2017年 05月 21日
『童貞の世界史』拾遺 その3 江馬細香~師との結ばれなかった愛に殉じた女性詩人~
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どうも、松原左京です。今回の『童貞の世界史』拾遺は、徳川時代後期の女性漢詩人・江馬細香(1787-1861)を扱います。
細香は美濃(現在の岐阜県)で蘭方医・江馬蘭斎を父として生まれました。浦上春琴らに絵を学び、墨竹の絵を得意としたそうです。更に漢詩を学んだのは当時を代表する文人であった頼山陽。山陽が美濃を訪れた際に邂逅したのだとか。これを縁として山陽の薫陶を受け、やがて二人は相思の仲となったようです。しかし、二人が結ばれる事はありませんでした。父が山陽との結婚を認めなかったとも言われています。
その結果、細香は江馬の家を妹・柘植子に養子をとらせることで継がせ、自身は生涯独身を通しました。下田歌子によれば、「自分は一生童貞」(下田歌子『下田歌子著作集 香雪叢書 第三巻』実践女学校出版部 96頁)であったという事です。
山陽との愛は実りませんでしたが、彼の指導により細香の詩人としての名声は高いものがあったそうです。梁川星巌やその妻・紅蘭らと共に白鴎社という団体を結成し、漢詩壇に影響力を有しています。その作風は繊細で濃艶とされ、作品は『湘夢遺稿』にまとめられています。
参考文献:
下田歌子『下田歌子著作集 香雪叢書 第三巻』実践女学校出版部
『日本大百科全書』小学館
『日本人名大辞典』講談社
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by trushbasket
| 2017-05-21 11:28
| 松原左京









