2010年 09月 13日
「シンデレラ」ビフォーアフター ~結婚後本性を現したシンデレラの人格が酷い件~
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シンデレラ。
意地悪な継母とその娘である意地悪な異母姉達にいじめられていた娘が、あれやこれやして、アイテム・ガラスの靴のおかげで王子様と結ばれて幸せになるシンデレラの物語。
この娘は一般的に気立ても見ばえも良いというイメージがあると思います。
ところが、
実はシンデレラは人格的に少々アレで、気立てはともかく、中身は全然良くなかったりするという、おとぎばなしの残念な真実を今回は紹介したいと思います。
とはいえ、
シンデレラ型の、いじめられっ娘継子の大逆転ストーリーは、世界中に存在、なんと500以上が存在しているとか。
ですから、ここでシンデレラの残念さを紹介したところで、
他にもっと根拠とするに相応しいシンデレラ物語があるから、その主張は間違ってる、などとツッコミが入りかねません。
実のところそんなツッコミする余地は別に無かったりするんですが、しかし、そのことを今すぐ何も無しに納得しろと言われても、さすがに納得して頂けないでしょう。
そこで、まずは議論の基礎を固めと参りましょう。
実は、我々の認識しているシンデレラの物語は、数多あるシンデレラ物語の中で、ただ一つの物語を下敷きにしています。
我々は、シンデレラと言えばガラスの靴と認識していますが、実はこのガラスの靴、世界各地から収集された昔話の中で、たった一つの話にしか出てこなかったりするらしいのです。
すなわち「The prince's recognition of the cinder maiden by the token of a “glass” slipper is unique in Perrault.(王子様が灰かぶりの少女を形見の『ガラス』の靴で見分けるというのは、ペローに独特である。)」(『Encycloaedia Britannica』)
というわけで、我々にとってのシンデレラを語るための基礎情報としては、数多ある昔話の内で、フランスの文学者ペローの伝える昔話のみを用いれば良いということなのです。ちなみに他のシンデレラ物語では、王子様は、金の靴や銀の靴、指輪によってシンデレラを見つけ出すそうです。
で、ペローと我々のシンデレラの人格がアレで残念だというお話に戻りましょう。ペローのシンデレラすなわち「サンドリヨン」のお話は
このように始まります。
それが、この「ひとり娘」、あだ名はサンドリヨン(シンデレラ)は、あれこれあった末、「美しく装った姿のサンドリヨンは、そのまま若い王子のもとへと連れて行かれます。王子はこれまでに増して美しいと思い、それからいく日も経たぬうちに結婚しました。」(同書 222頁)と幸運を掴みます。
ところが、その先、実は存在するその先の結婚後のストーリーが問題なのです。
この「結婚しました。」の後、更に続く一文は以下の通り。
そう「宮廷の二人の大貴族と結婚させました。」
「誰もそれまでみたこともないほど高慢で思い上がった女」と「何から何までそっくりな娘」を。
つまり、
よそ様に押しつけました。おぞましい性格の恥ずべき身内を。
しかも、このよそ様は大貴族、多くの家来や召使いや領民を従えているでしょうから、それらの人々の上に、この大貴族の妻になれるような教育練磨の出来てない、人間的に終わってるクズ娘二人が君臨するわけですね。
とっても迷惑です。
そりゃあ大貴族ご本人は、王妃とのコネ作りの為に一応受け入れ、愛人でもこしらえれば良いのかも知れませんが、周りの者は……。やがて挙式を経て、サンドリヨン家のおぞましき悪魔が送り込まれた大貴族の館は……。実に悲惨です。
サンドリヨン、「優しい」「優しい」言われてますが冷静にみると、なんだか全然優しい心の持ち主ではありません。いきなり、勢力拡大に走るあたり、やり手ではありますが、人格的には酷い……。
最大限好意的に評価しても、せいぜい、普通程度に薄汚れて、普通程度に陰険な貴族様です。
そういえば、いい人ぶって、結婚して権力握ったとたん、本性を現して好き勝手し出すというのは、「まま母のほうは婚礼が終わるとたちまち悪い性質をむき出しにしました」ってのになんか似てますね。
なんだか結婚って恐ろしいですね。
参考資料
『完訳 ペロー童話集』新倉朗子訳 岩波文庫
『Encycloaedia Britannica』
『スーパー・ニッポニカ Professional』小学館
関連記事
スイーツ(笑)断罪 1330 ~リアル女はノー・センキュー 僕はフィクションに恋をする~ 徒然草の恋愛論
「妻といふものこそ、をのこの持つまじきものなれ。」by吉田兼好(引用元はリンク先参照)
三島由紀夫について少し述べる~日本近代文学の幕を下ろす男~
「…色気づくころからすつかり性慾で目をくらまされ、あとで結婚してみて、又女の意地の悪さとずるさと我儘を発見するときは、前の記憶はすつかり忘れてゐるから、それを生れてはじめての大発見のやうに錯覚するのは、むだな苦労だと思はれる。」by三島由紀夫(引用元はリンク先参照)
