2020年 05月 21日
<読書案内>中村孝也『楠公遺芳』〜歴代楠木正成愛好者たちによる、漢詩と和歌のアンソロジー〜
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久々に、今回は読書案内をしてみたいと思います。たまには、憂世を忘れた話をしないと気が滅入りますしね。という訳で、今回のお題は中村孝也『楠公遺芳』(大楠公六百年大祭奉賛会)。中村孝也は、東京帝国大学教授も歴任した日本史学者です。専門は徳川時代で『徳川家康文書の研究』が代表作ですが、南北朝を題材にしたものにも『北畠顕家卿』があります。
さて。出版元から分かるように、本書は楠木正成が湊川合戦で討死した六百年を記念して出版された一品です。内容はといえば、徳川時代から出版当時にいたるまで儒者や文人、国学者、志士といった様々な人々が正成やその事績を題材にした漢詩・漢文・和歌を集めたもの。
このブログでかつてご紹介した、この詩とかあの詩とか、この長歌なんかも、収録されていますよ。なお後半は、同時代の有志が六百年記念のため作った詩歌がメイン。
あえて難を挙げるなら。惜しむらくは、近代日本屈指の漢詩人であられた大正天皇の御製がなかった事ですが、時代が時代ですし、まあ恐れ多いとか色々憚りがあったんでしょうかね…。
関連サイト:
「詩詞世界」(http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/index.htm)
「望金剛山有感於楠正成」(http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi4_08/jpn294.htm)
大正天皇が正成の事績を偲んだ御製。
それでも、収載された作品数、作者数はかなりのもの。それだけに、日本漢詩好きの人は、見つけたら手に取ってみる価値ありの一冊かと思います。
【参考文献】
『20世紀日本人名事典』日外アソシエーツ
中村孝也『楠公遺芳』大楠公六百年大祭奉賛会
※2020/6/3 誤字修正。
by trushbasket
| 2020-05-21 20:27
| NF








