2017年 08月 05日
『童貞の世界史』落選者列伝 坂田金時~主君への忠誠がすべて、子孫を残すのに興味なし?~
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どうも、松原左京です。今回の落選者列伝は、坂田金時(生没年不詳)を扱います。童話「金太郎」のモデル、と申し上げればお分かりになるのではないかと。もっとも、話題のゲームにキャラクターとして登場したり、人気漫画における主人公の名の由来になったりもしているようですから、名に聞き覚えがある方は多いのではないでしょうか。
坂田金時は、平安時代の武将・源頼光に仕えた人物です。生涯の概要は通俗史書『前太平記』などに記されています。詳細は、以前に扱った記事がありますのでそちらを。
渡辺綱らと共に「頼光四天王」に数えられており、名の知れた剛の者と見てよいでしょう。相模国足柄山で生まれ、熊と相撲を取ったりしながら成長。頼光に見いだされて臣下となり、彼の下で数々の武勇伝を残したと言われています。有名な事例を挙げると、妖怪からの禁門の守衛や頼光を狙った土蜘蛛の退治、大江山の酒呑童子討伐などがあります。主君が没した後は、姿をくらまし消息不明となりました。
なお、『前太平記』は以下のような話も伝えています。金時は主君から妻帯を勧められた際、「子孫を残しても優れた子が生まれるとは限らない。それなら、むしろ主君にすべてを捧げる事を選びたい」と答え「一生妻女を具せざりけり」という事です。子孫を残さない、という理由で結婚しなかった以上は、そうした関係を持たなかった可能性が十分ありそうです。ただし、『前太平記』は江戸時代に成立した書物であり、史実としての信憑性には問題があります。
とはいえ、金時の息子という設定の坂田金平なる人物を題材にした後世の創作物語もあるようですが、これは余談。
参考文献:
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『今古実録 前太平記 巻之四』栄泉社
『謡曲通解』大和田建樹編 博文館
『御伽草子』今泉定介/畠山健校定 吉川半七
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実は、金時の事績については、生涯童貞の可能性も含め、こちらで分かりやすくまとまっています。実在ではあったようです。
通俗史書に記された内容のイメージが強い点も金時と共通。
妻子がないはずなのに「孫」が活躍する物語もある、金田一耕助という人もいます。金時と金平を思わせるものがあります。
by trushbasket
| 2017-08-05 10:07
| 松原左京