千年の昔に書かれたちょっとエッチなロリっ娘メイド・ノベル ~ロリは日本の宿業である~ 『落窪物語』
日本の継子いじめ物語
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
引きこもりニート列伝その9 ソクラテス・プラトン
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet09.html
ソクラテスは妻が難儀な人だったことで有名です
偉大なるダメ人間シリーズその4 ベリサリウス(当ブログ内に移転)
http://trushnote.exblog.jp/14529104/
偉大な名将ベリサリウスも妻が難儀な人でした
西欧中世における恋愛、性の諸相
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2005/051209.html
この他、結婚で恐ろしい目にあった人としては、中国・明の名将・戚継光、アメリカ大統領リンカーンなんて人もいます。
関連記事以下で触れた結婚否定論者や結婚で難儀した人については、
『ダメ人間の日本史』[リンク先Amazon](社会評論社)収録の
「吉田兼好 女など心に浮かぶ虚像で十分 ~700年前の二次元大好きキモオタのリアル女弾劾の声を聞け~」
「三島由紀夫 シスコン、マザコン、少年愛、マッチョ志向 ダメ勲章山盛りな大作家 ~右翼だけどディズニーランド好き~」
や
『ダメ人間の世界史』[リンク先Amazon](社会評論社)収録の
「ソクラテス 寝ても起きても夢を見てフワフワ過ごした71年、妻の怒りも何のその、死ぬまで貫くニート道」
「ベリサリウス 史上最も無様に妻の尻に敷かれた英雄 ~女王様の足にマゾ奴隷として口づけを~」
「戚継光 あらゆる外敵に打ち勝った勇将も、内では異常な恐妻家、妻が恐くて逆らえず仕方ないから部下に八つ当たり」
「リンカーン マナーも神も全て無視、無作法・無頓着な野人豪傑大統領」
もご参照ください。
リンクを変更(2010年12月7日)
意地悪な継母とその娘である意地悪な異母姉達にいじめられていた娘が、あれやこれやして、アイテム・ガラスの靴のおかげで王子様と結ばれて幸せになるシンデレラの物語。
この娘は一般的に気立ても見ばえも良いというイメージがあると思います。
ところが、
実はシンデレラは人格的に少々アレで、気立てはともかく、中身は全然良くなかったりするという、おとぎばなしの残念な真実を今回は紹介したいと思います。
とはいえ、
シンデレラ型の、いじめられっ娘継子の大逆転ストーリーは、世界中に存在、なんと500以上が存在しているとか。
ですから、ここでシンデレラの残念さを紹介したところで、
他にもっと根拠とするに相応しいシンデレラ物語があるから、その主張は間違ってる、などとツッコミが入りかねません。
実のところそんなツッコミする余地は別に無かったりするんですが、しかし、そのことを今すぐ何も無しに納得しろと言われても、さすがに納得して頂けないでしょう。
そこで、まずは議論の基礎を固めと参りましょう。
実は、我々の認識しているシンデレラの物語は、数多あるシンデレラ物語の中で、ただ一つの物語を下敷きにしています。
我々は、シンデレラと言えばガラスの靴と認識していますが、実はこのガラスの靴、世界各地から収集された昔話の中で、たった一つの話にしか出てこなかったりするらしいのです。
すなわち「The prince's recognition of the cinder maiden by the token of a “glass” slipper is unique in Perrault.(王子様が灰かぶりの少女を形見の『ガラス』の靴で見分けるというのは、ペローに独特である。)」(『Encycloaedia Britannica』)
というわけで、我々にとってのシンデレラを語るための基礎情報としては、数多ある昔話の内で、フランスの文学者ペローの伝える昔話のみを用いれば良いということなのです。ちなみに他のシンデレラ物語では、王子様は、金の靴や銀の靴、指輪によってシンデレラを見つけ出すそうです。
で、ペローと我々のシンデレラの人格がアレで残念だというお話に戻りましょう。ペローのシンデレラすなわち「サンドリヨン」のお話は
このように始まります。
むかし、ひとりの貴族がいて、誰もそれまでみたこともないほど高慢で思い上がった女と再婚しました。この女には、自分と同じ性質で、何から何までそっくりな娘が二人いました。夫のほうにもひとり娘がいましたが、こちらはほかに例のないほど優しい、親切な心の持主で、それは、世にもすぐれた女性であった母親から受けついだものでした。
まま母のほうは婚礼が終わるとたちまち悪い性質をむき出しにしました。自分の娘たちのおぞましさを際立たせるので、この娘の長所美点ががまんできなかったのです。……
