2018年 04月 22日
『童貞の世界史』落選者列伝 卑弥呼~古代日本の、謎の多い女王~
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どうも、松原左京です。今回は、日本古代に君臨したとされる女王・卑弥呼(生没年不詳)を落選者列伝で扱ってみます。
卑弥呼については、御存じの方も多いと思いますが一応。彼女は、三世紀頃に日本列島(倭国)に存在した国家・邪馬台国を統治した女王です。二世紀後半に倭国で戦乱が続いた末、各国がそれを収束させるため協議し彼女を推戴したとされています。邪馬台国は七万戸余りを有する大国であり、卑弥呼は呪術的な能力で国を統治していたと伝えられています。また、卑弥呼は中国大陸の魏王朝に使節を送り、親魏倭王の称号や金印を与えられた事でも知られています。
ただし、彼女に関する記録は中国史書『三国志』のみであり、邪馬台国に関しては所在地も含め多くが謎に包まれています。
推戴されるや、長きにわたり戦乱に陥っていた国々を何らかの手段でまとめ上げ大国を統治した卑弥呼。当時の倭国における傑物であったのは間違いないと思われます。その謎の多さもあいまって、邪馬台国や卑弥呼は、現代の我々にもロマンをかき立てる存在となっています。
そんな女王・卑弥呼ですが、史書に
年已長大無夫聟(石原道博編訳『新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝 中国正史日本伝(1)』岩波文庫
112頁)
とあるように、独身であった事も知られています。
そのためか、「一生童貞の卑弥呼」(宮井義雄『日本神話の世界の形成』春秋社 325頁)と称する書物もあったりします。ただし、それをすんなり受け取るのは問題があるかもしれません。
巫女が純潔を建前としている事は『童貞の世界史』でも述べた通りですが、実態がどうかはケースバイケースなのもまた、本書で触れた通りです。それだけに、卑弥呼が実際の所はどうだったのかは、頼れる史料が『三国志』中のいわゆる「魏志倭人伝」しか無い以上、知るよしもありません。
謎の多い人物で、後世に生涯不犯伝説があるケースを『童貞の世界史』で「童貞偉人」として取り上げた事例はあります。ただし、それも現在からすれば十分昔に不犯伝説が生じたもので、そうした伝説が生じた事自体が興味深いと思われたケースでした。今回はそれに当てはまるかと言えば、微妙なところ。という訳で、流石に厳しいと判断し採用見送りとなりました。
参考文献:
石原道博編訳『新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝 中国正史日本伝(1)』岩波文庫
宮井義雄『日本神話の世界の形成』春秋社
『朝日日本歴史人物事典』朝日新聞出版
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魏から見ても、邪馬台国は結構大きかった可能性があるそうで。
女王・女帝といっても色々のようです。
『天地を喰らうⅡ』で、何と卑弥呼が登場するそうです。
by trushbasket
| 2018-04-22 21:02
| 松原左京









