阪神タイガースと南北朝~とある名選手の先祖は…~
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ところで、このブログで歴史以外に阪神関連のネタも最近は良く取り上げています。また、僕が扱う頻度の高い話題としては日本の南北朝もあります。という訳で、今回は両者をつなぐ話題をしてみたいと思います。
『太平記』は、建武政権成立直後の事としてこのような逸話を伝えています。都で疫病が流行し、紫宸殿の上に怪鳥がとどまって「いつまで、いつまで」と鳴くという怪現象が見られました。不吉だと憂慮した後醍醐らは弓の名人として知られた隠岐次郎左衛門広有に命じ怪鳥を射落とさせます。
射落とされたその怪鳥は、頭は人のようで身体は蛇のよう、嘴は曲がって鋸のような歯が生えており、両足には鋭い蹴爪があったとか。ともあれ、見事射落とした広有は褒美として、五位の位と因幡に二ヶ所の荘園を与えられたという事です。
さて、一説によればこの広有、この際に「真弓」という姓も与えられ南北朝動乱時には九州で懐良親王の下で南朝のために戦い、その後も良成親王のために尽くしたと伝えられています。福岡県みやま市に供養塔が残されているんだとか。この真弓氏は大中臣助氏を祖先とし、真弓親顕の妹が名和基長に嫁いだりもしているようです。名和氏といえば、伯耆出身で九州にわたり戦い続けた筋金入りの南朝方。真弓氏が九州で南朝方豪族と深い結びつきを持っていた事が伺えます。
この広有の末裔が、真弓明信氏だそうです。御存じのとおり、クラウンライターライオンズを経てトレードで阪神タイガースに入団して内野手・外野手として活躍、1985年の日本一にも大きく貢献した名選手。2009年から2011年にかけては監督も務めています。
関連サイト:
「みやま市」(http://www.city.miyama.lg.jp/index.asp)より
「真弓広有公供養塔」(http://www.city.miyama.lg.jp/info/prev.asp?fol_id=5959)
「オフィス真弓」(http://office-mayumi.co.jp/)より
「真弓の姓の由来」(http://office-mayumi.co.jp/hitory/%E7%9C%9F%E5%BC%93%E3%81%AE%E5%A7%93%E3%81%AE%E7%94%B1%E6%9D%A5/)
思わぬところで、思わぬ事項が繋がっていたりするものですね。まあ、一部では有名な話のようなので御存じの方も多いのでしょうけど。
【参考文献】
『日本古典文学大系太平記』一~三 岩波書店
涌島義博著『忠誠名和一族』道統社
「近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/)より
「吉野朝史跡調査会編『吉野朝史跡調査会報 第1号』吉野朝史跡調査会本部」(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1258295)
関連記事:
「名和長年」
「天狗じゃ、天狗の仕業じゃ!」
「阪神の選手が、各タイトルを最後にとってたのは?~附:球団記録は~」
真弓明信氏も1983年に.353で首位打者に輝いています。
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連記事:
南北朝関連はこちらを。
「南北朝関連発表まとめ」
関連サイト:
「げんまつWEB タイガース歴史研究室」(http://www.jttk.zaq.ne.jp/genmatsu/index.html)より
「真弓明信」(http://www.jttk.zaq.ne.jp/genmatsu/list/mayumi.html)
※2014/11/2 関連記事のリンクが一つ上手くいってなかったのでやり直しました。