2017年 02月 19日
酒という観点から見る、童貞偉人たちの姿~ある者は信仰のため禁欲、別の者は好みに合わず飲まない~
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どうも、松原左京です。
『童貞の世界史』で触れた童貞偉人たち。彼らの中には、信仰や使命感を動機として性愛を遠ざけた面々も少なからずいました。彼らは、そうした理由を有する以上、性愛以外でも禁欲的な生き様を貫く事も少なくなかったようです。そうした人は、酒も遠ざける傾向がある印象があります。
そこで今回は、酒も遠ざけたと思しき童貞偉人たち(※)を取り上げてみたいと思います。もっとも、『下戸の逸話事典』と『童貞の世界史』双方に登場する人物をピックアップした(※)だけですから、必ずしも禁欲が理由とは限りません。
そこで今回は、酒も遠ざけたと思しき童貞偉人たち(※)を取り上げてみたいと思います。もっとも、『下戸の逸話事典』と『童貞の世界史』双方に登場する人物をピックアップした(※)だけですから、必ずしも禁欲が理由とは限りません。
※ 一部、「厳密には童貞でないためコラムに登場する」人、本ブログの「『童貞の世界史』落選者列伝」に登場する人も扱っています。
・明恵
「間違いなく生涯不犯であった珍しい存在」として後世の碩学から語られた華厳宗の傑僧。酒に関しても案の定禁欲的でした。体調を崩した際、薬用として飲酒を医師から勧められた際もそれに応じなかったといいます。僧侶には「不飲酒戒」があり、明恵はこれを厳密に守っていた訳です。もっとも、実際には僧侶といえども酒を嗜む者は少なくありませんでした。それだけではなく、空海が治療のためであれば塩酒の使用を許したという話もあったそうですから、明恵の持戒ぶりが異例のレベルであった事は推して知るべし。
「間違いなく生涯不犯であった珍しい存在」として後世の碩学から語られた華厳宗の傑僧。酒に関しても案の定禁欲的でした。体調を崩した際、薬用として飲酒を医師から勧められた際もそれに応じなかったといいます。僧侶には「不飲酒戒」があり、明恵はこれを厳密に守っていた訳です。もっとも、実際には僧侶といえども酒を嗜む者は少なくありませんでした。それだけではなく、空海が治療のためであれば塩酒の使用を許したという話もあったそうですから、明恵の持戒ぶりが異例のレベルであった事は推して知るべし。
・村田了阿
出家者として生涯不犯を通した国学者は、貰って困るものの一つとして酒を挙げています。なお、甘党だったのか菓子・砂糖については貰って嬉しいものと述べていますから、酒を遠ざけたのは禁欲の為だったのかは疑問の余地もありそうです。体質的に飲めないからだったのかもしれません。
出家者として生涯不犯を通した国学者は、貰って困るものの一つとして酒を挙げています。なお、甘党だったのか菓子・砂糖については貰って嬉しいものと述べていますから、酒を遠ざけたのは禁欲の為だったのかは疑問の余地もありそうです。体質的に飲めないからだったのかもしれません。
・吉田松陰
明治維新の担い手を多く育てた教育者。酒や煙草とも縁遠かったとされています。特に嫌煙主義者であったとか。もっとも酒はやむを得ない場合には少し口にしたともいいます。
明治維新の担い手を多く育てた教育者。酒や煙草とも縁遠かったとされています。特に嫌煙主義者であったとか。もっとも酒はやむを得ない場合には少し口にしたともいいます。
※玉松操
本書では証拠不十分のため取り上げませんでしたが、やはり生涯独身を通した維新志士です。岩倉具視の知恵袋として活躍しました。井上毅は彼について、「酒肉を嗜まず」と証言しており、酒も遠ざけた禁欲的な人物だった事が分かります。
本書では証拠不十分のため取り上げませんでしたが、やはり生涯独身を通した維新志士です。岩倉具視の知恵袋として活躍しました。井上毅は彼について、「酒肉を嗜まず」と証言しており、酒も遠ざけた禁欲的な人物だった事が分かります。
・橋本凝胤
奈良の観光化に大きく貢献した昭和の傑僧は、酒についても「飲まない方が良い」と述べています。
奈良の観光化に大きく貢献した昭和の傑僧は、酒についても「飲まない方が良い」と述べています。
