2021年 03月 13日
大正天皇御製漢詩「駐春閣」を鑑賞する〜今年も、春が来ました〜
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日によっては寒さが残るとはいえ、段々と春らしくなってきました。で、それはそれとして今週はネタに困ってます。という訳で、またも大正天皇御製漢詩にお縋りする事といたします。ちょうど、春到来を詠じた作品がありますし。題は「駐春閣」、即位まもない大正二年の作品です。
駐春閣
東風料峭帯余寒
禁苑斑斑雪尚残
今日来登駐春閣
早梅花白映欄干
東風料峭 余寒を帯ぶ
禁苑 斑斑 雪尚残す
今日来たり登る 駐春閣
早梅花白くして 欄干に映ず
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 133頁)
〈超意訳〉
東から吹く春風はまだ肌寒く、
宮中の庭園には今もなお雪がまだらに残っている。
今日、駐春閣に来て登ってみると、
早咲きの梅が白く、欄干に映えている。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。こちらのサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
○○●●●○◎
●●○○●●◎
○●○○●○●
●○○●●○◎
韻脚は「寒、残、干」の上平声十四寒。転句の下三文字が●○●になっているのは、挟平格です。
以下、語句解説です。
・駐春閣
吹上御殿に建てられた和風二階建て。赤坂離宮の遷錦閣を模したものだそうです。
・料峭
春風が肌寒く感じられる様子。料は「撫でる」、峭は「厳しい」。
・余寒
立春後の寒さ。
・禁苑
宮中の庭園。禁園。
・斑斑
まだらな様子。
・早梅
早咲きの梅。
・欄干
階段などについた手すり。
この記事を投下した今はといえば、寒さがまだ残ってはいますが梅も見頃過ぎになりつつありますから、厳密にはこの詩を味わうには少し遅いのかもですけどね。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
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by trushbasket
| 2021-03-13 19:24
| NF








