本日から、皇位継承に伴い元号も「令和」に替わりましたね。光格天皇譲位以来の「上皇」誕生等々は歴史的にも色々と興味深いものがありますし、個人的には何とはなしに気分が入れ替わるような感じはいたします。かつて折口信夫は『古代人の思考の基礎』で「天皇は一年限りの暦を持つて居られ、一年毎に総てのものが、元に戻り、復活すると言ふ信仰」が古代にはあったと述べていますが、何となく分かる気がいたします。実際に変わるかはともかく、精神状態を一新して出直す契機を欲した一面はあったのでしょうね、昔の改元も。
ともあれ、祝賀モード、お祭りモードの中で「新時代」を迎えるというのも、良いものです。過ぎにし平成の世は、様々な試練にも直面し厳しい日々を余儀なくされたのは否めません。それでも、世の中が少しずつ前に進んでいる面はあると思いますし、そう信じたいところです。新たな「令和」の時代が、良いものである事を祈りますし、そうなるよう努めたいとも思います。とりあえず、月並みながら。
『世界大百科事典』平凡社