2020年 10月 07日
大河ドラマと歴代「大石良雄」「浅野長矩」「吉良義央」〜かつては人気コンテンツだった〜
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大河ドラマの歴史の中で、複数回主役を演じた人は何人かいます。織田信長、徳川家康、平清盛、坂本龍馬…。しかし、3回主役を務めたのは現時点では一人だけ。それこそが、大石良雄です。
大石良雄は、元禄赤穂事件の大立者というべき人物です。元禄十四年(1701)三月十四日、江戸城における勅使接待の場での事。接待役である赤穂藩主浅野長矩が指南役である吉良義央に斬りつけ、その科で切腹。赤穂浅野家は改易となります。浅野が吉良に遺恨を持ったとも言われますが、刃傷沙汰となった理由は不明。そして翌年十二月十四日、赤穂藩家老であった大石に率いられた赤穂藩旧臣47人が主君の仇討と称して吉良邸に討ち入り、吉良義央を討ち取りました。浪士たちは最終的に切腹となりましたが、忠臣・義士として後世まで称えられました。これが事件のあらましです。
この事件は『仮名手本忠臣蔵』を始め様々な作品の題材とされ、人気を博してきました。効果著しいとされる漢方薬に因んで「独参湯」と呼ばれたように、いつ演じても当たる演目と見做された時期もありました。忠義の臣たちが多くの理不尽や苦労に絶え、最後に本懐を遂げる、という展開が観客たちの溜飲を下げさせるものであったのでしょう。近代以降でも真山青果『元禄忠臣蔵』など赤穂事件を題材にした作品群があります。
大河ドラマで大石が主役3回という異例の扱いを受けてきたのも、そうした伝統的人気の現れと言えるでしょう。ただし、近年は様子が変わっているようで今世紀に入ってからは今のところ大河で取り上げられず、年末に話題になる事も少なくなっているようです。
さて、歴代大河ドラマにおける大石良雄と浅野長矩、吉良義央を演じた人々は以下の通りです。なお、その作品における最終形態を演じたお一人に代表しています。例によって情報源はWikipediaなので、話半分にてご覧いただければ幸いです。※は、主役である事を意味します。
1964年 『赤穂浪士』
大石 長谷川一夫※
浅野 尾上梅幸
吉良 滝沢修
1975年 『元禄太平記』
大石 江森徹
浅野 片岡孝夫
吉良 小沢栄太郎
(主人公は石坂浩二演じる柳沢吉保)
1982年 『峠の群像』
大石 緒形拳※
浅野 隆大介
吉良 伊丹十三
1995年 『八代将軍吉宗』
浅野 隆大介
吉良 柳生博
1999年 『元禄繚乱』
大石 五代目中村勘九郎※
浅野 東山紀之
吉良 石坂浩二
大石良雄は四回かつ四人、浅野長矩は五回(四人)、吉良義央は五回かつ五人。なお冒頭で述べた通り大石は、2020年現在では唯一、大河ドラマ主作を三回以上務めた人物です。大河登場回数は多いとはいえないのを考えると、驚きの数字。登場した際の主役率75%ですからね。
かつて人気ジャンルであった彼らの存在を鑑みるに、とある歴史人物の大河ドラマ登場が4回以上なら「そこそこ多い」と言えるかも。少なくとも「少なくはない」。無論、倍の8回を超えたなら「多い」と言い切って良いのかも。坂本龍馬や維新三傑といった有名どころが10回強ですし。では、更に倍の16回を超えたら?これはもう「大河の常連」としか言いようがなさそうです。実際、戦国三英傑クラスの数字ですからね、これ。「忠臣蔵」絡みの3人は、大河登場回数に関する一つのバロメーターとして使えなくもないかもです。
【参考文献】
『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ロゴヴィスタ
『日本大百科全書』小学館
『大辞泉』小学館
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大昔の記事なので、考え方が変わった部分もありますが、参考までに。
徳川綱吉の出番がそこそこ多いのも、「忠臣蔵」ものによるものかと。
※2020/10/8 初歩的な誤字があったので修正。
by trushbasket
| 2020-10-07 21:26
| NF








