2022年 03月 28日
大正天皇御製漢詩「晴軒読書」
|
今回も、大正天皇御製漢詩を扱います。お題は、『晴軒読書』。明治四十五年の作品です。
晴軒讀書
園林日暖鳥呼晴
脈脈透簾花氣淸
貪睡北窗豫豈敢
讀書偏想古人情
園林日暖かにして 鳥 晴れを呼ぶ
脈脈 簾を透して 花気清し
睡を北窓に貪る 予 豈に敢えてせんや
読書偏えに想う 古人の情
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 121頁)
〈超意訳〉
庭園の林には日が暖かく照り、空に鳥が鳴いていて晴天を招いているようだ。
簾を通して花の香りが絶え間なく漂ってくる。
昔の詩人は北の窓で眠りを貪ったというが、私はそんな事はしない。
読書をひたすらにして、古人の心情に思いを馳せるのだ。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
○○●●●○◎
●●●○○●◎
○●●○○●●
●○○●●○◎
韻脚は「晴、清、情」の下平声八庚。
以下、語句解説です。
・脈脈
長く続いて絶えないさま。
・花気
花の香り。
・貪睡北窓
『晋書』陶潜伝に「夏月虚暇高臥北窓之下」とあるのを踏まえた。
・豈
どうして〜しようか、いや、するはずはない。
・偏
ひたすらに。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『普及版 字通』平凡社
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
関連記事:
by trushbasket
| 2022-03-28 20:25
| NF








