2014年 04月 24日
前近代の日本とイスラーム、について若干追加
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だいぶ前になりますが、前近代の日本や朝鮮半島とイスラーム世界について調べたことがありました。やはりというか、接触はかなり少なかったようです。それについて、少しだけ追加して述べてみます。
日本とペルシアとは、古くから接触が皆無ではなかったようです。『日本書紀』は600年の条に「乾豆波斯」の人物について、更に『続日本紀』は736年の条にに「波斯人李密翳」について記載がありました。中国を介しての繋がりだったのでしょうか?なお、日本人にとって「波斯」は具体的な外国というより神秘的な遠方の国というイメージを出ていなかったようで、『宇津保物語』に登場する「波斯」も寧ろ南方のイメージで語られているとか。戦国期においてヨーロッパ人が「南蛮」と呼ばれていたのを何となく連想させる話ですね。
鎌倉期についても、こんな逸話があります。当時の傑僧・明恵の弟子に勝月坊慶政という人物がいました。彼は入宋した際に泉州で異邦人と出会います。慶政はその相手をインド人と考え、師への土産とするため経文の一部を書いてもらったと伝えられます。しかし、その「土産」を近代に羽田亨が解読したところ、ペルシア語であり『ヴィースとラーミーン』や『王書』を元ネタにした詩句だと判明。鎌倉期の日本人が、ペルシアとインドを混同した一例と申せましょうか。
なお、日本とアラブの直接の接触を示す資料は手に入りませんでした。
以前の記事で述べましたが、イスラーム世界では日本が「ワークワーク」として語られていた可能性があります。しかし、後には「ワークワーク」は「人の顔が実として成る木が生えている」といった幻想的な神秘の国として語られるようになったのも以前述べた通り。面白い事に、日本や中国では近世になると「大食」(アラブ)に対して同様のイメージを抱いていたようで。明代の『三才図会』や徳川期の『和漢三才図会』で「大食」に「人の顔が実として成る木が生えている」という記述があるそうです。
【参考文献】
日本人の中東発見 逆遠近法のなかの比較文化史 杉田英明 東京大学出版会
日本大百科全書 小学館
関連記事:
「前近代の日本・朝鮮半島とイスラーム」
「外国から見た日本、日本から見た外国―娯楽文化の視点から―(前半)」、「(後半)」
「戦史上の誇大な兵力伝承について ~その形成過程および実数との誤差~ 古代ギリシアの戦記を元に」
最後はペルシア関連で。
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「旅行業と巡礼」
(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/travel.html)
「イスラム教歴史」
(http://kurekiken.web.fc2.com/data/2001/011005.html)
日本とペルシアとは、古くから接触が皆無ではなかったようです。『日本書紀』は600年の条に「乾豆波斯」の人物について、更に『続日本紀』は736年の条にに「波斯人李密翳」について記載がありました。中国を介しての繋がりだったのでしょうか?なお、日本人にとって「波斯」は具体的な外国というより神秘的な遠方の国というイメージを出ていなかったようで、『宇津保物語』に登場する「波斯」も寧ろ南方のイメージで語られているとか。戦国期においてヨーロッパ人が「南蛮」と呼ばれていたのを何となく連想させる話ですね。
鎌倉期についても、こんな逸話があります。当時の傑僧・明恵の弟子に勝月坊慶政という人物がいました。彼は入宋した際に泉州で異邦人と出会います。慶政はその相手をインド人と考え、師への土産とするため経文の一部を書いてもらったと伝えられます。しかし、その「土産」を近代に羽田亨が解読したところ、ペルシア語であり『ヴィースとラーミーン』や『王書』を元ネタにした詩句だと判明。鎌倉期の日本人が、ペルシアとインドを混同した一例と申せましょうか。
なお、日本とアラブの直接の接触を示す資料は手に入りませんでした。
以前の記事で述べましたが、イスラーム世界では日本が「ワークワーク」として語られていた可能性があります。しかし、後には「ワークワーク」は「人の顔が実として成る木が生えている」といった幻想的な神秘の国として語られるようになったのも以前述べた通り。面白い事に、日本や中国では近世になると「大食」(アラブ)に対して同様のイメージを抱いていたようで。明代の『三才図会』や徳川期の『和漢三才図会』で「大食」に「人の顔が実として成る木が生えている」という記述があるそうです。
【参考文献】
日本人の中東発見 逆遠近法のなかの比較文化史 杉田英明 東京大学出版会
日本大百科全書 小学館
関連記事:
「前近代の日本・朝鮮半島とイスラーム」
「外国から見た日本、日本から見た外国―娯楽文化の視点から―(前半)」、「(後半)」
「戦史上の誇大な兵力伝承について ~その形成過程および実数との誤差~ 古代ギリシアの戦記を元に」
最後はペルシア関連で。
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「旅行業と巡礼」
(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/travel.html)
「イスラム教歴史」
(http://kurekiken.web.fc2.com/data/2001/011005.html)
by trushbasket
| 2014-04-24 00:13
| NF








