2014年 05月 08日
悪事・不徳を開き直らないように~仏教説話から~
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仏教学者ひろさちや氏の著作に、ある仏教説話が引用されていました。
ある国の王は政務の合間にしばしば狩猟をおこなっていました。一方、彼は仏教への信仰も篤くしばしば布施をしたり巡礼を行ったりもしていました。家臣たちは、殺生を散々しておきながら巡礼をするのはおかしなことだと笑いあいます。それを知った王は、家臣たちに
家臣たちは、とても無理だ、火傷をすると答えます。すると王は
と述べたそうで。ひろ氏は、この話を受けて人間は生きる上でどうしても他人に迷惑をかける事になるが、「そのとき、生きていくためにはやむをえないと開き直らずに、率直に「すまない」と詫びる気持ちを持」つ事が肝要であると述べています(括弧内は、ひろさちや『捨てちゃえ、捨てちゃえ』PHP 187頁)。確かに、大事なことかと思います。個人レベルの問題だけでなく、社会全体レベルでも当てはまることかと。殊に我が国は、長らく斜陽に直面し財政的にも苦しい状況にありますし精神的な余裕もなくなりつつありますから。開き直ってしまうと、不正や悪事に鈍感になり、きりもなく堕ちていくことになりかねません。人間というのは弱い生き物ですからね。
たとえばの話ですが、この世知辛いご時世、国家的・社会的に弱者への十分な対応ができない局面が出るのもある程度やむを得ない面はあるでしょう。それでも、「自己責任」と開き直るのではなく「本来なら十分に保護してやらねばならぬのを、力不足で守ってやれず申し訳ない」という心情を社会全体なり為政者なりは(言明する必要は必ずしもないでしょうが)どこかに持っておく必要はあるんじゃないかな、とは思います。心の片隅にそうした思いを残しておくようにすれば、何かの折に行動が少しでも違ってくるでしょうしね。
まあ、さっきも少し述べましたが、そうした際に「申し訳ない」思いを対外的に表明すべきか否か、についてはまた別の問題になると思いますのでケースバイケース、という事になるかと。
【参考文献】
捨てちゃえ、捨てちゃえ ひろさちや PHP
ある国の王は政務の合間にしばしば狩猟をおこなっていました。一方、彼は仏教への信仰も篤くしばしば布施をしたり巡礼を行ったりもしていました。家臣たちは、殺生を散々しておきながら巡礼をするのはおかしなことだと笑いあいます。それを知った王は、家臣たちに
「熱湯のみなぎった鍋があるとしよう。その中に金塊があるならば、お前たちはそれが取れるか」
家臣たちは、とても無理だ、火傷をすると答えます。すると王は
「自分には取れる。冷水を注ぎ込み、熱湯を冷ませばよい。私は武人なので、狩猟は鍛錬として止めるわけにはいかない。だから、殺生の罪という熱湯を少しでも冷ますために巡礼という冷水を注いでいるのだ」
と述べたそうで。ひろ氏は、この話を受けて人間は生きる上でどうしても他人に迷惑をかける事になるが、「そのとき、生きていくためにはやむをえないと開き直らずに、率直に「すまない」と詫びる気持ちを持」つ事が肝要であると述べています(括弧内は、ひろさちや『捨てちゃえ、捨てちゃえ』PHP 187頁)。確かに、大事なことかと思います。個人レベルの問題だけでなく、社会全体レベルでも当てはまることかと。殊に我が国は、長らく斜陽に直面し財政的にも苦しい状況にありますし精神的な余裕もなくなりつつありますから。開き直ってしまうと、不正や悪事に鈍感になり、きりもなく堕ちていくことになりかねません。人間というのは弱い生き物ですからね。
たとえばの話ですが、この世知辛いご時世、国家的・社会的に弱者への十分な対応ができない局面が出るのもある程度やむを得ない面はあるでしょう。それでも、「自己責任」と開き直るのではなく「本来なら十分に保護してやらねばならぬのを、力不足で守ってやれず申し訳ない」という心情を社会全体なり為政者なりは(言明する必要は必ずしもないでしょうが)どこかに持っておく必要はあるんじゃないかな、とは思います。心の片隅にそうした思いを残しておくようにすれば、何かの折に行動が少しでも違ってくるでしょうしね。
まあ、さっきも少し述べましたが、そうした際に「申し訳ない」思いを対外的に表明すべきか否か、についてはまた別の問題になると思いますのでケースバイケース、という事になるかと。
【参考文献】
捨てちゃえ、捨てちゃえ ひろさちや PHP
by trushbasket
| 2014-05-08 21:54
| NF








