通常の部隊を上回る戦闘能力を身につけている、そう考えざるを得ないのです。そう、ミルクドーピングされた戦士が部隊内にいるおかげで、男色部隊は強かったんだよ!!!!
というわけで、ミルクドーピングは歴史的に見てアリ。
武士はミルク(精液)を注がれて強くなるのです。
参考資料
氏家幹人著『武士道とエロス』講談社現代新書
プラトン著『饗宴』久保勉訳 岩波文庫
『プルターク英雄伝(四)』河野與一訳 岩波文庫
『真剣で私に恋しなさい!』みなとそふと
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http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet08.html
エパメイノンダス
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1999/990611.html
リンク
みなとそふと
http://www.minatosoft.com/
11月15日 冒頭部の引用追加(「「今日の」~「だし」」)
リンクを変更(2010年12月8日)
というわけで、気楽な感じに、笑って燃えて萌えられるので、エロゲに文学性とか人生とか重々しい何かを求めず、娯楽路線を期待する人には大変オススメです。
で、このエロゲには椎名京(しいなみやこ)というとってもとってもとっても素敵なベストヒロインがいます(人気投票とか世間的な人気の序列とかは気にしない方向で)。この京は作品全体のクライマックスとなる最終決戦で、敵の女の子(ビームサーベルらしき剣を振り回す強力な護衛用ロボを破壊できるくらい強い)と戦いながら自らの力の優位と勝利を確信して言いました。
「……そこで差がついた!!」
「ミルクを補給して強化されている私の方が!」
「強い!!!」
(【引用者注】ミルクとは精液の美称)
なんでも、彼女がその決戦前日に語ったところによれば、
「なんだか…怪我がなおって、力が湧いてくる」
「私の細胞が……進化していくッ!」
「ふふ…大和の精液飲んでるから、明日の私は強い」
(【引用者注】大和とは主人公の名前)
そして決戦に向かう途上、雑魚敵たちと対峙した際にも、
「今日の私は強いよ? ミルクでドーピング中だし」
と言い放っていました。
というわけで、ミルク(精液)を飲んで強くなる、新時代の戦闘力強化法を高らか誇らかに誇示しておられます。
ところが、この一見頭のフットーしてそうな、ミルクドーピングによるパワーアップ術ですが、実は人類社会の伝統的な発想に乗っかってるものだったりするのです。
というわけで、今回は、ミルク(性的な意味で)を飲ませて立派な武士を育成した歴史的実例について見ていくって、ミルクドーピングを歴史的に検証するでござる(←武士風)。
そんな素敵な実例を示してくれるのは、日本では、土佐とか薩摩といった、江戸から明治時代にかけて尚武の気風で史上に輝かしい実績を残した西南の藩。
なんでも薩摩藩では、各地域で成年前の少年達が自発的に自律的な小集団を形成し、その集団における団結・教育が立派な武士の育成のために大きな役割を果たしていました。そしてこの集団の団結を高めたのが同性愛の風潮。少年達は仲間内の美少年を選んで稚児様と崇め奉りせっせとお世話して団結を固めていたのです。ちなみに男色関係は少年の家族公認のもとで公然と行われていたものだそうです。明治に記された『薩摩見聞記』という書は、このような男色の風潮によって士風が維持されたようだとして、男色の風潮に武士育成に貢献したとの評価を下しています。
さらに土佐でも、男色の風潮が強く、少年を父母がしかるべき年長の成年に託する風習なんかがあり、もし男色を忌避する少年がいれば皆で襲撃してレイプして、それを父母が隣室で聞いても、父母は少年を性的に蹂躙されるに任せて、手出し口出ししなかったのだそうです。
とはいえこれでは、ミルクドーピングの先例とするに足りないという方もおられるでしょう。士風の維持程度には役立ったかも知れないが、別に強くなってなどいないと。
しかし、その点については外国のもっともっと凄い事例を見て頂きたい。
ここで見るのは古代ギリシア。そこには市民たるもの自分たちの住む都市のため戦士として戦列に楯を並べねばならぬとの気風がみなぎっておりました。それはあたかも我が国で藩のために戦うことを誓った武士のごとくとでも言えましょうか。で、その武士的な戦士文化の国ギリシアでは、大思想家プラトンの著書『饗宴』等を見ると分かるのですが、日本の武士達が男色に励んだのにも負けないくらいたいへん男色が盛んでした。その男色大好きギリシア人が先述の土佐の連中と同じように、男色関係を結ぶことで年長者が年少者を立派な人間に育ててやることが出来るとかやっていたことも知られています。そして、そんな風潮の最先端では、掘る者と掘られる者だけで結成された男色部隊を創ってお互い良いとこ見せようと頑張れば最強の軍隊が誕生するとか、訳の分からないことを考えるヤツまで登場。それどころかテーベという有力都市で、実際にやってみるアホがいました。その上、その男色部隊、人呼んで「神聖部隊」は常勝不敗、無敵の戦闘能力を発揮して、テーベが覇権国家にのし上がるのに大いに貢献してくれやがったのですよ。ミルクドーピング部隊大暴れ。
ちなみに、民俗学的研究によると、ニューギニアの方には、精液は重要な男性の活力源で、精液の充満を経験していない未熟な少年は真の男イコール一人前の戦士になるために、アナルセックスなりフェラチオなりで精液を注入されてステップアップするという発想と風習があるのだそうです。ミルクを注いで強くなるという発想は割と人間の原始的根元的部分から湧き出るもののようですね。
日本の武士の男色の根底にもこの民俗的風習に似た発想があったのではないかと推測する余地もないではないですし、日本が長き太平の世に入らなければ、うち続く戦乱の中でギリシア人の如く、男色部隊超最強とか言い出す武士が生まれ出た可能性だってありそうですね。
さて、ここでギリシア男色部隊に話を戻して少し深く考えてみたいのですが、惚れた相手に良いとこ見せようとして強くなるって言いますが、前近代の軍隊では女がゾロゾロ軍隊にくっついて回っていて、少なからぬ兵士が妻とか恋人とかに戦いぶりを見てもらっているのが通例なんですよ。しかも自分たちが負けてしまえば、自軍の女達の運命も怪しくなってきますから、兵士達が頑張らないはずがない。ということで、別におホモだち同士がお互い良いとこ見せようと張り切ったところで、それだけで非男色部隊より強くなるはずないんですよね。
そういうわけで、男色部隊が強くなる鍵はどこか別の所にあると見た。で、男色部隊と、非男色部隊の違いとは何かを考えるに、それは、犯される立場の者が部隊内にいて戦闘に参加しているか否かという一点ということになります。
つまり、男色部隊は犯される者が部隊内にいることで、通常の部隊を上回る戦闘能力を身につけている、そう考えざるを得ないのです。そう、ミルクドーピングされた戦士が部隊内にいるおかげで、男色部隊は強かったんだよ!!!!
というわけで、ミルクドーピングは歴史的に見てアリ。
武士はミルク(精液)を注がれて強くなるのです。
参考資料
氏家幹人著『武士道とエロス』講談社現代新書
プラトン著『饗宴』久保勉訳 岩波文庫
『プルターク英雄伝(四)』河野與一訳 岩波文庫
『真剣で私に恋しなさい!』みなとそふと
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http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet08.html
エパメイノンダス
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1999/990611.html
リンク
みなとそふと
http://www.minatosoft.com/
11月15日 冒頭部の引用追加(「「今日の」~「だし」」)
リンクを変更(2010年12月8日)
by trushbasket
| 2009-11-08 21:09
| My(山田昌弘)








