2014年 12月 27日
「世の中、綺麗ごとだけじゃ済まない」からこそ、誠実・正直に生きる必要があるのかも、という話
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道徳的な御説教を聞いたり見たりすると、何となく反発を覚えてしまうという経験は、多くの方がされているのではないかと思います。「正論かもしれないけど、世の中、そういう綺麗ごとだけではどうにもならんのだ」と思ってしまう事だって、あります。
しかし、綺麗ごとだけでは済まないからこそ、できるだけ誠実・正直に生きる方が損得の上でも良い、という説もあります。今回は、そういった教えを説いている事例を見てみましょう。
ルネサンス期イタリアの思想家・マキャベリは主著『君主論』で、道に外れた行為について以下のように述べています。
道に外れた行為をする場合は、どうしても必要に迫られた際に必要最小限にして、そうでない時は他人を安心させるように努めなければならない、という事ですね。そうでなければ、警戒され危険視され相手にされなくなる訳で。道徳論だけでなく、損得勘定からも、少なくともやむにやまれぬ時以外は非道には手を染めずに生きた方が良い、と言えそうです。実際、マキャベリも上記に続ける形で
と言っていますから、損得勘定からも、普段はむしろ人から感謝されるような生き方をしないといけないという事になりますね。
同様な言葉を残した人物を、他にも見てみましょう。近代日本の外交官に、小村寿太郎という人物がいます。彼は明治後半に日本の外交を主導し、日英同盟やポーツマス条約の締結、関税自主権の回復といった業績を残した傑物です。そんな彼が残したとされる言葉として、このようなものがあるそうで。
彼が実際にこうした発言をしたかどうかの真偽はともかく、内容は至言だと思います。嘘をつくのは、そうしないと生き抜けない時だけのための、最後の手段。そうでなければ、いざという時に非道な手すら打てなくなる。
世の中綺麗ごとだけでは済まないからこそ、どうしようもない時でなければまっとうな生き方をしなければならない。損得勘定からもそういう結論が出しうる、という話でした。実際、歴史を見ても謀略家として名高い人物は一定の成功を収めても、最終的な勝利者になるのは難しい印象がありますものね。裏表がある事が周囲にバレている時点で先行きは厳しい事が多い、という事なのかもしれません。
【参考文献】
『日本大百科全書』小学館
『世界の名著16マキアヴェリ』中央公論社
『別冊歴史読本 日本の名家・名門人物系譜総覧』新人物往来社
関連記事:
「にっくき相手にどのような言葉をかけるべきか~侮辱・罵声・恫喝は無益です~」
「「戦後日本の父」の言葉に耳を傾けよう~吉田茂『大磯随想』をみる~」
「「道徳」の必要最低限ラインについて考えてみる~人に悪意を向けて動くな、という事に尽きそう~」
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「引きこもりニート列伝その14 宮崎滔天・北一輝」(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet14.html)
「Otto Hintze 『国家組織と軍隊組織』 新装版 訳者解説・目次」
しかし、綺麗ごとだけでは済まないからこそ、できるだけ誠実・正直に生きる方が損得の上でも良い、という説もあります。今回は、そういった教えを説いている事例を見てみましょう。
ルネサンス期イタリアの思想家・マキャベリは主著『君主論』で、道に外れた行為について以下のように述べています。
残酷さがりっぱに―もし悪についてりっぱにという言い方を許していただければ―使われたというのは、自分の立場を守る必要上一度はそれを行使しても、そののち、それに固執せず、できるかぎり臣下の役にたつ方法に転換した場合をいう。一方、へたに使われたとは、最初残酷さを小出しにやって、時がたつにつれて、やめるどころかますます激しく行使するようなばあいをさす。(『世界の名著16マキアヴェリ』中央公論社 80頁)
要するに、加害行為は、一気にやってしまわなくてはならない。(同書 同頁)
道に外れた行為をする場合は、どうしても必要に迫られた際に必要最小限にして、そうでない時は他人を安心させるように努めなければならない、という事ですね。そうでなければ、警戒され危険視され相手にされなくなる訳で。道徳論だけでなく、損得勘定からも、少なくともやむにやまれぬ時以外は非道には手を染めずに生きた方が良い、と言えそうです。実際、マキャベリも上記に続ける形で
恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない。(同書 同頁)
と言っていますから、損得勘定からも、普段はむしろ人から感謝されるような生き方をしないといけないという事になりますね。
同様な言葉を残した人物を、他にも見てみましょう。近代日本の外交官に、小村寿太郎という人物がいます。彼は明治後半に日本の外交を主導し、日英同盟やポーツマス条約の締結、関税自主権の回復といった業績を残した傑物です。そんな彼が残したとされる言葉として、このようなものがあるそうで。
「外交官は、誠実と正直をモットーにしなくてはならない。生涯に一度は大きな嘘をつかなくてはいけないので、いつも嘘をついていると効き目がなくなってしまう」(『別冊歴史読本 日本の名家・名門人物系譜総覧』新人物往来社 259頁)
彼が実際にこうした発言をしたかどうかの真偽はともかく、内容は至言だと思います。嘘をつくのは、そうしないと生き抜けない時だけのための、最後の手段。そうでなければ、いざという時に非道な手すら打てなくなる。
世の中綺麗ごとだけでは済まないからこそ、どうしようもない時でなければまっとうな生き方をしなければならない。損得勘定からもそういう結論が出しうる、という話でした。実際、歴史を見ても謀略家として名高い人物は一定の成功を収めても、最終的な勝利者になるのは難しい印象がありますものね。裏表がある事が周囲にバレている時点で先行きは厳しい事が多い、という事なのかもしれません。
【参考文献】
『日本大百科全書』小学館
『世界の名著16マキアヴェリ』中央公論社
『別冊歴史読本 日本の名家・名門人物系譜総覧』新人物往来社
関連記事:
「にっくき相手にどのような言葉をかけるべきか~侮辱・罵声・恫喝は無益です~」
「「戦後日本の父」の言葉に耳を傾けよう~吉田茂『大磯随想』をみる~」
「「道徳」の必要最低限ラインについて考えてみる~人に悪意を向けて動くな、という事に尽きそう~」
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「引きこもりニート列伝その14 宮崎滔天・北一輝」(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/neet14.html)
「Otto Hintze 『国家組織と軍隊組織』 新装版 訳者解説・目次」
by trushbasket
| 2014-12-27 15:12
| NF








