2012年 02月 06日
日本人のチームワークの欠如を聖徳太子が嘆いていた件 ~日本人は和を以て尊しとしなさず~
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日本は和の国だとか、日本人はチームワークの得意な民族だとか、そう思っている方も多いのではないでしょうか。
で、そんな話の文脈で、聖徳太子が和を以て貴しと為すと言ったとか何とか思い出したりする人も、少なくないのではないかと思います。
でも、実は聖徳太子の言葉は、実は和の国日本というよりは、不和の国日本な実態を明らかにしている切実なものだったりします。
知ってるようで意外と知られて無さそうな、この聖徳太子の「和」談義について、ちょっとここらでよく見てみようではないですか。
なお書き下しはかなり適当。読む本読む本好き放題にバラバラに書き下してるし、読み仮名もそれぞれ異なるし、あんまり細かく気にするものではないっぽいです。
というわけで、十七条憲法第一条
<訳>
第一条。仲良くするって大事だよ、とにかく喧嘩は無しで行こう。お前らみんな党派に固執し、その上、賢くないヤツばっか。おかげで上司や親には刃向かい、村と村でもいがみ合う。けどもし上下で仲良くし、しっかり議論で協力すれば、たちまち物の道理は明らか。それで何でも上手にできるよ。
というわけで、聖徳太子の言葉が日本人の不和を明らかにしているって言うのは、和を以て貴しとなすってことは、逆に和がないからだって穿った見方で間接的に読みとるってレベルの話じゃないのです。
お前らみんな党派心が強すぎるし、賢くないし(「人皆党(たむら)有て、また達者少し」)と、太子は和を命じた直後に、直接的な言葉で、嘆いておられます。
というわけで、ここから考えれば日本は不和の国。他国より不和かどうかは知りませんが、他国より組織力が高いとか、調子に乗ってる場合じゃないのは確かであります。
ところで、こういった問題について個人的に印象的なのは、昔、新聞で読んだサッカーの記事です。既に記憶もだいぶ曖昧ではありますが、そこでは日本人は身体能力にすぐれたアフリカ勢に対し、日本は組織力で対抗すると言うが、アフリカ勢を取材すると自分たちの長所は組織力だと言っている、個人技に優れた外人と組織力に長けた日本人みたいな、解釈を絶対視して繰り返してるのはいかがなものか、みたいなことを言ってました。
内外人のスポーツにおける組織力の実際の優劣は特にスポーツ詳しくない私にはよく分かりませんが、
日本人と同様外人も自讃できる程度の組織力なり和なりを備えていて、日本人が組織力に優れているというのを当然の前提と見なすのはおかしいというのは、
歴史的な考察を元にしてですが、私も同様に感じるところです。
というわけで、皆さんも、自分たち日本人はチームワークの苦手な組織性の低い民族だと認識し直して、今後の戒めとしてはいかがでしょうか。
ところで、チームワーク苦手な日本人の皆さんに、聖徳太子様は、たいへん素晴らしい教えを垂れてくれていますね。
仲良くするのは議論の前提、
議論によって道理を明らかにしろと。
和というのは、意見の相違を無理矢理ナアナアで押しつぶし塗り隠し、議論を封殺することでもないし、道理をなれ合いと数の力で押しのけることでもないのです。
ところで聖徳太子は十七条憲法で、他にも役に立つ教えを語ってくれていますので、その部分も抜粋しておきましょう。これを学んで活かしていけば、チームワークの達人になれるかもしれませんよ?
<訳>
第十条。憤りを絶ち、怒りを棄てて、意見の相違を責めないように。人にはそれそれ心があって、各自の心にこだわりがある。相手が正しいこともある。自分が正しいこともある。自分は別に聖人じゃなく、相手も別にバカじゃない。お互い様で凡人なんだ。道理にかなった判断を、いつも下せるヤツはいない。時によってはお互い様に賢かったりバカだったり、金輪に端がない感じ。もしも相手が怒ったら、それを機会に顧みて、自分のミスを恐れなさい。自分だけしか分かってなくても、ミスに備えてみんなで行動。
<訳>
十七条。物事は、独断するな。みんなで必ず議論しろ。だからといって些末なことまでわざわざ皆で会議すな。大きな事だけ議論して、ミスがないよう警戒し、みんなでしっかり判断したら、その結論は道理にかなうよ。
参考資料
『国史大系 第1巻 日本書紀』経済雑誌社
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
日本人はチームワークが苦手です ~1300年の戦史が語る日本人の国民性~
中国人のチームワークは形だけ? ~軍事史から見る中国人のチームワーク~
聖徳太子未来記と野馬台詩~「話は聞かせてもらったぞ!日の本は滅亡する!」「な、なんだってー!」
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
遣唐使~その歴史的経緯と役割~
http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/030418.html
飛鳥時代の軍制改革
http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/030523a.html
世界史序説 ~歴史を理解したふりをするための文明論略説~
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/my/preface.html
で、そんな話の文脈で、聖徳太子が和を以て貴しと為すと言ったとか何とか思い出したりする人も、少なくないのではないかと思います。
でも、実は聖徳太子の言葉は、実は和の国日本というよりは、不和の国日本な実態を明らかにしている切実なものだったりします。
知ってるようで意外と知られて無さそうな、この聖徳太子の「和」談義について、ちょっとここらでよく見てみようではないですか。
