ローマ帝国の男のロマン ~古代ローマ人のエロ願望が変態すぎて日本人もドン引きレベル~
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いつもは皆さんの国がとってもHENTAIで凄いって話ばかりしているわけですが、今日は、よその国もたいがい凄いという話をしましょう。
今日取り上げるのは、古代ローマ帝国。
規律と仁義、軍事力と法律で名高く、現代社会にまでその影響が強く残っている世界史上の偉大な超大国。
ついでにお風呂好きでも最近有名で、遠くの割に、微妙に日本人にとって親しみやすい国。
そんな国のHENTAIぶりを紹介したいと思います。
さてローマ帝国の第二代皇帝にティベリウスという皇帝がいます。
人間嫌いで陰気、寡黙、堅苦しいといった感じの性格の人で、そのためか、優れた能力と統治実績のわりに世間受けがイマイチ。結果、後世長らく暴君扱いされていた可哀想な人です。
で、その不人気王のティベリウス様は、その性格故に、カプリ島の別荘で長期の引きこもり生活を送っていた時期があるのですが、金と権力溢れる嫌われ者の暴君が、引きこもって何やってるか分らんとなると、世間の人は好き勝手に想像力を羽ばたかせ、彼の生活についてあること無いこと言い立てた、誹謗中傷の歴史記録を残します。エロいこととか。
で、そのエロい誹謗中傷は、記録されている資料の成立時期や無茶苦茶な内容などから、明らかに嘘話であると、歴史家の先生達に切り捨てられる残念な代物なのですが、しかし、使いようによっては、なかなか面白くありがたい資料。
最高権力者たる皇帝に仮託されたエロ話といえば、大衆が考えた、自分が皇帝だったらやってみたい、やってしまう、憧れのエロ行為と言えるわけです。つまり、ティベリウス帝エロ伝説は、ローマ人的「男のロマン」。
というわけで、以下、その「古代ローマの男のロマン」を紹介し、古代ローマ人の変態ぶりを楽しんでみようと思います。(引用文はスエトニウス『ローマ皇帝伝 (上)』国原吉之助訳 岩波文庫 271~272頁)
ところでティベリウスは、カプリ島に隠栖中、「セラリア」という房事用椅子のある密室を考案した。その中で各地から入念に探し求めた少女や稚児の手合いや、「スピントリア」と呼ばれていた怪物的な秘戯の発案者らが、三人一組となって彼の前で交替で汚し合う情景を見て衰えた性欲を刺激せんとしたのである。
というわけで、古代ローマ男児がやってみたい究極のエロその1
スケベ椅子使ったロリショタ3Pショー
あちこちに設けた寝室は、卑猥な春画や姿態の淫らな彫像で飾られ、さらに演技を披露するさい、誰でも命じられた体位の手本をすぐに見つけるように、エレパンテスの秘本もそなえつけてあった。
その2
エロ絵にエロフィギュア、エロ本満載、実演もあるよ。2次元、2.5次元、3次元、あらゆる欲望に完全対応、素敵にエロい変態ベッドルーム
森や木立のいたるところに、趣向をこらした性愛の四阿が設けられ、洞窟や崖の横穴にも、小さな牧神や水の精に扮した両性の若者が色を売っていた。……
その3
コスプレエロ専用のマニアックハーレム
まったく大した物ですね。ロリだ、ショタだ、エロ本だ、エロフィギュアだ、コスプレだ。現代日本人の大好物が勢揃い。現代日本人と互角なヘンタイさんです。
だが、しかし、ローマ人が本気を出せば、こんなもんでは止まらない。
極東の蛮族どもよ、大ローマ帝国の真の力を見るが良い。
ティベリウスはさらにおぞましい破廉恥な醜行へと煽られた。それは、ほとんど言ったり聞いたりすることも憚られるほどの、いや信じられないほどの醜悪さで、たとえば、こんなふうであった。彼が「稚魚」と呼んでいた年端のゆかぬ子供に、泳いでいる最中、股の間を潜らせ、舌や歯でそっと触れて戯れるように教えこむ。さらにこんな具合である。活潑に動くがまだ乳離れしていない赤ん坊を、鼠蹊部や胸にあてがった。たしかに彼は性格の上からも老齢からもどちらからというとこういった性的な快楽にひかれていたのである。
その4
幼児と乳児で全身エロ刺激
……さすがに、それはいかがなものか。
HENTAI国民の日本人でもさすがにこれにはドン引きです。
ちなみに国民に敬愛されていた初代皇帝アウグストゥスも、「稚魚」プレイの愛好者であるとの噂が立てられたくらいでして、これらの変態行為は、別に、他に類を見ない狂った暴君の他に類を見ない暴挙として、妄想されたわけではなさそうです。
だから、これほどまでの変態行為も、ローマ人にとっては、俺らが皇帝だったらやってみたい素敵プレイってレベルに過ぎないと言えます、たぶん。
ところで、先にエロ絵の話が出ましたがエロ絵にかけるローマ人の熱き思いは以下の話もご参照ください。
そういうわけでアタランタがメレアグロスを口でくわえて喜ばせているパラシウスの秘画を、もしこの絵の主題が気にいらなければ、その代わりに百万セステルティウスを受けとってくれという条件で遺贈されると、彼はこの絵の方を択んだばかりか、それを寝室に恭々しく掲げたのである。
ちなみにアウレウス(7.80グラム純金貨)=100セステルティウス(真鍮貨)なので、百万セステルティウスというのは金貨1万枚=純金7万8千グラムです。
今、金は1グラム4200円くらいですから、百万セステルティウスは3憶円強でしょうか?
つまり
「素晴らしいエロ絵には無限の価値がある。金に不自由がなければ 俺は3憶払ってでもエロ絵を手に入れるよ。」男性(ローマ帝国ローマ市)
ということです。
ローマ帝国の変態魂、ご堪能いただけたでしょうか。
超大国ローマは、変態の方面でも超大国ですね。
参考資料
スエトニウス『ローマ皇帝伝 (上)』国原吉之助訳 岩波文庫
塩野七生著『ローマ人の物語』新潮社
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またティベリウス帝の引きこもりについて、社会評論社『ダメ人間の世界史』や下記関連発表でも取り上げていますので、よろしければそちらもご参照ください。
Amazon :『ダメ人間の世界史』(ダメ人間の歴史vol 1)
楽天ブックス:『ダメ人間の世界史』(ダメ人間の歴史vol 1)
当ブログ内紹介記事
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
引きこもりニート列伝その21 ティベリウス
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet21.html
ジュブナイルポルノの歴史に関する覚え書きとささやかな考現学
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/mito/juvenile.html
西欧中世における恋愛、性の諸相
http://kurekiken.web.fc2.com/data/2005/051209.html
楽天ブックス: ダメ人間の世界史 - ダメ人間の歴史vol 1 -