2020年 05月 27日
<言葉>「柳緑花紅」〜それぞれの持ち味を活かして〜
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新型コロナウイルスへの対処で人間世界が大騒ぎの間も、季節はこれまで同様に移り、自然は常の通りな営みを見せています。
それを念頭に置き、「柳緑花紅」という言葉を今回は見てみます。
北宋を代表する文人にして政治家・蘇軾が残した詩文「柳緑花紅真面目」が出典だそうで。
柳は緑色の葉を出し、花は真紅の彩りを見せる。ごく当然に思える自然の有り様であると共に、それぞれ異なった形での道理がある事を示してくれる言葉。辞書の類にはそう記されています。
自然だけでなく、我々人間もまた、何が自然な形かは異なります。ありのままで良い、なんて耳障りの良い事は申しませんが、持ち味の活かし方は、人それぞれだ、と申し上げる事は妥当性があるかと。
なお、この言葉には、柳が青く花が赤いのは一見すると当たり前だが、その「あるがままのものが、あるがままに見えてくる」には「一度徹底的に疑い、否定し、模索してみなければならない」(有馬頼底著『やさしくわかる茶席の禅語』世界文化社 116頁)という解釈もあるようです。
同じ言葉でも、見る角度によって、様々な解釈が生まれるものですね。どれも、素人の僕にはそれらしく思われるのも面白いところ。
それはさておき、この言葉、春が過ぎて夏に移り変わるこの時期に合っている気がしたので、ご紹介した次第です。
【参考文献】
『日本国語大辞典』小学館
『大辞泉』小学館
有馬頼底著『やさしくわかる茶席の禅語』世界文化社
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by trushbasket
| 2020-05-27 19:51
| NF








