<読書案内>坂井孝一『承久の乱』中公新書
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2018年 12月 26日
この頃は、ありがたいことに室町時代を中心として日本中世史ブームが続いています。中公新書は、『応仁の乱』『観応の擾乱』などでその牽引役となったレーベルといえるでしょう。その中公新書から、この年末に新たに出た一冊が今回取り上げる坂井孝一『承久の乱』(中公新書)。この一冊も例によって、近年の研究成果をもって従来のイメージを塗り替える内容となっています。 後鳥羽院と源実朝という、才覚溢れたリーダーを得て協調関係を築きつつあった京と鎌倉。そこに勃発した予期せざる凶刃。そこから始まった両陣営の不協和音と、そして破局。朝廷と武家の力関係を明らかに逆転させ、日本史の流れを大きく変えたこの戦乱について、院政のおこりから書き起こした一冊です。どのようないきさつで戦乱にいたったか、この戦乱でなにがどう変わったのか。最新の学説でそれがどう捉えられているかをわかりやすく覗ける一品かと思います。 後鳥羽は、実朝は、どのような人物でどのような国家像を有していたのか。北条義時を始めとする鎌倉有力者たちは、どのような思惑を持っていたのか。実朝暗殺の理由とは。後鳥羽が挙兵に踏み切った理由と、実際的な見通しはどうだったのか。従来のイメージが主に入れ替わるのは、主にこの辺りではないかと思います。 そして最新研究を踏まえた上で、、勝敗を分けたポイントは何かも、当然推測されています。才覚に恵まれた偉大な個性でも、限界がある。時代の流れをつかめなければ、如何に偉大な個人でも抗えない。そういった感懐も去来しました。 「武者の世」の歴史を知っておく上では、目を通しておくべき一編ではないかと思います。
by trushbasket
| 2018-12-26 20:07
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