なお書き下しはかなり適当。読む本読む本好き放題にバラバラに書き下してるし、読み仮名もそれぞれ異なるし、あんまり細かく気にするものではないっぽいです。
というわけで、十七条憲法第一条
一に曰く。和(やわらぎ)を以て貴と為し、忤(さから)うこと無きを宗とす。人皆党(たむら)有て、また達者少し。これを以て或は君父に順わずして、また隣里に違う。然れども上和ぎ下睦びて事を論(あげつら)うに諧(かな)えば、すなわち事理自に通ず。何事か成らざらん。
<訳>
第一条。仲良くするって大事だよ、とにかく喧嘩は無しで行こう。お前らみんな党派に固執し、その上、賢くないヤツばっか。おかげで上司や親には刃向かい、村と村でもいがみ合う。けどもし上下で仲良くし、しっかり議論で協力すれば、たちまち物の道理は明らか。それで何でも上手にできるよ。
というわけで、聖徳太子の言葉が日本人の不和を明らかにしているって言うのは、和を以て貴しとなすってことは、逆に和がないからだって穿った見方で間接的に読みとるってレベルの話じゃないのです。
お前らみんな党派心が強すぎるし、賢くないし(「人皆党(たむら)有て、また達者少し」)と、太子は和を命じた直後に、直接的な言葉で、嘆いておられます。
というわけで、ここから考えれば日本は不和の国。他国より不和かどうかは知りませんが、他国より組織力が高いとか、調子に乗ってる場合じゃないのは確かであります。
ところで、こういった問題について個人的に印象的なのは、昔、新聞で読んだサッカーの記事です。既に記憶もだいぶ曖昧ではありますが、そこでは日本人は身体能力にすぐれたアフリカ勢に対し、日本は組織力で対抗すると言うが、アフリカ勢を取材すると自分たちの長所は組織力だと言っている、個人技に優れた外人と組織力に長けた日本人みたいな、解釈を絶対視して繰り返してるのはいかがなものか、みたいなことを言ってました。
内外人のスポーツにおける組織力の実際の優劣は特にスポーツ詳しくない私にはよく分かりませんが、
日本人と同様外人も自讃できる程度の組織力なり和なりを備えていて、日本人が組織力に優れているというのを当然の前提と見なすのはおかしいというのは、
歴史的な考察を元にしてですが、私も同様に感じるところです。
というわけで、皆さんも、自分たち日本人はチームワークの苦手な組織性の低い民族だと認識し直して、今後の戒めとしてはいかがでしょうか。
ところで、チームワーク苦手な日本人の皆さんに、聖徳太子様は、たいへん素晴らしい教えを垂れてくれていますね。
仲良くするのは議論の前提、
議論によって道理を明らかにしろと。
和というのは、意見の相違を無理矢理ナアナアで押しつぶし塗り隠し、議論を封殺することでもないし、道理をなれ合いと数の力で押しのけることでもないのです。
ところで聖徳太子は十七条憲法で、他にも役に立つ教えを語ってくれていますので、その部分も抜粋しておきましょう。これを学んで活かしていけば、チームワークの達人になれるかもしれませんよ?
十に曰く。忿(いきどおり)を絶ち瞋(いかり)を棄て人の違(たが)うことを怒らざれ。人皆心有り、心各(おのおの)執ること有り。彼是なればすなわち我は非なり。我是なればすなわち彼非なり。我必ずしも聖にあらず。彼必ずしも愚にあらず。ともにこれ凡夫なるのみ。是非の理、誰かよく定べき。相共に賢愚、鐶(みみかね)の端なきがごとし。これを以て彼の人は瞋るといえども、還て我が失(あやまち)を恐る。我独り得たりといえども、衆に同じく挙(おこな)え。
<訳>
第十条。憤りを絶ち、怒りを棄てて、意見の相違を責めないように。人にはそれそれ心があって、各自の心にこだわりがある。相手が正しいこともある。自分が正しいこともある。自分は別に聖人じゃなく、相手も別にバカじゃない。お互い様で凡人なんだ。道理にかなった判断を、いつも下せるヤツはいない。時によってはお互い様に賢かったりバカだったり、金輪に端がない感じ。もしも相手が怒ったら、それを機会に顧みて、自分のミスを恐れなさい。自分だけしか分かってなくても、ミスに備えてみんなで行動。
十七に曰く。それ事は独り断(さだ)むべからず。かならず衆(もろもろ)とともによろしく論(あげつら)うべし。小事は必ずしも衆(もろもろ)とすべからず。ただ大事を論(あげつら)うに逮(およ)びては、もし失有ることを疑うが故に衆(もろもろ)とともに相弁(わきまうる)ときは、辞(こと)すなわち理を得。
<訳>
十七条。物事は、独断するな。みんなで必ず議論しろ。だからといって些末なことまでわざわざ皆で会議すな。大きな事だけ議論して、ミスがないよう警戒し、みんなでしっかり判断したら、その結論は道理にかなうよ。
参考資料
『国史大系 第1巻 日本書紀』経済雑誌社
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
日本人はチームワークが苦手です ~1300年の戦史が語る日本人の国民性~
中国人のチームワークは形だけ? ~軍事史から見る中国人のチームワーク~
聖徳太子未来記と野馬台詩~「話は聞かせてもらったぞ!日の本は滅亡する!」「な、なんだってー!」
れきけん・とらっしゅばすけっと/京都大学歴史研究会関連発表
遣唐使~その歴史的経緯と役割~
http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/030418.html
飛鳥時代の軍制改革
http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/030523a.html
世界史序説 ~歴史を理解したふりをするための文明論略説~
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/my/preface.html
by trushbasket
| 2012-02-06 20:23
| My(山田昌弘)








