2021年 07月 12日
「七夕ぼっち」な歌 by 紀貫之 in 『新古今和歌集』〜和歌のテーマとしては「あるある」だったのかも〜
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早いもので、今年ももう七夕も過ぎました。さて。七夕といえば。以前、いわば「七夕ぼっち」というべき境地を嘆く和歌についてご紹介した事がありました。
ご存知の通り、七夕は天上で織姫・彦星夫婦が年一度の逢瀬を果たせる日。それと引き比べ、相手がおらず独り寝の我が身を嘆く内容の歌でありました。
同様の内容の歌を紀貫之が残し、それが鎌倉初期の『新古今和歌集』に収載されていますので、今回はそれをちとご紹介しょうかと。問題の和歌は、新古今和歌集巻第四 秋歌上(有名な「三夕の歌」が並んで収載されている巻でもあります)に載せられています。
延喜七年月次屏風に
紀貫之
おほ空を 我もなかめて ひこほしの
妻待夜さへ ひとりかもねん
〈超意訳〉
大空を私も眺めて物思いに耽る。
彦星が妻・織姫と逢えるのを待つという夜でさえ、独り寝する我が身の悲しさよ。
この「七夕ぼっち」、七夕を題材とする和歌のテーマとしては定番とまでいかずとも割に「あるある」なモチーフだったのかも知れませんな。無論、歌の詠み手が実際に「七夕ぼっち」だったかどうかは別問題で。
【参考文献】
『新古今和歌集 上之一』吉田四郎右衛門尉刊行
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by trushbasket
| 2021-07-12 00:16
| NF








