2015年 12月 01日
「名将ポイント」のように、得失点差で監督を評価する指標の話~クック理論、ヘンリー理論とコーチ理論~
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2015年プロ野球を論じる際、ネット上で「名将ポイント」という言葉が時に見られました。なんでも、阪神タイガースが得失点差で大きくマイナスになっているにもかかわらず優勝争いに加わるなど善戦していた事から、和田豊前監督の手腕を評価?するため作られた指標?だとか。何でも
で計算するんだそうです。
ところで、「名将ポイント」と同様に得失点差に着目して監督を評価する理論が実際にあるのは御存じでしょうか。今回は、それについてお話ししようかと思います。
1955年、ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキー氏は「1試合平均の得点と失点の差はチーム順位に比例する」(86頁)と述べました。以降、得失点差から監督の戦術手腕を評価する数式がいくつか生み出されたとか。その中で比較的有名なのがクック理論、ヘンリー理論、コーチ理論だそうです。
まずクック理論はアーンショウ・クック氏が理論的に勝率は
{(得点)/(失点)}×0.484
となると提案したもの。このクック氏、『パーセンテージ・ベースボール』という著書もある理論家だそうです。
ヘンリー理論は1987年にトム・ヘンリー氏が
(得点の二乗)/(得点の二乗+失点の二乗)が妥当な勝率
と提唱したものです。
一方、コーチ理論はアトランタ・ブレーブスのボブ・コーチ氏が
(年間得点)-(年間失点)→10点ごとに勝率5割プラス1勝に相当
と唱えたもの。
こうした指標が、戦力以上の勝ち星を挙げたかどうかの目安とされています。例えば、阪神・和田豊前監督の場合は
70勝71敗2分 .496 得点465 失点550
ですからクック理論から予測される勝率は.403、ヘンリー理論からは予測勝率.409、コーチ理論では予測勝率.434となります。コーチ理論では勝率5割からマイナス8勝という計算にもなります。
これらの値と実際の勝率を比べてみると、2015年の和田阪神は確かに得失点差から予測される以上の勝ち星を挙げていた事が分かります。これらの理論では、その差を監督の手腕によるものと評価する訳です。その観点からすれば、和田前監督を評価する向きも根拠ががあると言えるでしょう。「名将ポイント」の着眼点は、なかなかのものと見るべきかもしれません。
こちらでは阪神だけを対象にしましたが、興味のある方は贔屓球団等の計算も上記計算式でしてみてください。
ところで、これらの数式で導き出されるのは、監督評価の一面に過ぎません。手持ちの戦力から勝ち星を短期的に効率よく引き出すのも確かに重要な役割でしょうが、それ以外にも戦力を整えたり選手の力をうまく引き出したり次世代を育てたりするのも大事な任務です。その中で何が最優先されるかは、チーム事情によって異なるでしょう。今回紹介したこれらの計算式で評価されない監督さんの中でも、そうした観点から評価すべき人も多くいる事かと思います。
【参考文献】
『日本プロ野球昭和の名将 1936-1988』ベースボール・マガジン社
関連サイト:
「日本野球機構オフィシャルサイト」(http://www.npb.or.jp/)
得失点差÷[1 + {10 × (0.5 - 勝率) }]
で計算するんだそうです。
関連記事:
「新・なんJ用語集wiki」(http://wikiwiki.jp/livejupiter/?FrontPage)より
「名将ポイント」
(http://wikiwiki.jp/livejupiter/?%CC%BE%BE%AD%A5%DD%A5%A4%A5%F3%A5%C8)
ところで、「名将ポイント」と同様に得失点差に着目して監督を評価する理論が実際にあるのは御存じでしょうか。今回は、それについてお話ししようかと思います。
1955年、ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキー氏は「1試合平均の得点と失点の差はチーム順位に比例する」(86頁)と述べました。以降、得失点差から監督の戦術手腕を評価する数式がいくつか生み出されたとか。その中で比較的有名なのがクック理論、ヘンリー理論、コーチ理論だそうです。
まずクック理論はアーンショウ・クック氏が理論的に勝率は
{(得点)/(失点)}×0.484
となると提案したもの。このクック氏、『パーセンテージ・ベースボール』という著書もある理論家だそうです。
ヘンリー理論は1987年にトム・ヘンリー氏が
(得点の二乗)/(得点の二乗+失点の二乗)が妥当な勝率
と提唱したものです。
一方、コーチ理論はアトランタ・ブレーブスのボブ・コーチ氏が
(年間得点)-(年間失点)→10点ごとに勝率5割プラス1勝に相当
と唱えたもの。
こうした指標が、戦力以上の勝ち星を挙げたかどうかの目安とされています。例えば、阪神・和田豊前監督の場合は
70勝71敗2分 .496 得点465 失点550
ですからクック理論から予測される勝率は.403、ヘンリー理論からは予測勝率.409、コーチ理論では予測勝率.434となります。コーチ理論では勝率5割からマイナス8勝という計算にもなります。
これらの値と実際の勝率を比べてみると、2015年の和田阪神は確かに得失点差から予測される以上の勝ち星を挙げていた事が分かります。これらの理論では、その差を監督の手腕によるものと評価する訳です。その観点からすれば、和田前監督を評価する向きも根拠ががあると言えるでしょう。「名将ポイント」の着眼点は、なかなかのものと見るべきかもしれません。
こちらでは阪神だけを対象にしましたが、興味のある方は贔屓球団等の計算も上記計算式でしてみてください。
ところで、これらの数式で導き出されるのは、監督評価の一面に過ぎません。手持ちの戦力から勝ち星を短期的に効率よく引き出すのも確かに重要な役割でしょうが、それ以外にも戦力を整えたり選手の力をうまく引き出したり次世代を育てたりするのも大事な任務です。その中で何が最優先されるかは、チーム事情によって異なるでしょう。今回紹介したこれらの計算式で評価されない監督さんの中でも、そうした観点から評価すべき人も多くいる事かと思います。
【参考文献】
『日本プロ野球昭和の名将 1936-1988』ベースボール・マガジン社
関連サイト:
「日本野球機構オフィシャルサイト」(http://www.npb.or.jp/)
by trushbasket
| 2015-12-01 19:02
| NF








