旧説 大人の浦島太郎物語 ~浦島太郎は亀とセックスしていた!!~ from『日本書紀』
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ちなみにこの浦島子は、『丹後国風土記』の一つの歌の記載を参考に、一般に、ウラシマノコと読まれているらしいのですが、同書の他の歌や他の諸史料では「ウラ」から切り離した形で「シマコ」と書かれていることが多いらしく、ウラノシマコと読む方が良いようです。
我々のよく知る助けた亀に連れられた「浦島」さんは、実は「浦」さんあるいは「島子」さんのほうが適切だったんですね。だから子に替えて太郎を使い、浦島太郎とするならば、本来的には、これも「浦島さん」「太郎さん」ではなく、「浦さん」「島太郎」さんと認識すべきという話。
ということで私もずっと「浦島」さんだと思っていたので、彼の真の姿には正直驚いたのですが、この島子さんあるいは島太郎さん、名前以外にも知られざる真の姿を持っていたりします。
我々は、島子さんの物語を、島子さんが子供にいじめられている亀を助け、そして、助けた亀に連れられて、乙姫様なる美女に引き合わされたと認識しています。
ところが、『日本書紀』雄略二十二年の条を見てみましょう。(訓下し文引用は『新編 日本古典文学全集』小学館から)
秋七月に、丹波国余社郡管川の人水江浦島子、舟に乗りて釣し、遂に大亀を獲たり。便に女に化為る。是に浦島子、感でて婦にし、相逐いて海に入り、蓬萊山に到り、仙衆に覩る。
<訳>
秋七月に、丹波国余社郡管川の人、水江の浦の島子は、舟に乗って釣りをしたところ、そのうちに大亀を手に入れた。すると女になった。ここで浦の島子は、興奮してモノにしてしまったが、さらに亀の後を追って海に入り、蓬萊山に到達して、仙衆を見た。
というわけで、亀とセックスして逃げゆく亀を追いかけて海に飛び込む男。
亀をいじめる子供なんか影も欠片もなく、むしろ亀を容赦なくいじめたのが浦島さんのように思われます。
きっとこんな感じ。
浦島子
「ちっ、釣れねーな」
「……亀が泳いでやがる、続きはこいつで腹ごしらえしてからにするか」(パワフル漁師アームで捕獲)
亀
「後生ですから食べないでください、これは海を行くための仮の姿、本当は……」
亀→乙姫
「このとおり」
浦島子
「!!!」
「なら、かわりに下の方で食ってやるよ」(自慢げに自分の亀をアピール)
「上で食われたくなかったら、しっかり腰振れ、オラッ」
(中略)
ドピュ!ドピュ!ドピュ!ドピュ!
乙姫
「もう……許し、アグッ」(パワフル漁師パンチで甲羅の消えた体にダメージ)
(中略)
浦島子
「ふぅっ……ちんこ洗っとくか……」
「オイっ、オナホ亀、俺の前で二度と亀に戻んじゃねーぞ、それなら食わずに飼っといてやるよ」(ちんこ洗いながら)
乙姫→亀
「……(今のうちっ!!)」(飛び込み)
浦島子
「待て、オラァ」(飛び込み)
・
・
・
蓬萊山門番
ボー……(何か亀が突進して来……)
亀→乙姫
「私です、早く、開けなさ……」
浦島子
(首根っこを掴みながら)
「あと一歩、クククッ、残念でした」
「ここがテメェの城ってわけか、しっかり歓待してもらおうか」
(以下略)
『万葉集』だと、漁に出た浦島子が海の果てで海神の娘と出会って意気投合、結婚して永遠の世界で暮らしていたが、島子は父母に挨拶したいとか言ってちょっと帰ってきて、玉手箱云々って話なんで、ひょっとするとこんなシチュエーションではないのかも知れませんが、漁の途中で女になった亀とセックスして、それを追いかけて海に入るっていう『日本書紀』の記述には、こっちのほうがしっくり来るはず。
というわけで古くて新しい、大人の浦島太郎物語、ここに爆誕。
<参考資料>
『新編 日本古典文学全集 日本書紀2』小学館
『新編 日本古典文学全集 万葉集2』小学館
『スーパー・ニッポニカ Professional』小学館
『日本史大事典』平凡社
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