2014年 09月 06日
日本の南北朝と、三国志の間の意外な共通点~饅頭の起源?~
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以前、『太平記』の時代にはそれなりに三国志物語が日本で知られていた事について述べました。
さて、我が国の南北朝と中国の「三国志」時代との間には、意外な共通点がありました。…そのキーワードは、「饅頭」。落語世界の一部住人や、ダイエット中の人々を恐怖に陥れた事で知られる、あのお菓子の饅頭です。どういうことか、以下でおいおい説明していきましょう。
『三国志演義』によれば、南蛮を平定した諸葛亮は帰国に際し現地の川が荒れているのに直面します。帰服させた南蛮の主・孟獲に尋ねると川の神が祟るので四十九の人間の首を捧げて祭りをすることになっているとのこと。諸葛亮は、戦いも済んだ今、これ以上人を死なせる訳にはいくまいと麦粉を捏ねて人の頭をかたどった中に羊・牛の肉を詰めさせ、人の首の代わりとして供え物としました。これが『饅頭』の起こりと伝えられているとか。これは有名な話なので、御存じの方も多いかと思います。
そして「饅頭」が我が国に伝わったのは南北朝動乱のさなかである1349年。中国から林浄因という人物が禅僧・竜山徳見に伴われ来日しました。彼は文人として知られた林和靖の子孫で、塩瀬と姓を改めて奈良に居住し饅頭を商ったと伝えられます。その末裔である饅頭屋宗二は奈良の饅頭業界を牛耳るだけでなく、連歌・和歌・漢学にも通じた文化人としても知られたという事です。
もっとも、饅頭伝来には別系統の説もあり、道元『正法眼蔵』看経巻によれば仁治二年(1241)には既に寺院で饅頭が作られていたようで、また同年に臨済宗の僧・円爾が製法を持ち帰ったという話もあるようです。
【参考文献】
小川環樹・金田純一郎訳『完訳三国志』六・七 岩波文庫
乾健治『続子供のための大和の伝説』奈良新聞出版センター
『大辞泉』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典』講談社
関連記事:
「『太平記』に見る三国志~ひょっとすると南北朝では既に語り物三国志の影響?~」
「徳川期の「武士道」と南北朝動乱~『葉隠』から見る南北朝~」
「三国志の時代と日本」
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「はじめてのさんごくしin歴研」(http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/031219.html)
「初心者向け南北朝概論の試み」(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/nanboku.html)
関連サイト:
「漢国神社」(http://www.kangou-jinja.jp/index.html)より
「まんじゅうの社 林神社」(http://www.kangou-jinja.jp/rinjinja/)
奈良市にある、林浄因を神としてまつった神社です。
「御菓子老舗 塩瀬総本家」(http://www.shiose.co.jp/index.html)
林浄因の流れを受け継ぐ老舗です。
「どら焼き、一升餅の末廣屋喜一郎」(http://www.sueki.jp/)より
「お饅頭(まんじゅう)の起源(中国編)」(http://www.sueki.jp/01/01-0001.htm)
「お饅頭(まんじゅう)の起源(日本編)」(http://www.sueki.jp/01/01-0002.htm)
林浄因の饅頭は煮小豆を煮詰めた餡を詰めたもので、鎌倉期に伝来した饅頭は甘酒を入れて発酵させて作った酒饅頭のようです。
諸葛亮については、社会評論社『ダメ人間の世界史』『世界ナンバー2列伝』で触れています。興味のある方は手に取っていただけたら幸いです。
Amazon :『ダメ人間の世界史』(ダメ人間の歴史vol 1)
楽天ブックス:『ダメ人間の世界史』(ダメ人間の歴史vol 1)
当ブログ内紹介記事
Amazon :『世界ナンバー2列伝』
楽天ブックス:『世界ナンバー2列伝』
セブンネット :『世界ナンバー2列伝』
関連記事:
「『太平記』に見る三国志~ひょっとすると南北朝では既に語り物三国志の影響?~」
さて、我が国の南北朝と中国の「三国志」時代との間には、意外な共通点がありました。…そのキーワードは、「饅頭」。落語世界の一部住人や、ダイエット中の人々を恐怖に陥れた事で知られる、あのお菓子の饅頭です。どういうことか、以下でおいおい説明していきましょう。
『三国志演義』によれば、南蛮を平定した諸葛亮は帰国に際し現地の川が荒れているのに直面します。帰服させた南蛮の主・孟獲に尋ねると川の神が祟るので四十九の人間の首を捧げて祭りをすることになっているとのこと。諸葛亮は、戦いも済んだ今、これ以上人を死なせる訳にはいくまいと麦粉を捏ねて人の頭をかたどった中に羊・牛の肉を詰めさせ、人の首の代わりとして供え物としました。これが『饅頭』の起こりと伝えられているとか。これは有名な話なので、御存じの方も多いかと思います。
そして「饅頭」が我が国に伝わったのは南北朝動乱のさなかである1349年。中国から林浄因という人物が禅僧・竜山徳見に伴われ来日しました。彼は文人として知られた林和靖の子孫で、塩瀬と姓を改めて奈良に居住し饅頭を商ったと伝えられます。その末裔である饅頭屋宗二は奈良の饅頭業界を牛耳るだけでなく、連歌・和歌・漢学にも通じた文化人としても知られたという事です。
もっとも、饅頭伝来には別系統の説もあり、道元『正法眼蔵』看経巻によれば仁治二年(1241)には既に寺院で饅頭が作られていたようで、また同年に臨済宗の僧・円爾が製法を持ち帰ったという話もあるようです。
【参考文献】
小川環樹・金田純一郎訳『完訳三国志』六・七 岩波文庫
乾健治『続子供のための大和の伝説』奈良新聞出版センター
『大辞泉』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典』講談社
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「はじめてのさんごくしin歴研」(http://kurekiken.web.fc2.com/data/2003/031219.html)
「初心者向け南北朝概論の試み」(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/nanboku.html)
関連サイト:
「漢国神社」(http://www.kangou-jinja.jp/index.html)より
「まんじゅうの社 林神社」(http://www.kangou-jinja.jp/rinjinja/)
奈良市にある、林浄因を神としてまつった神社です。
「御菓子老舗 塩瀬総本家」(http://www.shiose.co.jp/index.html)
林浄因の流れを受け継ぐ老舗です。
「どら焼き、一升餅の末廣屋喜一郎」(http://www.sueki.jp/)より
「お饅頭(まんじゅう)の起源(中国編)」(http://www.sueki.jp/01/01-0001.htm)
「お饅頭(まんじゅう)の起源(日本編)」(http://www.sueki.jp/01/01-0002.htm)
林浄因の饅頭は煮小豆を煮詰めた餡を詰めたもので、鎌倉期に伝来した饅頭は甘酒を入れて発酵させて作った酒饅頭のようです。
諸葛亮については、社会評論社『ダメ人間の世界史』『世界ナンバー2列伝』で触れています。興味のある方は手に取っていただけたら幸いです。
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当ブログ内紹介記事
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セブンネット :『世界ナンバー2列伝』
by trushbasket
| 2014-09-06 19:07
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