2021年 09月 23日
〈読書案内〉野口実編著『図説 鎌倉北条氏』
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戎光祥出版がこの頃、実に攻めたラインナップの日本中世史関連の図説を立て続けに出してくれているのは嬉しい限りです。その中で今回取り上げるのは野口実編著『図説 鎌倉北条氏』。
前史、歴代得宗、主な分家、家々の職責、北条氏の武家社会全体や公家との関係性の変遷、北条氏と関わった有力者氏族などさまざまな視点から解き明かしてくれます。
時政以前の北条氏も、決して現地の勢力は大きくなかったものの単純な弱小一族ではなく中央とのコネで相応に存在感を有していたという話は重要。その後の躍進に小さからぬ影響を与えた要素と思われます。
あと、得宗のどの世代でも政治抗争がつきものだったのを改めて認識し、よくぞ百数十年持ち堪えたものだとその絶え間ない努力に頭が下がる思いをさせられました。
更に将軍家との関係性の変遷、各分家の経歴と家格も見逃せない事実。一口に「北条」といっても分家がここまで多く、どこまで栄達できる家かも色々。その辺は朝廷貴族とも似ていますね。
更に北条との関わりの中で族滅した家、北条と結んで発展した家など関東武家も色々です。鎌倉期を語る上で北条氏を外せないのは周知の事実。それだけに多面的に概要を知る上で有用な一冊かと。
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by trushbasket
| 2021-09-23 18:13
| NF








