2020年 04月 22日
<言葉>「生死事大」〜終わりがいつか分からないから、一刻も早く迷いを捨てて〜
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人間の命は儚いもので、終わりがいつ来るかわからない。そんな思いをさせられる事の多い時代になりましたね。遺憾ながら。今回は、それを踏まえた言葉をご紹介しようかと存じます。
あちこちの寺院には板木をかけ、打ち鳴らす習慣があるようです。その板木には、
生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸
と書かれているとか。
『六祖壇経』や『圜悟心要』にも「生死事大 無常迅速」の記述があり、また単に「生死事大」だけで用いられる事も。
「生死事大」とは、生き死にを輪廻で繰り返す間、その迷いを打ち払うのは今生きているこの時をおいて他はない。それに勝る重要事はない。そういう意味だそうです。「生死一大事」と言ったりもします。
そして「無常迅速」は、人の世は常ならずすぐに移り変わってしまう、という意味。
つまり、寺の板木に書かれている言葉は、
生き死にに関する迷いを打ち払う機会は、生きている今をおいてないぞ。ぼやぼやするな。不要不急な些事にかまけるな。世の中というのは、常ならずすぐに移り変わってしまうのだから。各々、ちゃんとそれに目覚めよ、節度のない生き方をしてはいかんぞ。
そんなニュアンスになりますね。こんな時だからこそ、いつ終わりが来ても悔いなき生き方でありたいものです。難しいですけどね。
【参考文献】
『精選版 日本国語大辞典』小学館
無着成恭『忸怩戒』Mizushobo
古川久『夏目漱石辞典』東京堂出版
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by trushbasket
| 2020-04-22 19:31
| NF








