一休宗純の自賛漢詩を鑑賞する~東西南北めったうち?~
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関連サイト:
「NHKオンライン」(http://www4.nhk.or.jp/)より
「オトナの一休さん」(http://www4.nhk.or.jp/P4039/)
関連サイト:
「nippon.com」(https://www.nippon.com/ja/index.html)より
「伊野孝行『オトナの一休さん』:大徳寺真珠庵「襖絵プロジェクト」絵師紹介(6)」(https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu012007/)
風狂狂客起狂風
来往婬坊酒肆中
具眼衲僧誰一拶
画南画北画西東
(『群書類従 一二下』八木書店 551頁)
<読み下し>
風狂の狂客、狂風を起す、
来往す、婬坊、酒肆の中、
具眼の衲僧、誰か一拶、
南を画し、北を画し、西東を画す。
(柳田聖山訳『一休宗純 狂雲集』中公クラシックス 70頁)
<超意訳>
常識外れな客人が、常識外れの風を巻き起こす。
行き来するのは、女郎屋や酒場の中だ。
眼力のあるらしき禅僧よ、誰でも問答を仕掛けてくるがよい。
東西南北をめったうちしても、空回りして我が正体はつかめんぞ。
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語句の解説です。
・具眼:物事の本質を見抜く眼力があること。
・衲僧:「衲衣」を身につけた者。特に禅僧。「衲衣」とは人が捨てたぼろを縫って作った袈裟を刺します。ただし、実際には華美になり我が国では綾・錦など七幅の布を縫い合わせたものだったとか。
・拶:迫る事。「挨拶」とは、元来は禅宗で悟りの深さを知るため押し問答する事を意味していたとか。ちなみに「挨」は押すという意味があります。
『群書類従 一二下』八木書店
柳田聖山訳『一休宗純 狂雲集』中公クラシックス
『大辞泉』小学館