2015年 11月 03日
戦国大名・宇喜多氏の「児島高徳末裔説」に関し少し詳細を
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こちらの事情で、今回更新が遅れました。すみません。
さて豊臣政権で五大老を務めた主要大名の中に、宇喜多氏という大名家があります。御存じの方も多いかと思いますが、備前児島を拠点とした豪族出身。宇喜多直家が主家・浦上氏から下剋上を果たし備前・美作・備中の大名となり、豊臣政権下で子の秀家が当主となったものの関ヶ原の敗戦で取り潰されています。この宇喜多氏、祖先が南朝の忠臣として知られる児島高徳だという話もある事は以前の記事で触れました。
まあ、児島高徳自体が事績に謎も多く実在性に疑問が持たれたりする人物なので、この伝承がどの程度真相を伝えているかは不明です。ただ、高徳も備前児島の三宅氏出身とされていますから、同様な出自であるとは言えるようです。今回、この言い伝えについてもう少し詳しく述べたいと思います。
『備前軍記』によれば、児島高徳は伊勢を経て三河国加茂郡へ移り、そこで男子三人をもうけたとか。すなわち太郎高秀、次郎高久・三郎高貞。宇喜多氏は嫡子である高秀の末裔だというのです。ただ、高秀から能家(直家の祖父)まで何世代でどういう人物が出たのか、いつから「宇喜多」を名乗るようになったかは明らかでない点も多いようです。
『児島志』は宇喜多氏を佐々木盛綱の末裔とし、「高徳―高秀―宇喜多土佐守信徳―久家―和泉守能家―興家―直家」という系譜を印しているようで。西大寺観音院の古文書によれば「宗家―久家―能家―興家―直家」と考えられるとか。文明二年(1470)の宇喜多修理進宗家による下知状や延徳四年(1492)の宇喜多蔵人久家による寄進状が残されているとのことです。
ある程度事績が明らかになるのは能家の時代になってからで、天文三年(1534)に彼が非業の死を遂げてから一時衰退するも直家の時代に興隆するのは冒頭で述べた通りです。
宇喜多氏の系譜には不明な点も多いようですが、南北朝の英雄にルーツを求めているあたり、南北朝好きの僕としては心惹かれるものがあります。
【参考文献】
岡山市編『岡山市史 第2』岡山市
『日本大百科全書』小学館
『大辞林』三省堂
関連記事:
「主要戦国大名家の祖先たち in 南北朝(前半)」、「(後半)」
「「南朝五忠臣」」
「補論 徂徠兵学の情報源となった戦場経験者について/軍学諸流派を論じる/国際比較に基づく軍法論」
宇喜多家に仕えた武士の話が。
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「児島高徳」
(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/kojima.html)
その他南北朝関連発表は
「南北朝関連発表まとめ」
を御参照下さい。
さて豊臣政権で五大老を務めた主要大名の中に、宇喜多氏という大名家があります。御存じの方も多いかと思いますが、備前児島を拠点とした豪族出身。宇喜多直家が主家・浦上氏から下剋上を果たし備前・美作・備中の大名となり、豊臣政権下で子の秀家が当主となったものの関ヶ原の敗戦で取り潰されています。この宇喜多氏、祖先が南朝の忠臣として知られる児島高徳だという話もある事は以前の記事で触れました。
関連記事:
「主要戦国大名家の祖先たち in 南北朝(後半)」
まあ、児島高徳自体が事績に謎も多く実在性に疑問が持たれたりする人物なので、この伝承がどの程度真相を伝えているかは不明です。ただ、高徳も備前児島の三宅氏出身とされていますから、同様な出自であるとは言えるようです。今回、この言い伝えについてもう少し詳しく述べたいと思います。
『備前軍記』によれば、児島高徳は伊勢を経て三河国加茂郡へ移り、そこで男子三人をもうけたとか。すなわち太郎高秀、次郎高久・三郎高貞。宇喜多氏は嫡子である高秀の末裔だというのです。ただ、高秀から能家(直家の祖父)まで何世代でどういう人物が出たのか、いつから「宇喜多」を名乗るようになったかは明らかでない点も多いようです。
『児島志』は宇喜多氏を佐々木盛綱の末裔とし、「高徳―高秀―宇喜多土佐守信徳―久家―和泉守能家―興家―直家」という系譜を印しているようで。西大寺観音院の古文書によれば「宗家―久家―能家―興家―直家」と考えられるとか。文明二年(1470)の宇喜多修理進宗家による下知状や延徳四年(1492)の宇喜多蔵人久家による寄進状が残されているとのことです。
ある程度事績が明らかになるのは能家の時代になってからで、天文三年(1534)に彼が非業の死を遂げてから一時衰退するも直家の時代に興隆するのは冒頭で述べた通りです。
宇喜多氏の系譜には不明な点も多いようですが、南北朝の英雄にルーツを求めているあたり、南北朝好きの僕としては心惹かれるものがあります。
【参考文献】
岡山市編『岡山市史 第2』岡山市
『日本大百科全書』小学館
『大辞林』三省堂
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「補論 徂徠兵学の情報源となった戦場経験者について/軍学諸流派を論じる/国際比較に基づく軍法論」
宇喜多家に仕えた武士の話が。
歴史研究会・とらっしゅばすけっと関連発表:
「児島高徳」
(http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/kojima.html)
その他南北朝関連発表は
「南北朝関連発表まとめ」
を御参照下さい。
by trushbasket
| 2015-11-03 22:42
| NF








