2021年 10月 24日
大正天皇御製漢詩、議会をうたう〜『臨議會有感』
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現在、我が国は衆議院議員選挙の最中。政権の行方に直結する選挙ですから、非常に重要なものと言えるでしょう。さて、今回は例によって大正天皇御製漢詩の中から、議会をうたった作品を取り上げたいと思います。大正四年の作で、題は『臨議會有感』。では、見てみましょう。
臨議會有感
外交内治重經綸
國運興隆逐歲新
賴有臣民能議政
和衷協贊竭精神
議会に臨んで感有り
外交内治 経綸を重んず
国運興隆 歳を逐うて新たなり
頼(さいわ)いに臣民の能く政を議するあり
和衷協賛 精神を竭くす
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 233頁)
〈超意訳〉
議会に臨場して思った事
外交も内政も、国家を整える施策が大事。
我が国の勢いは、年をおうごとに盛んになっている。
ありがたい事にしっかり政治を議論できる臣民がいて、
仲良く力を合わせるよう心を尽くしてくれているからだ。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
●○●●△○◎
●●△○●●◎
●●○○○●●
○△●●●○◎
韻脚は「綸、新、神」の上平声十一真。
以下、語句解説です。
・内治
内政のこと。
・経綸
天下を統治する事、その施策。経は縦糸の事で、綸とは絹糸を撚り合わせた紐の事。元来は糸を整える意味であったが、同様にして繊細かつ巧みに国を整える、というニュアンスか。
・逐
追う。順を追って進む。
・頼
さいわいにして。期待される、頼もしいといったニュアンスからか。
・和衷
心の底から和むこと。
・協賛
力を合わせて助けること。
・竭
尽と同じ。つくす、つきる。
この詩、実際のようすをうたったというより「かくあれかし」という祈りを込めたもの、と見るべきなのかもですね。さて、令和の議会はどのようになっていく事でしょうか。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
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