どうも、松原左京です。『童貞の世界史』を出版させていただいたパブリブより、先日興味深い新著が登場しました。その名も『第二帝国』(伸井太一編著)。
関連サイト:
「パブリブ」(http://publibjp.com/)より
「伸井太一編著『第二帝国』上下二巻同時発売します。」(http://publibjp.com/20170919)
伸井氏は、冷戦期の東西ドイツ(主に東)を題材にした『ニセドイツ』シリーズでも知られた方です。今回題材となっている「第二帝国」というのは、第一次大戦終了まで存続したドイツ帝国の事。皇帝ウィルヘルム1世や宰相ビスマルク、参謀総長モルトケなどで知られるあの国です。本書では、このドイツ帝国を様々な側面から上下巻構成で概観しています。実際に扱われている話題を覗いてみれば…。
まずは帝室であったホーエンツォレルン家から始まり、帝国を構成していた領邦、帝国を統治した政治家たち。そして当時に勃興していた工業・サービス業をはじめとする各種産業。他にも当時の都市を彩った建築や記念碑、人々が従事した娯楽や新製品、社会活動。更に、植民地や第一次大戦で活躍した兵器にも結構な頁を割いていました。ドイツ軍を象徴するあのヘルメットの由来にも言及がありましたよ。
そんな感じで、ハードウェアからソフトウェアまで、幅広い視点でドイツ帝国時代を捉えています。
工業大国・技術立国としてのドイツ、近代社会としてのドイツがこの時代に生まれた事が改めて認識できます。壮麗な君主制国家であると同時に、産業・社会面ではまさしく近現代の入り口であった興深い時代です。そしていわゆる「第三帝国」や戦後東西ドイツに与えた影響についても論じられています。
ドイツを語る上で、帝政時代は外せません。この『第二帝国』、ドイツ好きにとっては必読と言えるのではないでしょうか。
世界史に興味のある方は、同じくパブリブから出版されました『童貞の世界史』もご参照いただけますと幸いです。なお、第二帝国時代のドイツを経験した童貞偉人には、エミー・ネーターやロベルト・ワルザー、オットー・ワールブルクがいます。