(『完訳 ペロー童話集』新倉朗子訳 岩波文庫 212頁)
それが、この「ひとり娘」、あだ名はサンドリヨン(シンデレラ)は、あれこれあった末、「美しく装った姿のサンドリヨンは、そのまま若い王子のもとへと連れて行かれます。王子はこれまでに増して美しいと思い、それからいく日も経たぬうちに結婚しました。」(同書 222頁)と幸運を掴みます。
ところが、その先、実は存在するその先の結婚後のストーリーが問題なのです。
この「結婚しました。」の後、更に続く一文は以下の通り。
サンドリヨンは、美しいばかりでなく、優しい心の持主ですから、二人の姉を宮廷に住まわせると、早速その日のうちに、宮廷の二人の大貴族と結婚させました。(同上)
そう「宮廷の二人の大貴族と結婚させました。」
「誰もそれまでみたこともないほど高慢で思い上がった女」と「何から何までそっくりな娘」を。
つまり、
よそ様に押しつけました。おぞましい性格の恥ずべき身内を。
しかも、このよそ様は大貴族、多くの家来や召使いや領民を従えているでしょうから、それらの人々の上に、この大貴族の妻になれるような教育練磨の出来てない、人間的に終わってるクズ娘二人が君臨するわけですね。
とっても迷惑です。
そりゃあ大貴族ご本人は、王妃とのコネ作りの為に一応受け入れ、愛人でもこしらえれば良いのかも知れませんが、周りの者は……。やがて挙式を経て、サンドリヨン家のおぞましき悪魔が送り込まれた大貴族の館は……。実に悲惨です。
サンドリヨン、「優しい」「優しい」言われてますが冷静にみると、なんだか全然優しい心の持ち主ではありません。いきなり、勢力拡大に走るあたり、やり手ではありますが、人格的には酷い……。
最大限好意的に評価しても、せいぜい、普通程度に薄汚れて、普通程度に陰険な貴族様です。
そういえば、いい人ぶって、結婚して権力握ったとたん、本性を現して好き勝手し出すというのは、「まま母のほうは婚礼が終わるとたちまち悪い性質をむき出しにしました」ってのになんか似てますね。
なんだか結婚って恐ろしいですね。
参考資料
『完訳 ペロー童話集』新倉朗子訳 岩波文庫
『Encycloaedia Britannica』
『スーパー・ニッポニカ Professional』小学館
関連記事
スイーツ(笑)断罪 1330 ~リアル女はノー・センキュー 僕はフィクションに恋をする~ 徒然草の恋愛論
「妻といふものこそ、をのこの持つまじきものなれ。」by吉田兼好(引用元はリンク先参照)
三島由紀夫について少し述べる~日本近代文学の幕を下ろす男~
「…色気づくころからすつかり性慾で目をくらまされ、あとで結婚してみて、又女の意地の悪さとずるさと我儘を発見するときは、前の記憶はすつかり忘れてゐるから、それを生れてはじめての大発見のやうに錯覚するのは、むだな苦労だと思はれる。」by三島由紀夫(引用元はリンク先参照)
千年の昔に書かれたちょっとエッチなロリっ娘メイド・ノベル ~ロリは日本の宿業である~ 『落窪物語』
日本の継子いじめ物語
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
引きこもりニート列伝その9 ソクラテス・プラトン
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet09.html
ソクラテスは妻が難儀な人だったことで有名です
偉大なるダメ人間シリーズその4 ベリサリウス(当ブログ内に移転)
http://trushnote.exblog.jp/14529104/
偉大な名将ベリサリウスも妻が難儀な人でした
西欧中世における恋愛、性の諸相
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2005/051209.html
この他、結婚で恐ろしい目にあった人としては、中国・明の名将・戚継光、アメリカ大統領リンカーンなんて人もいます。
関連記事以下で触れた結婚否定論者や結婚で難儀した人については、
『ダメ人間の日本史』[リンク先Amazon](社会評論社)収録の
「吉田兼好 女など心に浮かぶ虚像で十分 ~700年前の二次元大好きキモオタのリアル女弾劾の声を聞け~」
「三島由紀夫 シスコン、マザコン、少年愛、マッチョ志向 ダメ勲章山盛りな大作家 ~右翼だけどディズニーランド好き~」
や
『ダメ人間の世界史』[リンク先Amazon](社会評論社)収録の
「ソクラテス 寝ても起きても夢を見てフワフワ過ごした71年、妻の怒りも何のその、死ぬまで貫くニート道」
「ベリサリウス 史上最も無様に妻の尻に敷かれた英雄 ~女王様の足にマゾ奴隷として口づけを~」
「戚継光 あらゆる外敵に打ち勝った勇将も、内では異常な恐妻家、妻が恐くて逆らえず仕方ないから部下に八つ当たり」
「リンカーン マナーも神も全て無視、無作法・無頓着な野人豪傑大統領」
もご参照ください。
リンクを変更(2010年12月7日)
by trushbasket
| 2010-09-13 00:42
| My(山田昌弘)








