2022年 05月 08日
大正天皇御製漢詩『初夏』〜初夏の五言絶句〜
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あっという間に、ゴールデンウィークも終わりですね。今回、この時期にふさわしい大正天皇御製漢詩を。題はそのものズバリ「初夏」、大正六年(1917)の御製です。
初夏
風吹修竹綠
雲氣淡還濃
遠近秧應插
鳲鳩似勸農
風は修竹の緑を吹き
雲気 淡還た濃
遠近 秧応に挿すべし
鳲鳩 農を勧むるに似たり
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 287頁)
〈超意訳〉
風は長く伸びた青竹の間を吹き抜け、
雲は淡くなったり濃くなったり。
遠くを見ても近くを見ても、田植えの時期であるようだ。
聞こえてくるカッコウの声は、農業を励ましているかのようだ。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
○○○●●
○●●○◎
●●○○●
○○●●◎
韻脚は「濃、農」で上平声二冬。五言絶句なので、起句は韻を踏まず末の一字が仄音になっています。
以下、語句解説です。
・修竹
長く伸びた竹。
・還
「また」とよみます。
・秧
苗のこと。
・插
挿。さしはさむ。插秧で田植えを意味する。
・鳲鳩
カッコウをさす。
・勧農
農業を奨励すること、農業に勤むこと
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『普及版 字通』平凡社
『動植物名よみかた辞典 普及版』日外アソシエーツ
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
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by trushbasket
| 2022-05-08 17:14
| NF