なお、『下戸の逸話事典』には登場しませんが河口慧海・渡辺海旭も戒律に従い禁酒していました。
※エパメイノンダス
少年愛を好んだ一方で、女性を遠ざけたという古代ギリシアの名将。酩酊を有害と考えたのか、酒を遠ざけたと言われています。
少年愛を好んだ一方で、女性を遠ざけたという古代ギリシアの名将。酩酊を有害と考えたのか、酒を遠ざけたと言われています。
・ニュートン
無性愛ともされる大科学者に関して、後世のケイムズ卿は「スピノザもニュートンも酒は飲まなかった」と述べています。ただし、彼の小遣い帳には居酒屋の支払いに関する記述もあるらしく、彼が実際に酒と縁がなかったかは疑問の余地もあるようです。
無性愛ともされる大科学者に関して、後世のケイムズ卿は「スピノザもニュートンも酒は飲まなかった」と述べています。ただし、彼の小遣い帳には居酒屋の支払いに関する記述もあるらしく、彼が実際に酒と縁がなかったかは疑問の余地もあるようです。
・フリードリヒ大王
プロイセンを強国として成長させた名君。戦術指揮官としても傑出していた人物です。彼は全く酒を遠ざけた訳ではなく、ワインやシャンパンは多少飲んだそうです。ただし、嗜む程度にとどめていたとも言います。なお、ドイツの君主としては意外な話ですが、ビールは嫌いだったとか。
プロイセンを強国として成長させた名君。戦術指揮官としても傑出していた人物です。彼は全く酒を遠ざけた訳ではなく、ワインやシャンパンは多少飲んだそうです。ただし、嗜む程度にとどめていたとも言います。なお、ドイツの君主としては意外な話ですが、ビールは嫌いだったとか。
・ロベスピエール
フランス革命における大立者の一人。恐怖政治期を代表する指導者として知られています。酒も煙草も嗜まない禁欲的な人物で、金にもこだわらず規則正しい生活をしたと言われています。
フランス革命における大立者の一人。恐怖政治期を代表する指導者として知られています。酒も煙草も嗜まない禁欲的な人物で、金にもこだわらず規則正しい生活をしたと言われています。
・サラザール
一時はポルトガル経済再建に成功した独裁者。禁欲的な生活に終始し、酒も遠ざけたと言われています。
一時はポルトガル経済再建に成功した独裁者。禁欲的な生活に終始し、酒も遠ざけたと言われています。
なお、『下戸の逸話事典』には登場しませんがマーニー(マニ教教祖)も教えとして酒を禁じ、ウィリアム・ウォーカー(中米に戦乱を巻き起こしたアメリカの冒険家)も飲酒を嫌ったといいます。他にも酒を嫌った童貞偉人はいるかもしれません。もちろん、逆に酒好きの童貞偉人も存在しており、英国宰相であった小ピットはその代表選手といえそうです。
酒も性愛も遠ざけた偉人たちの事情を見ると、禁欲的な人もいますが単に個人の好き嫌いレベルと思しき例もありますね。また酒を遠ざける程度についても、全く飲まない人から少し嗜む事はあった人もいて、こちらも様々。性愛を遠ざける理由が多様なのと同様、酒を飲まない訳も色々あるようです。
そういえば、この頃の若者に関して「恋愛離れ」だけでなく「酒離れ」も云々されているようですね。事実かどうかはともかくとして。そして、それはしばしば困惑、時には非難の色合いをもって語られているように思います。今に限らず、昔からそういった人は「面白みがない」などと言われる傾向がありますね。けれど、それ自体は別に悪いことではないはず。別に、他人を興がらせるため生きている訳でもないですしね。人の道に外れず他人に押しつけるのでない限り、堂々としていれば良いのではないでしょうか。事実、今回取り上げた偉人たちは、「独りで始終素面で生きて何が悪い」と我々に語りかけているように思えてなりません。
参考文献:
鈴木眞哉『下戸の逸話事典』東京堂出版
松原左京・山田昌弘『童貞の世界史』パブリブ
鈴木眞哉『下戸の逸話事典』東京堂出版
松原左京・山田昌弘『童貞の世界史』パブリブ
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by trushbasket
| 2017-02-19 11:47
| 松原左京









