2022年 02月 20日
大正天皇御製漢詩「寒香亭」〜春は近い、と思いたい〜
|
寒香亭
園林春淺雪餘天
剪剪風來鳥語傳
好是寒香亭子上
梅花相對似神仙
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 286頁)
園林春は浅し 雪余の天
剪々風来たって 鳥語伝う
好し 是れ寒香亭子の上
梅花相い対して 神仙に似たり
(同書 287頁)
〈超意訳〉
庭園の林を見るとまだ春は浅く、空は雪が降りおえたばかり。
さっと吹いてきた風に乗って、鳥の鳴き声が聞こえてくる。
よしよし、この寒香亭の上で
梅の花と向かい合っていると、仙人になったような気分になる。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
○○○●●○◎
●●○○●●◎
●●○○○●●
○○○●●○◎
韻脚は「天、伝、仙」の下平声一先。
以下、語句解説です。
・寒香亭
吹上苑内の梅花鑑賞目的で建てられた建物。明治二十一年建設。
・雪余
雪が降った後。
・剪剪
さっと風が吹く様子。
・好
「よし」。
・子
この場合、「物の名に意味なく添えたりする語」に相当しそう。冊子、杓子などがその例。平仄や字数の関係もあって用いられたのであろうか?
・神仙
仙人。不老不死で神通力を持つイメージで語られる。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『普及版 字通』平凡社
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
関連記事:
by trushbasket
| 2022-02-20 17:32
| NF








