2021年 12月 12日
大正天皇御製漢詩『冬至』
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早いもので、もう今年も残りは20日を切りました。という訳で、年末にふさわしい大正天皇御製漢詩を今回は取り上げようかと。皇太子時代の明治三十四年に詠まれた『冬至』という詩です。
冬至
木葉紛紛散有聲
待看明歲競春榮
可知天地陰窮處
來復一陽今日生
木葉紛紛として散じて声有り
待ちて看ん 明歳 春栄を競うを
知るべし天地 陰窮まる処
来復一陽 今日生ず
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 48頁)
〈超意訳〉
木の葉が入り乱れて散る音が聞こえる。
翌年に春の盛りに花が競うように咲く景色を見る事が待ち遠しい。
実のところ天地の陰はすでに極まり、
今日で春に向かう陽気が生じているのだ。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
●●○○●●◎
●△○●●○◎
●○○●○○●
○●●○○●◎
韻脚は「声、栄、生」の下平声八庚。
以下、語句解説です。
・冬至
太陽が黄道の最も南を通過する日。旧暦十一月に相当。正午の太陽の高さは一年で最も低く、昼も最も短い。
・紛紛
入り混じって乱れる様子
・春栄
春の盛り。
・陰窮
陰が極まること。なお、「窮陰」で冬の末、旧暦十二月を意味する。
・来復一陽
「一陽来復」で、陰が極まって陽にかえること。冬至を指す。後に転じて凶事の後に幸運に向かう事を指すようにもなる。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
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